ミラノ国際映画祭で最優秀作品賞受賞!虐待される少女と犯罪を重ねる男の出会い『ひとくず』2020年3月公開!

ミラノ国際映画祭にて最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀男優賞をダブル受賞した、児童虐待をテーマとした上西雄大監督・主演の映画『ひとくず』が、2020年3月14日より公開されることが決定した。併せて、特報映像とポスタービジュアルがお披露目となった。

子供時代に母親の男から虐待されて育ち、夢も希望もなく暮らす男が空き巣に入った家で出会ったのは、同じく母親の男から虐待され、育児放棄されている小学生の女の子だった。初めて守るべきものができた男は、少女の母親も、親の愛を受けずに育ったと気づき…。

本作は、人と人との繋がりや心の琴線に触れる物語を描いてきた劇団テンアンツ代表の上西雄大監督が、30年以上児童相談所に勤務している児童精神科医師の楠部知子先生から「虐待をしてしまう大人もまた傷ついている」という実態を耳にし、傷ついた子供だけでなく、虐待をしてしまう大人にも眼を向けてあげてほしいと制作した。

今年5月に行われたニース国際映画祭では、子供時代に虐待されて育った空き巣の男役の上西雄大が外国語長編映画部門主演男優賞を、育児放棄する母親役の古川藍が助演女優賞をそれぞれ受賞。6月には、国際的女優・映画監督の桃井かおりやイギリス人プロデューサーのアダム・トレルらが審査員を務めた熱海国際映画祭で、上西雄大が最優秀監督賞、育児放棄される子供役の小南希良梨が最優秀俳優賞をダブル受賞。さらに、12月7日に閉幕したミラノ国際映画祭にて最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀男優賞をダブル受賞した。出演はこのほか、堀田眞三、飯島大介、田中要次、木下ほうからベテラン俳優が脇を固めている。

■上西雄大(監督・脚本・編集・プロデューサー・出演) コメント
児童相談所の嘱託医の先生に悍ましい虐待の事実をお聞きし、その夜眠れず一晩で脚本を書きました。この映画は虐待という残酷な事実に向けた僕の想いでした。この映画は製作後、多くの良心とめぐり合わせてくれました。その映画「ひとくず」が賞を頂き心から感謝を致します。来年公開へ向けより深く想いを埋める事が出来ました。ありがとうございました!

▲ミラノ国際映画祭に参加した上西雄大(左)、小南希良梨(右)

『ひとくず』
2020年3月14日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本・編集・プロデューサー:上西雄大
出演:上西雄大 小南希良梨 古川藍 徳竹未夏 城明男 税所篤彦 川合敏之 椿鮒子 空田浩志 中里ひろみ 谷しげる 星川桂 美咲 西川莉子 中谷昌代 上村ゆきえ 工藤俊作 堀田眞三 飯島大介 田中要次 木下ほうか
配給:渋谷プロダクション

【ストーリー】 生まれてからずっと虐待される日々が続く少女・鞠(小南希良梨)。食べる物もなく、電気もガスも止められている家に置き去りにされた鞠のもとへ、犯罪を重ねる破綻者の男・金田(上西雄大)が空き巣に入る。幼い頃に虐待を受けていた金田は、鞠の姿に、自分を重ね、社会からは外れた方法で彼女を救おうと動き出す。そして、鞠の母である凜(古川藍)の恋人から鞠が虐待を受けていることを知る。虐待されつつも母親を愛する鞠。鞠が虐待されていると確信した担任教諭は、児童相談所職員を連れてやって来るが、鞠は母の元を離れようとせず、保護する事ができずにいた。金田は鞠を救うため虐待をする凜の恋人を殺してしまう。凜を力ずくで、母親にさせようとする金田。しかし、凜もまた、虐待の過去を持ち、子供の愛し方が分からないでいた。そんな3人が不器用ながらも共に暮らし、“家族”の温かさを感じ本物の“家族”へと近付いていくが…。

©上西雄大