第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作『わたしは、ダニエル・ブレイク』を手掛けた、イギリスを代表する名匠ケン・ローチ監督の最新作『Sorry We Missed You』(原題)が、12月13日より公開されることが決定した。
時代の波に翻弄される“現代の家族の姿”を描く本作。舞台はイギリス北東部のニューカッスル。父リッキーはマイホーム購入を夢みて、大手配送業者のフランチャイズの下請けドライバーとして働き出す。母アビーはホームヘルパーとして朝から晩まで働く毎日。家族で過ごす時間が減っていく中で、息子セブと娘ジェーンは寂しさを募らせていく。
ローチ監督は、『わたしは、ダニエル・ブレイク』を最後に映画界からの引退を表明していたが、引退宣言を撤回し本作を制作。これまで労働者や社会的弱者に寄り添い、彼らを取り巻く現実とそれでも明日を懸命に生きようとする人々を描き続けてきたローチ監督は、本作では理不尽なシステムによる過酷な労働の中で、社会の下層から這い上がれない家族を通し、現代社会への“怒り”を描いている。
本作は、第72回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門にノミネートされ、『麦の穂を揺らす風』、『わたしは、ダニエル・ブレイク』に続き、3度目のパルムドール受賞も期待されている。
『Sorry We Missed You』(原題)
12月13日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ
出演:クリス・ヒッチェンズ デビー・ハニーウッド リス・ストーン ケイティ・プロクター
配給:ロングライド
【ストーリー】 イギリス、ニューカッスルに住むある家族。父リッキー(クリス・ヒッチェンズ)はマイホーム購入を夢みて、大手配送業者のフランチャイズの下請けドライバーとして働き出す。母アビー(デビー・ハニーウッド)はホームヘルパーとして朝から晩まで働く毎日。次第に家族で過ごす時間が減って行き、息子セブ(リス・ストーン)と娘ジェーン(ケイティ・プロクター)は寂しさを募らせてゆく…。
photo: Joss Barratt, Sixteen Films 2019