福地桃子、初出演・初主演映画の公開に感激!『あまのがわ』初日舞台挨拶レポート

福地桃子初主演、柳喬之共演で贈る、第31回東京国際映画祭での上映が話題となった映画『あまのがわ』が2月9日に公開初日を迎え、同日に有楽町スバル座にて初日舞台挨拶が行われ、福地桃子、生田智子、水野久美、住岡梨奈、渡邉幸愛(SUPER☆GiRLS)、園田あいか(校庭カメラアクトレス)、古新舜監督、スペシャルゲストとしてOriHime開発者の吉藤オリィが登壇した。

映画初出演・初主演の福地は「皆さんに初めて観てもらうと思うとドキドキ」とついに始まった全国公開に期待と不安が入り混じった新鮮な表情で挨拶した。母親役の生田、祖母役の水野には「たくさん助けていただきました。劇中では親子関係が大事なので、撮影以外ではこちらが力を抜いて話せるような瞬間を作っていただいた」と感謝。すると祖母役の水野は自らのデビュー当時を振り返り「デビュー作というのは一番よく覚えているもの。だから私も初心に戻ろうと努力しています」と笑わせた。

また和太鼓の練習場所で二十歳の誕生日を迎えたという福地は「生田さんから二十歳の誕生日をサプライズで祝ってもらい、生田さんの娘さんとおそろいのリュックをプレゼントしてもらった」と嬉しそうに語った。劇中では福地に厳しく当たる母親という役どころを演じる生田だが「普段の私はボーッとしていますが、娘を思う気持ちや愛情は同じ。娘に対して間違った方向に行ってほしくないという思いが、厳しい接し方になってしまったんだと思う」と同じ親として役柄に共感を寄せていた。

主題歌も担当している住岡は「屋久島の撮影を終えた後に、作品の持つテーマを織り込みながら作った思い入れのある曲」と紹介すると、古新監督は「僕が昭和歌謡が好きなので、『木綿のハンカチーフ』のような楽曲をリクエストしました。でも住岡さんはその曲をご存じないようで、そこにジェネレーションギャップを感じました」と笑いを交えて楽曲誕生秘話を明かした。

高校生役の渡邉は「私は現役高校生ではないので、久しぶりに制服を着てテンションが上がりました。お弁当を食べるシーンも『高校時代はこうだったよなぁー』と思い出しながら演じました」と“JK”再体験に喜び。一方、高校生役とは言え撮影時中学3年生だった園田は「すごく寒い撮影だったけれど、スタッフさんが気遣ってくれて優しかった」と慣れない撮影現場での思い出を振り返っていた。

現場の温かい雰囲気について福地は「この映画の現場は、みんなで作ろう!という雰囲気があった。私は映画出演も主演も初めてで不安だったけれど、この現場特有の温かさがあり、スタッフさんとの距離感を含めて、コミュニケーションをとる機会が多かった」とアットホーム感を強調。それに古新監督は「手作り感のある映画ですが、限られた時間の中で、いかにポジティブに向き合うかを大切にしました。現場スタッフの『いけるよ、いけるよ』という励ましの言葉に救われた」と苦楽を共にした現場スタッフに感謝を込めた。

舞台挨拶には、物語で重要な役割を担うロボットOriHimeとともに、開発者である吉藤オリィも登壇。「コミュニケーションテクノロジーによって人類の孤独を解消する」というコンセプトにもとづいて開発されたOriHimeの、医療現場や高齢者介護の現場だけにとどまらず、より多くの人の日常生活に寄り添うロボットとしての多様な可能性について言及した。「OriHimeを使えば、海外に行くのが難しい祖父母を、ハワイの結婚式に連れていくこともできる」などと語った。

最後に福地は、昨年の東京国際映画祭での上映を振り返り「たくさんの海外の方々にも観ていただき、日本の素晴らしい技術や屋久島の豊かな自然を感じてもらえたと思います」と手応えを口にし「誰かの背中を押すことのできるようなきっかけの作品になれたら嬉しい。誰かに元気を与えられることを願っています」とアピール。OriHimeについても「映画同様に現実世界でもたくさんの人を助けているロボット。もっともっと広まってほしい」とさらなる認知に期待を込めた。

『あまのがわ』
2月9日(土) 有楽町スバル座ほか全国順次公開
監督・原作・脚本:古新舜
主題歌:住岡梨奈「あまのがわ」(徳間ジャパンコミュニケーションズ)
出演:福地桃子 柳喬之 吉満寛人 マツモトクラブ 住岡梨奈 西田聖志郎 渡邉幸愛 園田あいか 杉本彩 生田智子 水野久美
配給:アークエンタテインメント

【ストーリー】 母と2人で暮らす高校生の琴浦史織(福地桃子)は、大好きな太鼓を母(生田智子)に反対され、母との関係性が上手くいかず、不登校になっていた。母も家も友達との関係も、全てが嫌になってしまった史織は、次第に心を閉ざしていく。ある日、祖母(水野久美)のいる屋久島を訪れた史織は、そこで1台のロボットと出会う。会話ができるAIロボットに興味を示し、自分の心の内を吐露していく史織。ロボットとの不思議な交流の中で、やがてロボットは史織にとって唯一心を許せる友達になっていく。一方、交通事故で半身不随になってしまった鷲尾星空(柳喬之)は、病室の中で生きる目的も見失い、空虚な日々を過ごしていた。心を無くした史織と、身体を無くした星空には何の接点もないはずだったが…。そして、いつも史織と一緒に過ごしていたロボットには、ある秘密が隠されていたのだった―。

©映画「あまのがわ」製作委員会