奥田民生が歌う「カツベン節」がエンディング曲に決定!流行歌「東京節」をアレンジ『カツベン!』

今からおよそ100年前、楽士の奏でる音楽とともに独自の“しゃべり”で物語をつくりあげ、観客たちを映画の世界に誘い熱狂させる活動弁士、通称“活弁”(カツベン)が活躍していた時代を舞台に描く、成田凌主演、周防正行監督の5年ぶりとなる最新作『カツベン!』が、12月13日より公開される。このほど、本作のエンディング曲が、奥田民生が歌う「カツベン節」に決定した。

周防監督の5年ぶりの最新作にさらなる華を添えるのは、ロックバンド・UNICORNのメンバーとしても、第一線で活躍し続けている奥田民生。彼が歌うのは、大正7年に発表され、「ジョージア行進曲」のメロディに歌詞をつけ、「パイノパイノパイ」というコミカルな歌詞で大流行し、ドリフターズやなぎら健壱など多くの替え歌も生まれ、長年歌い続けられてきた「東京節」を、脚本の片島章三が『カツベン!』用に歌詞を書きかえた、その名も「カツベン節」。映画愛に溢れた本作にふさわしくアレンジされた本楽曲には、映画黎明期のスターであり、“めだまの松ちゃん”の愛称でも知られる尾上松乃助や、『怪盗ジゴマ』や、『椿姫』、『雄呂血』(おろち)、『不如婦』(ほととぎす)など、歴代の名作が登場。さらに一世を風靡した時代を代表する活動弁士・駒田好洋が活弁の際に口癖のように言っていた「頗る非常」という説明や、生駒雷遊の「ああ、春や春、春南方のローマンス」でも知られる名調子が歌詞にちりばめられ、まさに映画愛に溢れた、本作のドタバタ群像劇を締めくくるに相応しい曲になっている。

映画クランクイン前から、音楽監督の周防義和からの提案で「東京節」を映画の中で使おうと構想していた周防監督は、「東京節がもつ時代感を現代にも通じる味わいに変える、そういう歌手は誰か」と考えたときに思い浮かんだという、自身も好きな奥田民生へオファー。監督は、「奥田さんとお仕事するのは初めてでしたが、楽曲の狙い、映画の狙いを見事に表現してくれた」と、奥田の歌う「カツベン節」を絶賛。レコーディングで熱の入った歌声を披露した奥田も、「子供の頃、大人たちが歌っていた感じというか、ムードを思い出してやりました。自分が昭和の生まれなので、この歌がもっていた心は分かると思います」と曲に込めたその想いを語り、監督が思い描く“現代にも通じる味わい”を見事に表現した歌に生まれ変わった。この曲のおかげで、監督が「映画のクライマックスシーンをイメージすることができた」と、本作に見事マッチしたエンディング曲に映画の期待も高まる。

■奥田民生 コメント
『カツベン!』を観て、作品から昔の人の体力と気力のすごさを感じました。「東京節」というものが子供の頃よりさらに前の流行り歌みたいなことは、ほのかに覚えています。当時というのは今より自由な気がします。子供の頃、大人たちが歌っていた感じというか、ムードを思い出してやりました。自分が昭和の生まれなので、この歌がもっていた心は分かると思います。

■周防正行監督 コメント
「東京節」という、大正時代の流行歌がもつ楽しい雰囲気と時代感を活かして、この映画の音楽を作れないか。いつも僕の映画の音楽を担当してくれている音楽監督の周防義和さんのアイディアからエンディング曲はスタートしました。それならあの東京節を、この映画にふさわしい詩にしようということで、今度は脚本家の片島さんに作詞をお願いして見事「カツベン節」が完成したんです。もととなった東京節がもつ時代感を現代にも通じる味わいに変える、そういう歌手は誰かを考えたときに僕の好きな奥田民生さんが頭に浮かびました。奥田さんとお仕事するのは初めてでしたが、楽曲の狙い、映画の狙いを見事に表現してくれて、この楽曲が持つ楽しさを活かし味わい深いものにしてくれました。現代に蘇る不思議な味わいを持つ歌となった「カツベン節」のおかげで、映画のクライマックスシーンをイメージすることができました。

『カツベン!』
12月13日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:周防正行
出演:成田凌 黒島結菜 永瀬正敏 高良健吾 井上真央 音尾琢真 竹野内豊 竹中直人 渡辺えり 小日向文世 池松壮亮 成河 酒井美紀 山本耕史 草刈民代 城田優 上白石萌音 シャーロット・ケイト・フォックス
配給:東映

【ストーリー】 一流の活動弁士を夢見る青年・俊太郎(成田凌)は、小さな町の映画館「靑木館」に流れつく。隣町のライバル映画館に客も、人材も取られて閑古鳥の鳴く靑木館に残ったのは、「人使いの荒い館主夫婦」、「傲慢で自信過剰な弁士」、「酔っぱらってばかりの弁士」、「気難しい職人気質な映写技師」と曲者揃い。雑用ばかり任される俊太郎の前に突如現る大金を狙う泥棒、泥棒とニセ活動弁士を追う警察、そして幼なじみの初恋相手!俊太郎の夢、恋、青春の行方は…!俊太郎の活弁がうなるとき、世紀のエンターテイナーの物語がはじまる。

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