異才・岡部哲也監督作『歯まん』「カリコレ2018」にて8月上映決定&池松壮亮、石井裕也監督ら著名人より応援コメント

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭をはじめ、モントリオール世界映画祭、シッチェス映画祭など数々の映画祭で評価されてきた日本映画界の新たなる異才・岡部哲也監督の最新作『歯まん』が、新宿シネマカリテで開催されるインディペンデント映画の祭典「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018」にて8月11日、8月22日に上映される。このほど、本作の予告編と場面写真がお披露目となり、併せて映画界で活躍する著名人より本作を応援するコメントが寄せられた。

本作は、“生と性と愛”がテーマのダークファンタジー。自らの肉体の変化によって愛する人を殺してしまった少女の人生のひとひらから、愛とは何か?生きるとは何か?という普遍的な問いかけを観客に突き付けてくる。また、今や日本を代表する映画監督の石井裕也をはじめ、池松壮亮、塩田時敏、豊島圭介、井口昇など、映画界で活躍する俳優、監督、評論家から多くの絶賛コメントが寄せられている。

場面写真では、血まみれの状態で鏡に写る自分に驚愕の表情を浮かべる遥香(馬場野々香)、憔悴している遥香の前にハンカチを差し伸べる裕介(小島祐輔)、遥香を背後から見つめている八百屋の男(宇野祥平)など、劇中の遥香を取り巻く面々の様子を垣間みることが出来る。

キャスト&監督 コメント

■岡部哲也監督
殺したいほど人を愛する。殺されても良いと思うほど人を愛する。命懸けでSEXする。そんな狂気のラブストーリー。「歯まん」のプロットは学生時代に思いついた。SEXすると相手を殺してしまう体質。これほどのコンプレックスを持った人はなかなかいないだろう。しかし、ヴァギナ・デンタータ(=ラテン語で“歯が生えた女性器”)という伝承が世界各地に神話や伝説として残っていることを知り驚いた。映画の中で主人公が悩み、強く生きることによって、「自分のコンプレックスなど大した事ないな」と観る人の生きる希望になれば。

■馬場野々香(現・前枝野乃加)
最初にお話をいただいたとき、初めての主演で尚且つ性を題材にした作品ということで「自分に出来るのか」という不安と葛藤がありました。ですが、実際に岡部監督とお会いしてこの作品への思いを聞き、一か八かぶつかってみようと。愛と性、という人間にとって切り離すことのできないテーマを、ファンタジーとも言える設定の中でどれだけ生々しく生きられるかを考えました。一つの愛の形を感じていただければと思います。

著名人 応援コメント

■石井裕也(映画監督/『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』)
きっちり理不尽で横暴で、にも関わらず繊細でした。楽しめました。

■池松壮亮(俳優/『裏切りの街』『君が君で君だ』)
理不尽で無責任な世の中に対し、歯まんという誰とも共有できない危うさを抱えてなお生きていく主人公の姿が、その時代その時代にある普遍的なものに見えて心ざわつきました。映像から岡部さんの優しさを感じました。

■塩田時敏(映画評論家)
私は初めてのセックスで人を殺した……。愛は狂気、愛は凶器!他者を究極まで愛する行為と、他者を極限まで辱しめる行為の表裏一体性を、猟奇的に問うた衝撃作は、ギドクの「メビウス」さえ想起する。愛する事は傷つける事。ヒロインはトラウマを乗り越えられるのか?映画「ら」の監督でもある水井真希が好助演。

『歯まん』
8月11日(土)20:30~、8月22日(水)18:40~、「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018」にて上映
監督・脚本:岡部哲也
出演:馬場野々香 小島祐輔 水井真希 中村無何有 宇野祥平 泉水美和子 坂井天翠 古川真司 瓜生真之助 大石結介
配給:アルゴ・ピクチャーズ

【ストーリー】 女子高生・遥香は、初めてのセックスの最中に恋人を殺してしまう。突然吹き出す血飛沫に呆然とするが、原因が自らの肉体の変化で恋人の局部が食いちぎられてしまうというものだった。恐怖に駆られた遥香はその場から逃げ出してしまう。家族、友人、誰にも言えない不安と孤独が日々遥香を蝕んで行く。そんな日々の中、遥香は一人の男性と出会う。言葉を交わす機会が増えていく中で徐々に惹かれていく遥香だったが…。遥香は肉体にかかった呪いを乗り越えることができるのか。

©2015「歯まん」