MC:ありがとうございます。そして山本さん。シリーズスタートから10年が経ちましたが、振り返ってみてこの10年いかがだったでしょうか。
山本:最初、僕31、32歳だったと思うんですが、鈴木という人物が最初は三上博史さん、次に佐藤浩市さん、江口洋介さんっていう先輩方がやられていて、初めて僕より向井くんが歳下という。でも台詞の感じがなんか正常っていうのかな。普通だったら、ドラマで一つの役色なんだけれども、それがどんどん歳によって変わっていくので…「あれ、太刀川ってこんな感じだったっけ…?」と思いつつも、「そうか太刀川はちゃんと歳をとってるから、人を見る目も、蔑んだり、真っすぐ見てたことが見られなくなるんだ」と、そういうところもきっちり(脚本の)井上先生が描いてくれていて、作品と一緒に成長できてるなと感じました。
MC:ありがとうございます。続いて美村さん。鈴木に惹かれていくという役柄を演じられていかがでしたか。
美村:鈴木先生は、孤高であるけれども、真面目が煮詰まりすぎてピュアなところがあって。年齢相応というのもちょっと違うというね、「なにこの人?」というのがスタートなので、そのあたりの違和感が演じていてすごく楽しかったです。それ以外に、AI診断室に就いている専属の看護師という立場ですと、看護師さんってとても大変な仕事だと思うんですけど、AI診断室になると、本当に仕事が無かったんですよ。役者はフリをするのがまず大事なので、看護師さんらしく見える動きを探すんですけど、無くてですね。マジックテープを貼る・剥がす、掃除する、の2点だけだったんです主に。もちろん、映ってないところでは他の業務もやってるんですけど、ちょっと危機感を感じました。このまま進歩していくと、井上さんは「俳優は無くならない仕事」と仰って下さったんですが、役者がやるにあたって「っぽさ」を出す手段っていうのが、もしかすると変わってくるかもしれないっていうのは肌で感じました。