穂藩君主・浅野内匠頭の仇討のため、浪士となった47人の藩士たちの物語の秘話を、主演に堤真一、共演に岡村隆史を迎え、『殿、利息でござる!』、『忍びの国』の中村義洋監督が映画化した『決算!忠臣蔵』が、11月22日に公開される。このほど、本作の特報映像とポスタービジュアルがお披露目となった。
本作は、江戸城・松の廊下で人傷騒ぎを起こした責任で切腹させられた赤穂藩君主・浅野内匠頭の仇を晴らすため、浪士となった四十七人の藩士たちが、宿敵・吉良上野介に仇討した物語の仰天秘話を描く。大石内蔵助役として堤真一、内蔵助を支える貧乏なそろばん侍・矢頭長助役として岡村隆史がダブル主演を務める。
これまで、日本の冬の代名詞「忠臣蔵」にまつわる映像作品はゆうに300を超えるが、“討ち入りをするためには大金がかかる”ことをテーマに描いた作品は本作が史上初。まず、上限予算は9500万円(790両)。これは、亡くなった主君・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の妻・瑤泉院(ようぜんいん)から預かったお金と、お城の余り金を必死にかき集めて工面した金額であり、これを使用し主君の仇を討つ。現代に置き換えると、一大プロジェクトの総予算だ。赤穂浪士たちの真のミッションは、“予算内に討ち入ること”だった。しかし、藩士たちの日々の生活費(食費や家賃)、江戸までの往復旅費、討ち入りするための武具など、挙げたらキリがないほどにお金は出ていく。しっかり節約する人もいれば、自分だけはいいや、と無駄遣いをする人もいて、プロジェクトは超難航。お金が足りずに、やる気満々の浪士たちのリストラも余儀なくされる始末となっていた。
特報映像では、討ち入るための武具が人数分必要だ!(フル装備×47人分で1230万円)と叫ぶ浪士たちに、「予算全部使うたのか!」と内蔵助(堤真一)が憤る。そんな彼に周囲の者たちは怒り、呆れ、醒めた目をし、勘定方・矢頭長助(岡村隆史)は「銭の勘定できん侍は何をさせても“でくのぼう”」と非難する。
『決算!忠臣蔵』
11月22日 全国公開
監督・脚本:中村義洋
原作:山本博文『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書)
出演:堤真一 岡村隆史 濱田岳 横山裕 妻夫木聡 荒川良々 石原さとみ 竹内結子 西村まさ彦 寺脇康文 上島竜兵 堀部圭亮 山口良一 鈴木福 千葉雄大 滝藤賢一 笹野高史 橋本良亮 木村祐一 板尾創路 村上ショージ 西川きよし 桂文珍
配給:松竹
【ストーリー】 元禄14(1701)年3月14日。事件が起こったのは江戸城・松の廊下。「濁った水を綺麗にする」ことを強く願う清廉潔白な赤穂藩藩主・浅野内匠頭は、かねてより賄賂まみれだった吉良上野介の態度に据え兼ね、斬りかかる。通常であれば喧嘩両成敗となるはずが、幕府が下した結論は、浅野家のお取り潰しと、内匠頭の即日切腹。突然藩主を亡くし、お家断絶となり、赤穂藩士たちは路頭に迷う。要は江戸時代の優良企業倒産事件。現代に置き換えると、藩は会社、武士はサラリーマンということ。筆頭家老・大石内蔵助(おおいしくらのすけ/堤真一)は、嘆く暇もなく、勘定方・矢頭長助(やとうちょうすけ/岡村隆史)の力を借り、ひたすらリストラに励む日々。その努力や幕府への取次も虚しく、お家再興の夢は断たれてしまう。それでも一向に討入る様子のない内蔵助。だが、江戸の庶民たちは赤穂浪士たちによる、吉良上野介への仇討を超熱望。いつの時代も物事を動かすのは、なんとなくの時代の空気感。それは現代でも変わらない。ただそこで発覚した大変な事実。なんと、討入りするにも予算が必要。その上限は9500万円(790両)。討入るのか討入らないのか、迷っているうちに予算はどんどん減っていく。しかし世間の空気的に仇討しないと絶対にまずい。どうする大石内蔵助!?予算の都合で、チャンスは一回。果たして彼らは“予算内”で、一大プロジェクト“仇討”を、無事に“決算”することができるのか!?
(C)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会