第72回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』が、2020年1月より公開される。このほど、日本を代表する映画監督らから本作を絶賛するコメントが寄せられた。
『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』など国際的作品を手掛けてきたポン・ジュノ監督が、相反する二つの家族を軸に、貧富格差を痛烈に批判しつつ、コミカルさやサスペンス感などを交え、圧倒的エンターテインメント性を持たせた物語展開で描いた本作。全員失業中、“半地下”住宅で暮らす貧しい一家の長男が、IT企業を経営する超裕福な一家の家庭教師になったことから、次第に想像を遥かに超える悲喜劇へと発展していく。
▼著名人 絶賛コメント
■是枝裕和(映画監督)
観る前の人に、この映画の内容を説明するのは野暮だ。「見ろ!」としか言えないし、「面白い!」としか言いようがない。だから、とにかく見て欲しい。
■阪本順治(映画監督)
観終わってすぐに、私のこころが呟いた言葉は「あぁ、とても同じ職業とは思えない」。感動を越えて、ひざから落ちた。これはもう映画の範疇に収まらない。著述であり、彫刻でもあり、絵画でもあり、建築でもある。常にアンダーグラウンドから世界を見据えるポン・ジュノ監督は、この作品を経て、もはや、現代のミケランジェロだ。悔しいかな、彼を越えるのは、きっと、彼自身でしかないだろう。
■濱口竜介(映画監督)
「傑作」という言葉では足らない、現代映画の一つの到達点。映画とはここまで面白くなくてはならないのかと、一監督として途方に暮れた。
■李相日(映画監督)
暗闇を目隠しで疾走するごとく巡る興奮と刺激の奥底に、社会の不浄さ、人間の滑稽さを教訓などで語らずして優雅に描き切るその腕力にただひれ伏す。笑いながら観ていたはずが、気づけば背筋が凍る衝撃に慄いてしまう。究極の変態で徹底的に残酷(最大の誉め言葉!)、そしてほんのちょっぴり優しさが入り混じるポン監督が見つめているのは、まごうことなき“人間の尊厳”遥か彼方に霞んで見える大きな背中を、これからも追い続けたいと私は思う。
■西川美和(映画監督)
ポン・ジュノ監督の持つ天才的なグロテスクさと笑いとに、最高の洗練が加わった。これだけ社会の重い病巣を描いているのに、どうしてこんなにも面白く観られてしまうんでしょうか。どんなに斜に構えている人でも、どんなに映画を見慣れていない人でも、5分で目を離せなくなるように作られています。世界中に褒められて当然!
■山下敦弘(映画監督)
貧乏家族が金持ち家族を侵食していく、分かりやすいコメディだと安心させておいて、とんでもないところへ観客を導く。ポン・ジュノは映画を信じ、観客を信じて自ら映画を遊んでしまう。なんか映画の全部が詰まってる感じ。いつか爪の垢を煎じて飲ませてください。
■片山慎三(映画監督)
ホームグラウンドにポン・ジュノ監督が帰って来た!!的確なフレーム、リズミカルなセリフ、驚愕のストーリーテリング!そのひとつひとつに意味があり計算されつくされている!芸術とエンターテイメントの見事な融合!観終わった後、あなたに寄生する大傑作です!
■川村元気(映画プロデューサー・小説家)
映画人として最も尊敬しているポン・ジュノ監督の最新作であり、カンヌ映画祭のパルムドール受賞作。期待値を上げるだけ上げて観たら、底が抜けて奈落に突き落とされたような衝撃。見上げると、巨軀の天才が満面の笑みでこちらを見ている。僕たちは、ここから這い上がらないといけない。
『パラサイト 半地下の家族』
2020年1月 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督・共同脚本:ポン・ジュノ
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チョン・ジェイル
出演:ソン・ガンホ イ・ソンギュン チョ・ヨジョン チェ・ウシク パク・ソダム イ・ジョンウン チャン・ヘジン
配給:ビターズ・エンド
【ストーリー】 全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…この相反する二つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく。
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