石井裕也監督がスペシャルゲストとして登場!SEXで相手を殺してしまう女の苦悩を描く『歯まん』特別先行上映 レポート

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ、モントリオール世界映画祭、シッチェス映画祭など数々の映画祭で評価され、カリコレ2018では全回ソールドアウトになった、日本映画界の新たなる異才・岡部哲也監督の最新作『歯まん』が、3月2日より公開される。このほど、1月28日にアップリンク渋谷にて特別先行上映が開催され、馬場野々香、小島祐輔、水井真希、中村無何有、岡部哲也監督、そしてスペシャルゲストとして『夜空はいつでも最高密度の青色だ』等を手がけた石井裕也監督が登壇した。

映画初主演を務めた馬場は、石井監督から「なぜこの役を受けたんですか?」と訊かれ、「岡部監督の熱意に触れて、この人にならついていけると思った。観た人に『頑張ったね』『体張ってたね』と言って頂けることが多いんですが、私の頑張りよりも、監督が伝えたいことややりたいことが一番なので、監督の伝えたいことを表現できるようにとがむしゃらにやりました」と岡部監督の熱意についてコメント。馬場の発言を受け、馬場演じるヒロインと相対する女性を演じた水井は、「すごく演技上手だったよ。もっと自分のことアピールしてください」と馬場に語り客席からは笑いが上がった。

続いて、ヒロインと衝撃のシーンを展開させる男性役の小島は、「岡部さんは自分をイメージして当て書きしてくださったので、自分自身はフラットに演じられました。自分の役よりヒロインの馬場さんがどうしたらもっと引き立つのだろうかと、彼女の演技を間近で見ていたので考えながら演じました」と馬場の芝居を絶賛した。

さらに、今回が自身の監督作初の全国公開となる岡部監督は、「みんなが頑張って力を貸してくれて、撮影した時には考えられないようなたくさんの人に見てもらえるようになった」と述べて本作をアピールした。

そして、本作に絶賛コメントも寄せた石井裕也監督は「自主で自分の監督作をつくるということは、自分の生活や色々なものを削らなきゃできないこと。『歯まん』は大きい劇場では観られない特別なものを観られる映画。理不尽で横暴で、それでいてとても繊細な映画です」と『歯まん』について語り、岡部監督・キャストを交えた熱弁に場内の雰囲気もヒートアップ。最後は大きな拍手に包まれ本イベントは幕を閉じた。

『歯まん』
3月2日(土)よりアップリンク渋谷ほか全国順次公開
監督・脚本:岡部哲也
出演:馬場野々香 小島祐輔 水井真希 中村無何有 宇野祥平 泉水美和子 坂井天翠 古川真司 瓜生真之助 大石結介
配給:アルゴ・ピクチャーズ

【ストーリー】 女子高生・遥香(馬場野々香)は、初めてのセックスの最中に恋人を殺してしまう。突然吹き出す血飛沫に呆然とするが、原因が自らの肉体の変化で恋人の局部が食いちぎられてしまうというものだった。恐怖に駆られた遥香はその場から逃げ出してしまう。家族、友人、誰にも言えない不安と孤独が日々遥香を蝕んで行く。そんな日々の中、遥香は一人の男性と出会う。言葉を交わす機会が増えていく中で徐々に惹かれていく遥香だったが…。遥香は肉体にかかった呪いを乗り越えることができるのか。

©2015「歯まん」