【全起こし】舘ひろしが古川雄輝の“上から目線”にクレーム連発!?「舘さん、もうやめてください!(笑)」「連続ドラマW 60 誤判対策室」完成披露試写会レポート 全文掲載

MC:さらっとされるのでびっくりしましたが(笑)。続いて、星野さんは、男性二人がいる中で堅物な女性検察官・春名を演じられましたが、いかがでしたか?

星野:台本上でどんな女性なのかなと考えた時に、なかなか引っかかるようなところがなくて、普通っていったら普通なんですけど、でも頭は良くて、でも彼女なりにいろいろあるんでしょうけど、何をヒントに人物を探っていけばいいのかなというのがなかなかわからなくて。ただ、先ほど古川さんもおっしゃったように、リハーサルを1日やらせていただけて、そこで持っていったものは結局間違ってはいたんですけれども、それで違うんだなと感じられる時間をいただけたので、それは撮影に入る前でありがたかったですね。

MC:今、星野さんからもありましたが、ある意味、普通の女性ということで、たしかに私も女性だからか、世良や有馬に対する、その対する人によって変える表情というのも、堅物なんですけれども共感するみたいな。

星野:あら!わかりました?

MC:表情が少し違うようにお見受けしましたね。

星野:そうですね。完璧になりたいんだけれどもなりきれない女性で、クールでいたいんだけれどもいられない女性で、ということだと思うので、自分がなりたいものとなってしまうものって違うでしょうし、それは定年間近の刑事に対するのと、自分より年下な弁護士に対するのと、他の方もそうなんですけど、違うんだろうなぁと思って、ナチュラルに自分が感じたことをできたらなぁと思っていたので、すごい嬉しいです。ありがとうございます。

MC:ありがとうございます。そして、WOWOWドラマ初監督の熊切監督に伺いたいのですが、これまでの作品を私も拝見させていただきまして、このようなサスペンスドラマというのは熊切さんの作品で珍しいなと思ったんですけれども、今回WOWOWからオファーを受けた時のお気持ち、そしてWOWOWドラマに対してどのような挑戦をして取り組まれたのかお聞かせください。

熊切:サスペンスドラマというか、そういうのは初めてといえば初めてなのかもしれないですが、僕は刑事ものとか裁判ものをやりたいなというのがずっとあったので、今回、両方の良さがあるということで非常に嬉しかったですし、いつも以上に、こういう物語って語り方に工夫が必要だといいますか、感情に素直にいく部分と、その見え方を工夫するといいますか…それが楽しかったです。

MC:難しいんですけれども…具体的には?

熊切:ネタバレになりそうなのであまり言えないんですが(笑)。そういうグレーにしなければならない部分が出てくる。

MC:そういうところは、この作品が進んでいくにつれて皆さんに感じとってもらいたい部分ではありますね。舘さんは、そんな熊切監督とご一緒されるのを楽しみにしていたと伺いましたが、ご一緒してみての感想はいかがでしょうか?

舘:要求が多いんですよ、ほんとに(笑)。僕はあまり長い台詞が得意じゃなくて、「監督、なるべく1カットは短くしてください」って言ってるのに、お芝居に入るとカットをかけないんですよ。ずーっとシーンの深いところまでいっちゃったりして。でもすごく勉強になりました。先ほども申し上げましたように、新しい自分に出会えた気がして、自分としては嬉しいですね。本当に監督のおかげだと思っております。

MC:ベテランの舘さんからそのようなお言葉は、監督は嬉しいですよね。

熊切:恐縮です(笑)。

MC:柔らかな印象を受けますが…。

舘:柔らかいんですけど、演出している時は鬼のように「もう少し!もう少し!もう少しヨレろ!」って、「もう少し酔っ払ってください!」って大変でした(笑)。

MC:撮影に入る前も、このように過ごしてくださいという要求があったと以前インタビュー記事で拝見しました。

舘:そうなんですよ。「監督、この役にあたってどうすればいいですか?」って言ったら「怠惰な生活をしてください」って言われて。怠惰な生活ってどういうことかなと思って考えていたら、僕にとっては普通の生活でしたね(笑)。

MC:そうなんですか!?

舘:それは嘘ですけれども(笑)。

MC:舘さんっていうと、勝手なイメージなんですけれども、ガウンを着てワイン片手にっていうイメージがありまして(笑)、そういうわけではないんですか?

舘:それは怠惰とはちょっと違うと思いますけれども(笑)。現場にはガウンというか、バスローブで行きますけど。

観客:おぉー!!

MC:そうなんですね!「おぉー!!」という声も上がりました!

舘:すみません(笑)。ほっといてほしい(笑)。

(会場爆笑)

MC:ついつい振ってしまいました(笑)。失礼いたしました(笑)。今回の有馬、体当たりのシーンも多かった部分でも監督からいじめられたと伺いましたが、いかがでしたか?

舘:ほんとにひどい監督で(笑)。煙草をずっとやめていたんですけど、どうしても吸えと。しかも、深々とうまそうに吸えと言われて…深々とうまそうに吸ったんですけど(笑)。それで戻るということはなく、いまだにやめていますけど。あと、アクションシーンみたいなものがありまして、僕、68なんですけど、この年でアクションシーンですから、もう大変なんです。それこそ酸素を吸いながらやって。(監督は)それを見ながら、このへんで勘弁してくれるかなって思っても、「もう一度お願いします」と言われて…死ぬ思いでした(笑)。

MC:監督、ちょっとSっ気がありますね。優しそうな印象とは裏腹に。

舘:はい。鬼のような監督です(笑)。

MC:こういったお言葉は逆に褒め言葉でもあるんですかね。新たな自分に出会わせてくれたという。先ほどからぺこぺことしかしておらず、何も言葉を発してくださらないんですが(笑)、いかがですか?

熊切:(笑)。嬉しいです。作品がよくなったと思います。