天才作家・太宰治による日本文学史上最高の傑作の誕生秘話を、主演に小栗旬を迎え、蜷川実花監督が映画化する『人間失格 太宰治と3人の女たち』が、9月13日より公開される。このほど、9月1日にスペースFS汐留にてスペシャルトークショー付き試写会イベントが行われ、お笑いコンビのEXIT(りんたろー。と兼近大樹)が登壇した。
すでに作品を鑑賞したEXITの2人。りんたろー。は「太宰というチャラ男を中心に、その才能に惚れた3人の女性たちの人間らしさを、蜷川実花ワールドの美しい映像で描いた素晴らしい作品」と真面目なコメント。一方の兼近は「僕は“いと頭悪し”(キャラ)でやっているので、映画の内容はほぼ頭に入ってきませんでした。ただ風車がカラカラと回るところは面白かった」とPRイベントとは思えぬ感想を述べ、りんたろー。から「前代未聞だよ!」とツッコまれていた。
劇中では複数の女性を愛する太宰の“チャラい”姿が描かれるが、りんたろー。が「太宰はもはやチャラさの向こう側にいっている」と舌を巻くと、それに自称“ネオチャラ男”という兼近は「逆に古い!」とバッサリ。その理由について「今のチャラ男は一周回って、一人の女性をめっちゃ愛す。それが俺というか、本物のチャラ男!」とピュアすぎる兼近流の持論を展開。さらにりんたろー。が太宰の恋愛観について「当人同士がOKならOKじゃね?」とチャラ男ぶりを発揮して理解を示すと、すかさず兼近は「個人同士で盛り上がるのならばいいけれど、周りの人を巻き込むのはチャラ男失格だよ」とチャラ男とは思えぬ正論で諭していた。
劇中には太宰を愛した3人の女性、太宰の正妻・美知子(宮沢りえ)、作家志望の愛人・静子(沢尻エリカ)、太宰最後の女・富栄(二階堂ふみ)が登場する。その中から好みのタイプを聞かれたりんたろー。は、宮沢演じる美知子を挙げて「劇中で太宰が浮気している現場を目撃するシーンでは、一緒にいた子供たちに『お父さんはお仕事中だから』と浮気を肯定する。強いと思った。そういう風に言ってくれる彼女がほしい」と熱望。
一方、兼近は「ネオチャラ男の俺の方が超えちゃっている」と宣言し、誰を好みに挙げるのかと思いきや「出版されたばかりの『斜陽』の本を読んで『こんな恋愛をしたい』という女の子がいい。一瞬しか出ないけど」と、ほぼエキストラ状態の登場人物に注目。マニアック過ぎる人選にりんたろー。が驚くと「太宰と関係した3人の女性と違って、関わろうとしないのがいい。太宰をあくまで作者として見ていて、自分の世界の中で生きているのがいい。太宰は関わってはいけない人間ですから」と深すぎる返答で会場をどよめかせた。
さらにタイトルにちなんで「人間失格だと思うこと」を聞かれた兼近は「僕は人間大会に出ていないので、合格も不合格もない。普通に適当に生きているので、失格になることも合格もない。普通の人です。失格と言われる筋合いもない。俺は俺。勝手に失格にしないでくれと思うし、いい人だからと言われて合格をもらっても、大会に出ていないのでもらいません」とチャラさとは程遠い哲学的返答を淡々と述べていた。
最後にりんたろー。は「人間らしく正直に生きようと裸でぶつかり合った人間模様が実花ワールドと豪華キャストで生まれた作品。美しい映像を含めて楽しんでほ“しいな桔平”!」と謎のボケを挟みつつアピール。兼近は「テキトーに楽しんじゃってください!」とチャラ男ぶりを見せつつ「ダメなところって人間にはそれぞれあって、太宰を通してそれを見ることができるのは面白い。太宰を愛せるような描き方になっているので、太宰を愛してほしい」と真面目に締めくくっていた。
『人間失格 太宰治と3人の女たち』
9月13日(金) 全国ロードショー
監督:蜷川実花
脚本:早船歌江子
音楽:三宅純
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ「カナリヤ鳴く空 feat.チバユウスケ」(cutting edge/JUSTA RECORD)
出演:小栗旬 宮沢りえ 沢尻エリカ 二階堂ふみ 成田凌 千葉雄大 瀬戸康史 高良健吾 藤原竜也
配給:松竹 アスミック・エース
【ストーリー】 天才作家、太宰治(小栗旬)。身重の妻・美知子(宮沢りえ)と二人の子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返す。その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。太宰は、作家志望の静子(沢尻エリカ)の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄(二階堂ふみ)にも救いを求めていく。二人の愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが…。
© 2019 『人間失格』製作委員会