仲野太賀「涙が溢れた」、三浦瑠麗「すごい映画でした」著名人絶賛!尾野真千子『茜色に焼かれる』

『舟を編む』、『町田くんの世界』などの石井裕也監督最新作で、尾野真千子が主演を務める『茜色に焼かれる』が、5月21日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

この世界には、誰のためにあるのかわからないルールと、悪い冗談みたいなことばかりが溢れる。誰もが自身を偽り、まるで仮面の生活を強いられているかのように。そんな、まさに弱者ほど生きにくいこの時代に翻弄される一組の母子がいた。哀しみと怒りを心に秘めながらも、わが子への溢れんばかりの愛を抱えて気丈に振る舞う母。その母を気遣って日々の屈辱を耐え過ごす中学生の息子。果たして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?もがきながらも懸命に生きようとするその勇気と美しさに、きっと誰もが心を揺さぶられ、涙する。

▼著名人 絶賛コメント

■仲野太賀(俳優)
誰しもが歯を食いしばり、生きてる。誰かを傷つけない為に、演じてる。母ちゃんから受け取った誇りは、きっとあの少年を勇敢にする。親子の帰り道、純真な愛の告白に涙が溢れました。

■池松壮亮(俳優)
人類の終末感に相応しい美しい夕焼けと、生き延びてきた自己の物語。どんなに世界に傷つけられても田中良子は生きている。その魂の咆哮に、涙が止まらなかった。身一つで請け負う女性のその圧倒的な姿は、夕焼けよりも美しい。

■前田敦子(女優)
石井監督やっぱりすごいです。尾野さん、はじめとするみなさんの熱演、本当に全てが素晴らしすぎて、魂が震える感覚を知れた気がします。「愛」の底力って計り知れない。

■古舘寛治(俳優)
このクソのような世の中で真面目に誠実に日本の映画を撮ろうとしたらこうなった。そんな映画だ。

■松尾貴史(タレント)
今の社会にこびりつく理不尽な決まり事に踏みつけられる母と子の、ひたすらにしなやかでひたむきな姿に、ただ心を締めつけられる。我が事として、今見るべき物語。

■角田光代(作家)
静かな笑みという鎧でなんとか自身を保っていたひとりの母親が、鎧を脱ぎ捨て、丸腰で闘う姿に、唖然とし、落涙し、そして強く励まされた。

■加藤千恵(歌人・小説家)
激しい作品だ。良子の苦しみが、純平の切実さが、ケイの絶望が、そしてどうしたって溢れでてしまうあらゆる愛が、願いが、見ているわたしたちに一つずつ突き刺さる。

■はあちゅう(ブロガー・作家)
どこかで大きなどんでん返しや、救いがあってほしいと願いながら見続けた。私たちは「努力すれば報われる」とか「神様はきっと見ている」と心のどこかで信じているけれど、本当にそうだろうか?誰にも救ってもらえない人生は、どう生きるのが正解だろうか。そんなことを考えた。

■室井佑月(作家)
人は哀しい。どうしてこんなに哀しいんだろう。映画を観て、あたしは泣いた。映画に、自分やまわりの人々を投影したからだ。それでも、人でありたいと願う多くの仲間に、この映画を勧める。観て良かった。

■齋藤薫(美容ジャーナリスト/エッセイスト)
完全なる不幸の中に散りばめられた、一瞬の幸せの一つ一つに心が震える。しかもその単純ではないコントラスト表現の見事さと、尾野真千子の喜怒哀楽の素晴らしさにも目を見張った。

■伊藤詩織(映像ジャーナリスト)
「なんで怒らないの」何度もどこかで聞いた言葉だ。人に起きたことなら怒れるのに、なんでだろう。自分の怒りと素直に向き合えた時、人は解放されるのかもしれない。

■鮫島浩(ジャーナリスト)
公営団地に暮らす母子家庭、母の失恋そして包丁の追憶。息子の境遇が我が身に重なり、感情移入してしまった。格差が格差を生む理不尽な社会に差し込む茜色の未来が美しい。

■上野千鶴子(社会学者)
日本のシングルマザーが経験するありとあらゆる苦難がこれでもかと。それをコロナ禍がさらに直撃した。でも、誇りは捨てない。この怒りは誰に届くだろうか?

■湯浅誠(社会活動家・東京大学特任教授)
追いつめられ、壊れかけつつも、踏みとどまっている…。その際(エッジ)を生き抜くすべての人々が等身大の“自分”を見出せる映画だ。

■三浦瑠麗(国際政治学者/山猫総合研究所代表)
不条理を一身に浴びながら、それでも生きていく主人公が眩しい。溜めすぎた怒りを、悲しみを、叫びを受け止めながら、終いに癒しに導かれる。すごい映画でした。

■水谷修(夜回り先生)
「生きる」とは、幸せを求めることと考えている人たちにこそ、見て欲しい。墜ちても落ちても抗い生きる。つらい苦しみの中にこそ在る生きる意味。こころに刺さります。

■武田砂鉄(ライター)
息苦しい社会なのに、息の苦しさは隠蔽される。この作品は、その隠蔽を剥がして剥がして剥がして明らかにする。荒々しい息が聞こえてくる。たじろぐ。情けないほどにたじろく。

『茜色に焼かれる』
5月21日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:石井裕也
主題歌:GOING UNDER GROUND「ハートビート」
出演:尾野真千子 和田庵 片山友希 大塚ヒロタ 芹澤興人 笠原秀幸 泉澤祐希 前田勝 コージ・トクダ 前田亜季 鶴見辰吾 嶋田久作 オダギリジョー 永瀬正敏
配給:フィルムランド 朝日新聞社 スターサンズ

【ストーリー】 1組の母と息子がいる。7年前、理不尽な交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子(尾野真千子)。彼女は昔演劇に傾倒しており、お芝居が上手だ。中学生の息子・純平(和田庵)をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。経営していたカフェはコロナ禍で破綻。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。数年振りに会った同級生にはふられた。社会的弱者…それがなんだというのだ。そう、この全てが良子の人生を熱くしていくのだから。はたして、彼女たちが最後の最後まで絶対に手放さなかったものとは?

©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ