社会から見放された若者たちが振り込め詐欺に手を染めていく姿を描く、杉野遥亮が連続ドラマ初主演を務めるドラマ「スカム」が、6月30日よりMBS/TBSドラマイズム枠にて放送開始されることが決定した。
本作は、週刊モーニングで連載中の「ギャングース」の共同原作者を務め、“犯罪現場の貧困”、“犯罪する側の論理”をテーマに取材活動を続けるルポライター、鈴木大介が、巨大犯罪・振り込め詐欺に従事する若者たちの実態を取材した「老人喰い」を原案に、社会的要因により振り込め詐欺に手を染めざるを得なかった若者たちの姿を描く。
舞台は、リーマンブラザーズの経営破綻により日本でも多くの失業者が生まれ、若者の貧困率が高齢者を大きく上回るなど「世代間格差」という言葉が取りざたされた2008年の東京近郊。振り込め詐欺の巧妙な手口や、民間企業以上の規律で運営される詐欺組織の実態を交えながら、様々な動機で振り込め詐欺に手を染めていく若者たちの“転落”模様を、激しくもユーモラスに活写する。タイトルの「スカム」は、“詐欺”、“人間のクズ”を意味している。
主演は、映画『キセキ -あの日のソビト- 』(2017)で俳優デビューを果たし、今年は『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ』や、ドラマ「花にけだもの」シリーズ、「新しい王様 Season1」、「ミストレス~女たちの秘密~」など数々の映画やドラマに出演を続ける人気急上昇中の俳優・杉野遥亮。本作では、順風満帆な勝ち組人生を歩んできたが、新卒切りにより無職となり、時を同じくして発覚した父親の難病治療のため、振り込め詐欺を始める主人公・草野誠実役を演じる。詐欺師としての才覚を発揮し、詐欺グループのリーダーへと成長し、裏の世界にどっぷりと堕ちていく演技に注目だ。
演出は、本物の不良少年たちを出演させ、数々の国内映画祭に出品を果たした映画『孤高の遠吠』や、間宮祥太朗主演の映画『全員死刑』などを手掛けた新進気鋭の映画監督・小林勇貴が務める。
キャスト&スタッフ コメント
■杉野遥亮(草野誠実役)
Q:本作が連続ドラマ初主演作となりましたが、最初にオファーを聞いたときは率直にどう思いましたか?
嬉しさと巡り合わせを感じました。杉野遥亮としても一俳優としても、今後の財産になる方との出会いや経験がここにあるんじゃないか、と思いました。
Q:座長として、どのような想いで撮影に臨みましたか?
自分なりの現場の雰囲気の作り方やメリハリ、熱量、ものづくりの楽しさが視聴者の皆様に伝わるよう心がけています。尊敬する共演者の皆さんと現在も撮影していますが、未だに座長と言われると照れます。
Q:一流企業の会社員から、振り込め詐欺師へ転身を遂げる主人公・草野の役柄に共感できる部分はありますか?
誠実の深い想いに同調できる部分が多々あります。社会に対して思うこと、不条理、悔しさが誠実の反骨心に繋がりますが、僕自身も納得できない事や悔しさが前に進むきっかけにもなっています。その根底にあるものは今を生きる人々に突き刺さると確信しています。
Q:本作を楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。
社会の不条理に対する考え方とそれに立ち向かう手段としての詐欺、何が正解で何が不正解かわからないパラドックスですが、そこに懸命に生きる僕たちを笑っているうちに、気がついたら切なくなってくれたら勝ちだなと思っています。誠実たち詐欺グループの姿を通してカタルシスを感じて欲しいです。勢いのある攻めたカットが1話からふんだんに存在します。監督曰く勝ちの画です。あわせてお楽しみください!
■小林勇貴監督
Q:主演・杉野遥亮の魅力はどんなところですか?
今回、杉野さんが演じた草野誠実という役は、お金の事情で追い詰められてしまった若者なんですがその役の気持ちに寄り添いながら、役の痛みを受け取りながら、演技をするという共感能力の高さが監督として本当に嬉しいですし、役者として非常に信頼しています。また、ともすれば、詐欺=罪=悪いことという方程式でモノを考えがちですが、想像力をもっているからこそ、そんな単純な方程式で割り切れないことがこの世の中に存在することを本能的に理解しているのは彼の人間としての柔軟性であり魅力だと思います。
Q:この作品を通じて表現したいこと、伝えたいテーマはどんなものですか?
この物語は仕事の話。つまり、生きるために取る手段はなにか?というテーマです。殆どの若者が相対的に貧困で、日本の8割もの資産を高齢者が所有している。そんな追い込まれた時に、若者がとった生きる手段はなにか?という日本の事実の話なんです。この現実を目の当たりにした時の驚き、そして善悪の複雑な感情、人の生きる手段は単純ではないことを、多くの視聴者に感じてもらいたいです。
Q:本作を楽しみにしている視聴者へメッセージをお願いします。
極悪な“杉野遥亮”をお楽しみください。
■原プロデューサー
Q:本作の主演に杉野遥亮を起用した理由をお答えください。
本作で描きたかったのは、“普通に生きてきた善人が、社会的要因によって弱者に転落し、犯罪者になってしまうことがある”という日本の現実です。そのため、主人公の草野誠実には、<善人>としての説得力と <悪への変化>を表現できる演技力を持った方が必要でした。自然体で等身大の演技ができ、年齢的にも誠実の実年齢に近い杉野さんはベストな俳優さんだと思い、オファーをさせて頂きました。まだ撮影は途中ですが、誠実が、なぜ犯罪に手を染めざるを得なかったのか、その動機に説得力を持たせてくれています。後半の詐欺稼業でのし上がっていく過程では、誰も見たことのない俳優・杉野遥亮をお見せできると思います。
「スカム」
6月30日(日)よりMBS/TBSにて順次放送開始(全9話)
MBS:6月30日(日)より、毎週日曜 24時50分~放送
TBS:7月2日(火)より、毎週火曜 25時28分~放送
演出:小林勇貴
原案:鈴木大介「老人喰い」(ちくま新書)
脚本:継田淳
出演:杉野遥亮
【ストーリー】 名門私立大学卒業後、大手企業に就職し、順風満帆な勝ち組人生を歩んでいた草野誠実(杉野遥亮)。しかし、リーマンショックにより、入社わずか半年で新卒切りに遭う。時を同じくして、父親が病に倒れ、父親の命を救うには保険の効かない高額な治療を受けなければいけないという事態に。さらには、再就職先が見つからず、銀行には教育ローンの返済を催促される始末。理不尽な社会に絶望し、追い詰められた誠実は1日で数十万円稼げるという怪しげなバイトをすることに。それは、オレオレ詐欺でターゲットとなった老人が振り込んだお金をATMから引き出す“ダシ子”という仕事だった。そして、その仕事で気概を認められた誠実は、直接、老人に振り込め詐欺の電話をかける“かけ子”という仕事を強要されることになる。地獄の研修、個性的な仲間たちとの出会い、初めての成功、リーダーへの抜擢…誠実は詐欺稼業での躍進に葛藤しながら、いち早くお金を稼ぎ、裏社会から抜け出そうとするが…。はからずも、詐欺師として裏社会でのし上がっていってしまう彼に訪れる結末とは!?