小林聡美、谷川俊太郎、いとうせいこうら著名人絶賛コメント!アニエス・ヴァルダ監督最新作『顔たち、ところどころ』

名匠アニエス・ヴァルダとアーティストのJR(ジェイアール)が共同で監督を務めたドキュメンタリー映画『顔たち、ところどころ』が9月15日より公開となる。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

「ヌーヴェルヴァーグの祖母」とも呼ばれる女性映画監督の先駆で、カンヌ、アカデミー両賞で名誉賞を受賞しているアニエス・ヴァルダと、大都市や紛争地帯といった様々な場所で、そこに住む人々の大きなポートレートを貼り出すアートプロジェクトで知られるアーティスト、JR。本作は、年の差54歳のふたりが、フランスの田舎街を旅しながら人々とふれあい作品を一緒に作り残していくロードムービー・スタイルのハートウォーミングなドキュメンタリー。第70回カンヌ国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞、本年度のアカデミー賞にもノミネートされ、世界中の映画祭を席巻した。

著名人 絶賛コメント

■谷川俊太郎(詩人)
底抜けに楽しく、そして美しい!時代の憂さを晴らしてくれる快作。

■小林聡美(俳優)
友情に年齢は関係ない。惹かれあうのはお互いのセンス。そんなアニエスとJRの旅は、ゆく先々で人々を驚かせ笑顔にする。大写しになった顔の美しさ。力強さ。顔以上に魅力的な部位が人間の体にあるだろうか。彼らの作品は私たちの想像力に問いかけ、教えてくれる。私たちみんな、こんなにスゴイ顔をもっているのだと。

■ほしよりこ(漫画家「きょうの猫村さん」)
毎日を一生懸命生きる人々をドラマチックにクローズアップするふたり。このフィルムに写っている時間の何倍も人々に寄り添いアプローチしたであろうことがプリントアウトされた顔たちによって語られる。世界の隅々が愛おしくなる映画でした。

■ホンマタカシ(写真家)
アニエスのフェミニズムと、ゴダールの意地悪がよかった

■飯沢耕太郎(写真評論家)
54歳差のでこぼこコンビの「顔」を探し求める旅。写真というメディアを活用することで、偶然が必然に転化していく瞬間の醍醐味を味わうことができる。JRも魅力的だが、アニエス・ヴァルダが、信じられないくらいチャーミングだ。

■原田郁子(クラムボン)
!!!!!???!!!!!
言葉にならない感嘆符がたくさん。違和感や戸惑いは消え、その人の目は輝き、思わず笑みがこぼれる。人々の心を溶かし、新しい風を吹き込む、芸術の力を、見た気がします。「顔は人生を語る」そうつぶやくアニエス・ヴァルダの顔は、とても魅力的(足の指も!)。頼もしい相棒、共犯者に、出逢えてよかったね。続編もぜひ、みたいなあ。

■祖父江慎(デザイナー)
まだ見ぬことにワクワクしたい。めざす作品イメージを限定しないように注意ながら作品を作り続けるふたりを見ていると、自分の中にあるあいまいな未来への不安なんてふっとんでしまいます。次の「偶然」はどんな素敵を連れてきてくれるんだろう?ってワクワクしてしまいます。たとえ体がくたびれちゃってても、見る喜びのためだったらゴーゴーゴーですね。そして映像も美しく、うっとりです。

■鈴木芳雄(編集者・美術ジャーナリスト)
アーティストJRがとてつもなく魅力的な人物に見えてきてしまった。この映画のせいだ。見る前に感じていた辛口で、不遜で、クールで、もしかしたら嫌なヤツ、すれ違っても気づけないサングラス男で良かったのに。

■若木信吾(写真家)
映画を人生を導く手法とすることは、とても素直な考えで、素晴らしいことだと思う。それが優しい気持ちを生み出す結果となればこのうえない幸せだ。その全てがこの映画に詰まっている。

■いとうせいこう(作家・クリエイター)
ヌーヴェルヴァーグの始原にいるアニエス・ヴァルダと、若いJRの二人がフランスの村々に緩やかな「非日常」を醸し出していく。無計画な旅を映画にしてしまう手法は、つまり偶然を必然にする芸術家の手並み。

■鈴木ヒラク(アーティスト)
記憶が、時間のシワのようなものだとしたら。場所にも人にも、それはある。完成した時点で既にシワシワな作品を作ろうとしてきたJRが、アニエス・ヴァルダが刻んできた深いシワに触れた。ここでは、いくつかのささやかだが印象的なシワが寄り添うことで、リズムが生まれ、映画という新しい記憶が作り出されている。

■河村康輔(コラージュアーティスト)
暗い世の中をカメラというフィルターを通し、出会った人々との繋がりで明るい未来へと変えていく映画でした。一枚の写真の力、小さな力でも人を巻き込む事によって大きな力に変わるという事を改めて再確認しました。そして、これは暗闇の奥に隠れた綺麗な目(心)の物語です。

■ELLI-ROSE(モデル、DJ)
こんなにたくさん感動して泣いたドキュメンタリー映画は初めて。行き先の決まっていない、奇跡任せの長いゆったり旅。どこか懐かしい、夢のような旅をいつか必ずしてみたい。去年、カンヌ映画祭でアニエスベーのカクテルパーティーにひょこっと現れた小さくて可愛いおばあちゃんのアニエス・ヴェルダと私と年が数個しか違わないミステリアスなアーティストJR。このふたりがフランスの田舎町で出会う人々とお話しをしたり、写真を撮って、アートで喜びと楽しさを分かち合い旅する映画を作っていたとは知らずに。年はすごく離れているけど関係性が常にフラットで息もぴったり。でもお互いものすごいリスペクトもある。アニエスとJRの穏やかで優しい、特別な出会いと友情。人生は完璧じゃなくていい、予想外の展開が面白いんだってことを教えてくれました。一度観たら、忘れることのできない作品。

『顔たち、ところどころ』
9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本・ナレーション・出演:アニエス・ヴァルダ JR
音楽:マチュー・シェディッド(-M-)
配給:アップリンク

© Agnès Varda – JR – Ciné-Tamaris – Social Animals 2016.