伊藤健太郎、完成した作品に「最高でした!」「役者としてやっていくうえで絶対大きなものになる」

累計発行部数300万部を記録した押見修造の人気コミックを、メインキャストに伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえを迎えて実写映画化する『惡の華』が、9月27日に公開初日を迎えた。このほど、9月28日にTOHOシネマズ 日比谷にて公開記念舞台挨拶が行われ、キャストの伊藤健太郎、玉城ティナ、飯豊まりえ、秋田汐梨、井口昇監督、原作者の押見修造が登壇した。

主人公・春日高男を演じた伊藤は、本作のオファーを受けた感想について、「中学生の役ですと言われて、これは大変な撮影になるだろうとは思っていた」と明かしつつ「僕にとって役者としてこれからやっていくうえで、絶対大きなものになる」と最初から感じていたという。続けて、「(映画化は)監督から8年間あたためてきたという熱いお話をしてもらって、僕にやらせてもらえることがすごく嬉しかった」と語り、完成した作品を実際に鑑賞し「最高でした!」と自信をのぞかせた。

春日に執拗につきまとう仲村佐和役の玉城は、原作でも人気のキャラクターを「すでに圧倒的な存在感があったので、私が演じることによってプラスになる要素があればいいな」と演じたと言い、「漫画を一番参考にしました」とコメント。「中村に出会えてよかったです」という玉城に、原作者の押見も「仲村佐和というより玉城佐和。それくらい最高だった」と太鼓判を押した。

春日と交流を深める常盤文役の飯豊は「なるべく『惡の華』のファンの人たちに違和感なく、邪魔しないように観てもらえるように」演じ、「『ニャハ』という笑顔のシーンにこだわった」とのこと。クラスのマドンナ・佐伯奈々子役にオーディションで抜擢された秋田は、伊藤や玉城との共演を「オーラとパワーがすごいので、相談は恐れ多くてできないし、お話も全然…」と振り返る。「そんなことないよね!?」という玉城を、伊藤が「怖いんだよ、やっぱ」と見つめると、「なんで私なんですか!?一緒のシーン、作ったよ!」と玉城が伊藤に詰め寄る一幕も見られた。

イベントでは、原作者の押見がキャストへ、それぞれが演じたキャラクターの描き下ろし色紙をプレゼント。伊藤は「嬉しいですね!自分の顔が原作者の先生に描いてもらえるなんて光栄なこと」、玉城も「こんなに作者さんの愛が伝わる作品も珍しいんじゃないかとい思うぐらい、本当にありがたいです。宝物です」と感激した様子。井口監督には、春日と中村の海のシーンが描かれた色紙が贈られた。

さらに、本作がポーランドにて開催されるファイブ・フレイバーズ・アジアン映画祭に出品されることが決定。「舞台で海外の思春期の少年の役を演じたことがある」という伊藤は「時代が違っても、性別が違っても、国が違っても、宗教的なことがあっても、思春期の時に抱えることって同じ」と実感したそうで、「共感してもらえる自信はすごくある」「海外の人たちが観た、違った反応や捉え方があると思うので、その声がすごく楽しみ」と期待に満ちた表情を見せていた。

『惡の華』
9月27日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショー中
監督:井口昇
原作:押見修造「惡の華」
脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」
出演:伊藤健太郎 玉城ティナ 秋田汐梨 飯豊まりえ 北川美穂 佐久本宝 田中偉登 松本若菜 黒沢あすか 高橋和也 佐々木すみ江 坂井真紀 鶴見辰吾
配給:ファントム・フィルム

【ストーリ―】 山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男(伊藤健太郎)は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子(秋田汐梨)の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和(玉城ティナ)は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった…。仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた頃、二人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう…。

©押見修造/講談社 ©2019 映画『惡の華』製作委員会