【全文掲載】松坂桃李、若手俳優たちのフレッシュなコメントに笑顔でのけぞる!

MC:本作はコロナ渦での度重なる撮影中断を乗り越えまして、およそ2年半の歳月をかけてようやく完成した作品でございます。まず改めて、清野さんにお伺いいたします。クランクアップの際は、感極まって思いが溢れたというエピソードも伺っておりますけれども、この2年半というのは、どのように気持ちをつなぎながら臨んでいたんでしょうか?

清野:『耳をすませば』の撮影が止まってしまった間にも、ほかの作品も撮ってたりはしてたんですけど、その間もずっと雫ちゃんが頭のどこかに必ずいるっていう2年半で。今年の5月にクランクアップの撮影に行った時に、スタッフの皆さんもすごいお忙しい方ばかりだったんですけど、現場に2年半前と同じ各部署の皆さんが集まってくださっていて、それにすごく感動しました。この2年半っていう長い思いと、現場の温かさっていうのに、涙が溢れてしまいました。

MC:ほかの仕事もある中で、どこかに雫ちゃんがいるっていう言葉もありましたけれども、この撮影に入って呼び出した雫ちゃんは、すぐに出てくるものでしたか?

清野:すぐには、なかなか難しくて、また何度も台本を読み直して、クランクインした時の当時の自分を呼び醒ますというか、何度も何度も読みました。

MC:松坂さん、誰もが知る不朽の名作『耳をすませば』の実写化ですよね。松坂さんご自身も、このアニメーション映画は大変お好きと伺っていますけれども、聖司役で出演が決まった際は、どのような思いでしたでしょうか?役作りも含めて教えてください。

松坂:この役を頂いた時は、もう本当にプレッシャーに押しつぶされそうで。ただ、10年後という設定の話を聞いた時に、あ、雫と聖司の10年後を見られるのかっていう興味のほうが大きくて、プレッシャーを後押ししてくれるような。そういった原動力になりましたね。あと役づくりで大事にしたところは、皆さんがアニメーションで観ていた聖司くんとは、またもう少し幅を広げた一面が、台本に描かれていた部分があったんですよね。そこをちゃんと自分の中で表現できるように、子供の頃に、「イタリアに行ってプロになる」と雫と約束をしてから壁にぶち当たって思い悩む聖司くんの不安とか葛藤みたいな、そういう揺れ動く気持ちみたいなものもちゃんと大事にすることによって、聖司くんの新たな一面を表現できるんじゃないかなと思って、大事にしました。

MC:そして内田さん。25歳に夕子と杉村にもぜひ注目していただきたいと思うんですけれども、清野さん、杉村役の山田裕貴さんと、とても楽しい撮影現場だと伺っております。

内田:今思い返してもすごく楽しかったんですけど、ちょっと一つ覚えていることがありまして(笑)。菜名ちゃんと山田くんと漫画の話をしてた時に、山田くんが私たちの知らない盛大なネタバレをしてしまって、私たちがちょっと怒ったっていう、本当に3人のわちゃわちゃが映画のようだったんですけど(笑)。その時に山田くんが「お詫びに焼肉に連れて行くよ」って言ってくれたので、もしこれを山田さんが見ていたら、ちょっと落ち着いたら、みんなを焼肉に連れてってください(笑)。

清野:お願いします(笑)。

MC:やっぱり守っていただかないとね。

清野:そうなんです。いつ連絡くるのかなって思って2年半経っちゃって、全然連絡が来ないので、ぜひ宜しくお願いします(笑)。

内田:よろしくお願いいたします(笑)。

MC:そして平川監督にお伺いします。オリジナルの10年後の物語ももちろんなんですけれども、物語の軸となる中学生時代の描き方がとても重要であり、素敵な作品だと思うんですね。本日ご登壇いただいているフレッシュな皆さんの撮影は振り返っていかがでしたでしょうか?

平川:リハーサルを何回もしたんですよね。一番大変だったのが荒木くんですよ。さっきも、何言ってるか聞こえましたか?ちゃんと?

MC:監督がね、もうちょっと大きい声でしゃべりなさいみたいな。

平川:「大きい声でしゃべってね」って言ってたんですよね。現場でずっとね。彼はわりと低体温で。イケメンだからちょっとクールなんですけど、それと真逆の役だったから、今回は頑張ったね。大変でしたよね。どうですか?

中川:毎回リハーサルもすごい回数をやってたんですけど、荒木くんと一緒に駅から行くときになると、毎回ビビってて(笑)。「どうしよう、今日も怒られたら」みたいな(笑)。だから多分一番頑張ったと思います。

MC:この辺りは若いフレッシュな皆さんに聞いていきたいなと思います。まずは安原さん、現場の雰囲気とか役作りなどを振り返っていかがでしょうか。

安原:雫と向き合う時間をたくさん作っていただいて、監督から厳しくも優しく背中を押していただきました。アニメーションの『耳をすませば』も何度も観ましたし、原作も何度も見ました。雫は感情が豊かだったので、私も常に心を弾ませて演じることで、雫になれたかなと思っています。