片渕須直監督「世界のもうひとつの片隅が見えた」、小田部羊一「温もりのある絵が人生を見せてくれる」著名人絶賛!『エセルとアーネスト』

「スノーマン」「風が吹くとき」などの名作で知られるイギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグズが自身の両親について描いたグラフィック・ノベル「エセルとアーネスト」を映画化した『エセルとアーネスト ふたりの物語』が、9月28日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

「スノーマン」「風が吹くとき」などで知られる国民的絵本作家レイモンド・ブリッグズが自身の両親の人生を愛情込めて描いた原作を映画化した本作。1928年、ロンドン。牛乳配達のアーネストとメイドのエセルが恋に落ち、結婚。戦争を乗り越え、戦後の新しい時代を生き、二人が世を去る1971年までを感動的に描くとともに、庶民の歴史を、暖かなまなざしで映し出す。

▼著名人 絶賛コメント

■片渕須直(アニメーション監督)
『この世界の片隅に』のすずさんたちと同じ頃、別の国に住んでいた夫婦のお話です。戦時中に布が足らなければ、「だからスカートは短くしましょう」と反対のことをやっていたり。違うところも、でも、同じところも。世界のもうひとつの片隅が見えました。

■小田部羊一(アニメーター)
温もりのある、あのレイモンド・ブリッグズの絵が人生というものを見せてくれます。第二次世界大戦をはさんだ時代と生活。恋や子育て、戦時下の現実、老いて死ぬことまで。淡々とありのままを描いて、しかもずしんと重い、冷徹さと温かさ。

■末盛千枝子(絵本編集者)
あれだけの絵本作家が、自分の両親のごく平凡な庶民の人生をこのように描き切ったということに感動しました。

■林望(作家・国文学者)
ふつうの人生が、淡々とリアルに描かれていく。絵も心も、しみじみと美しい「文学」である。何度も涙が出た。

■ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
とても素敵な映画でした。淡々と描いているけど、親への愛情が漂っています。だからイギリスのちょっと昔の話であっても、日本人が見ても共感できると思います。

■志茂田景樹(作家・読み聞かせ隊隊長)
終戦の年、僕は5歳。東京郊外の空はすでに戦場だった。僕は両親にエセルとアーネストを重ねていた。わが子を守り必死に生きる二人の命は美しく輝いていた。

■クリス-ウェブ佳子(モデル・コラムニスト)
これは普遍的な人間ドラマなんかじゃない。だって「普通の家族」が、「普通じゃない時代」を生きようとしたんだから。

■石川直樹(写真家)
遠い場所、ちょっと昔、自分たちとすれ違うことすらなかった見知らぬ家族の話なのに、他人事とは思えない。ぼくたちは彼らで、彼らはぼくたちそのものだ。

■豊田エリー(女優)
この映画を一番に薦めたいのは両親です。楽しいだけでなく切ない部分もありますが、一緒に観たいし、きっと観たいと言ってくれると思います。

『エセルとアーネスト ふたりの物語』
9月28日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
監督:ロジャー・メインウッド
原作:レイモンド・ブリッグズ
音楽:カール・デイヴィス
エンディング曲:ポール・マッカートニー
声の出演:ブレンダ・ブレッシン ジム・ブロードベント ルーク・トレッダウェイ
配給:チャイルド・フィルム ムヴィオラ

【ストーリー】 1928年、ロンドン。牛乳配達のアーネスト(声:ジム・ブロードベント)とメイドだったエセル(声:ブレンダ・ブレッシン)は恋に落ち、結婚し、ウィンブルドンに小さな家を構える。最愛の息子レイモンドの誕生と成長、第二次世界大戦中の苦難の日々にも、二人は寄り添い、笑いあうことを忘れない。戦後の経済発展が進む中、静かに忍び寄る老い…しかしいつもエセルの横にはアーネストがいた。激動の20世紀を生きた庶民の歴史を、暖かなまなざしで描いた感動の物語。

© Ethel & Ernest Productions Limited, Melusine Productions S.A.,The British Film Institute and Ffilm Cymru Wales CBC 2016