独創的なドキュメンタリー作家として数々の作品を手掛け、今年3月29日に亡くなった、フランス映画界を代表する女性監督アニエス・ヴァルダの遺作『ヴァルダ・バイ・アニエス』(原題)が、12月より公開されることが決定した。
今年2月のベルリン国際映画祭で特別上映された際は、ヴァルダ監督本人も登壇、90歳にしてますます創作意欲の衰えぬ、元気な姿を観客の前に見せたばかり。その直後の訃報に世界が悲しみにくれ、マーティン・スコセッシ、マドンナ、アンジェリーナ・ジョリー、ギルレモ・デル・トロ、パティ・スミスなど、世界中の映画人、アーティストがこぞって追悼の意を表した。
本作は、ヴァルダ監督の半世紀以上に渡る創作活動、長編劇映画デビュー作『ラ・ポワント・クールト』から、世界中の映画賞を席捲し、昨秋日本でも公開され話題となった『顔たち、ところどころ』までを、彼女自身が情熱とユーモア溢れる口調で語りつくしながら、貴重な映像とともに綴る集大成的セルフ・ポートレイト。ヴァルダ監督のフィルモグラフィーに触れたことのない観客をも魅了する、愛すべき一人の女性の人生の物語となっている。
併せて、日本では正式劇場公開されていない2作も同時公開され、その撮影風景が第72回カンヌ国際映画祭のメインビジュアルにも使用され話題となっている、ヌーヴェルヴァーグ誕生を予見したと言われる前述のデビュー作『ラ・ポワント・クールト』(1955)、自身が事務所兼住居を構えるパリ14区の通りを点描したドキュメンタリーの代表作の一本『ダゲール街の人々』(1975)が上映される。
▲『ラ・ポワント・クールト』 (c) Agnes VARDA
▲『ダゲール街の人々』 (c) cine tamaris
『ヴァルダ・バイ・アニエス』(原題)
12月より、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:アニエス・ヴァルダ
配給:ザジフィルムズ
(c) cine tamaris 2018