第156回直木賞と2017年本屋大賞をダブル受賞するという史上初の快挙を成し遂げた恩田陸による傑作小説の実写化となる、松岡茉優主演、松坂桃李、森崎ウィン、鈴鹿央士共演の映画『蜜蜂と遠雷』が、10月4日より公開される。このほど、9月28日に、横浜赤レンガ倉庫特設会場にて開催されている国内最大の全野外型クラシック音楽祭「イープラス presents STAND UP! CLASSIC FESTIVAL 2019 supported by GALAXY ENTERTAINMENT(スタクラフェス)」に、松岡茉優がスペシャルゲストとして登壇した。
松岡が登壇したのは「クラシック in シネマ」ステージ。総合司会を務める松下奈緒と共に、映画『蜜蜂と遠雷』の関連楽曲を中心に映画でおなじみのクラシックの名曲を届ける本ステージは、映画の撮影にも参加した<STAND UP! ORCHESTRA>による、プロコフィエフ(以下:プロコ)の「ピアノ協奏曲 第3番」の演奏からスタート。劇中で松岡演じる亜夜がピアノコンクール本選で演奏する同曲を迫力あるオーケストラによって演奏されると、観客からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。
さらにステージには鈴鹿央士演じる風間塵のピアノ演奏を担当した藤田真央と松坂桃李演じる高島明石のピアノ演奏を担当した福間洸太朗が登壇。藤田は劇中演奏曲のバルトーク「ピアノ協奏曲第3番 第3番」、ドビュッシー「月の光」を披露し、福間は「ラヴェル 水の戯」、「ショパン ピアノ協奏曲 第1番 第3章」と同じく劇中演奏曲を披露し会場を『蜜蜂と遠雷』の世界に染め上げた。
スペシャルゲストの松岡茉優が登壇したスペシャルトークでは、ステージに登壇し会場を埋め尽くすクラシックファンを前に松岡は「クラシック音楽のフェスは初めて参加させていただきました。お呼びいただき非常に嬉しいです!」と笑顔で挨拶。司会の松下も本作を鑑賞したとのことで「松岡さん演じる亜夜のプロコの演奏シーンは圧巻で本当に感動しました。松坂さんを初めとする他のキャストの方々も演奏している姿が、練習が大変だったと思うぐらいリアルでびっくりしました」と絶賛し、「音楽ファンの方もたまらない映画だと思います。コンクールの様子などまるでドキュメンタリーを見ているかのようでした」とコメントした。松岡は「音楽家の方にそういっていただけて本当に光栄です。プロコは劇中で一番大事な演奏シーンでしたし、私の中でも本当に大切な曲で、ステージ裏で聴いていたのですが感動しました」と嬉しそうにコメントした。
さらに原作・劇中でも登場するオリジナル楽曲「春と修羅」の話に移ると、松岡は「プロコもそうですが、過去の演奏や弾き方などネットで見ることができますが、「春と修羅」はオリジナルの楽曲なので、どうアプローチをするかなどサンプルが無いので大変でした」と撮影を述懐。また、「先程の藤田真央さんもそうですが、世界で活躍するピアニストの方々がこの「春と修羅」を弾いているんですけど、音の始まりも音の盛り上がりもピアニストの方によって全然違うんです。私が演じた亜夜のピアノ演奏を担当されたのは河村尚子さんなのですが、他のお三方の音と比べても全然違う」と撮影中のエピソードを披露。さらに松岡は「ピアノには“弾くのその先”があるんだなと感じました。私もお芝居をやっている以上、“芝居のその先”を目指してやっているので、まったく違う“その先”というものがあるんだと「春と修羅」を撮影中に聴いて思いました」と語った。松下は「一つに音楽といっても色々な演奏方法があって、色々な音や表現があって、まさにこの映画にはそういった表現が詰まった作品だなと感じました」と褒め称えた。
最後に松岡は「クラシックに愚直に向き合った作品です。とにかく音にこだわっていてコンサートに来たかのような臨場感を味わえる作品です。是非劇場へ足を運んでいただきたいです」と会場のクラシックファンに向かって作品をPRし、温かい拍手で見送られながら会場を後にした。
『蜜蜂と遠雷』
10月4日(金)全国公開
監督・脚本:石川慶
原作:恩田陸「蜜蜂と遠雷」
出演:松岡茉優 松坂桃李 森崎ウィン 鈴鹿央士 臼田あさ美 福島リラ 眞島秀和 片桐はいり 光石研 平田満 アンジェイ・ヒラ 斉藤由貴 鹿賀丈史 ブルゾンちえみ
配給:東宝
【ストーリー】 芳ヶ江国際ピアノコンクールに集まったピアニストたち。復活をかける元神童・亜夜(松岡茉優)。不屈の努力家・明石(松坂桃李)。信念の貴公子・マサル(森崎ウィン)。そして、今は亡き“ピアノの神”が遺した異端児・風間塵(鈴鹿央士)。一人の異質な天才の登場により、三人の天才たちの運命が回り始める。それぞれの想いをかけ、天才たちの戦いの幕が切って落とされる。はたして、音楽の神様に愛されるのは、誰か?
©2019 映画「蜜蜂と遠雷」製作委員会