【全文掲載】中井貴一「鳥肌立ちました」、高倉健が電話で「こらえろ」ゴビ砂漠での衝撃秘話を明かす!

MC:そして地図作りに命を賭ける伊能隊の測量シーンも大変印象的でしたけれども、とんでもない天候の中で撮影があったと伺いましたが、平田さん覚えていらっしゃいますか?

平田:はい、実はあれ、2日ぐらいで撮ってるんですけれども、コロコロ季節が変わるような、すごい天気の移り変わりで。一番すごかったのは、台風が直撃して、撮影できないなと思ったら、「撮ろう!」って言って(笑)、みんなで死ぬ思いで撮りましたね(笑)。

和田:本当に風通しのすごくいい田園風景だったんですよ。本当に台風で、いろいろ重いものを背負っていても、斜めにしてないと流されちゃうぐらいの暴風で、本当に撮影が止まるなって思ったんですけど、貴一さんだったり、ほかのキャストの皆さんだったり、スタッフの皆さんを見ると、目がキラキラしてまして(笑)。「美味しい画が撮れるぞ!」みたいな(笑)。遠足前夜の小学生みたいな顔をしていて(笑)。僕はあのシーンのことは、大人の遠足のシーンだなあって思ってます。

溝口:台風の時は本当に大変だったんですよ。一瞬だけしか映ってないと思うんですけど、真ん中を歩いているとき、後ろから強い声で中井貴一さんが、「撮ろう!いけるいける!撮っちゃおう!」っていう声が一番印象に残っていて、誰もが「これは無理だ」と。僕も重いものを持っていて、実はそれが風で壊れたりしてたんですよ。持っているのも大変だったんですけど、その声を聞いてから、スタッフさんも「やろう、やろう!」みたいな空気になって、僕の心もちろんそこで変わったからかもしれないんですけど、それを凄く覚えてますね。

MC:中井さんは覚えていますか?

中井:さっきから、「子供」だと言われたり、「台風でもやろう」と言う酷いやつみたいになってるんですけど…(笑)。台風が来るっていう日に、京都の北の方でちょっとロケがあって、奇跡的に撮れたんですよ。で、その最後のシーンに移動した時に、台風が来たんです。田んぼの中をみんなで行進してるんですけど、どんな大型扇風機を持ってきても、引きの画で全部の稲が倒れている風ってないじゃないですか?「これはチャンスだぞ」って(笑)。僕も初めてでしたけど、風でカツラが飛んでましたから。本当にみんなに「カツラ、おさえて!」って、「もし倒れそうになったら荷物を捨ててもいいから歩こう」って撮影した感じです。

MC:あと、撮影の終盤では橋爪さんの一言で、キャストやスタッフの皆さんが慌てたことがあったと伺いましたけれども、岸井さん。

岸井:私!?(笑)。橋爪さんを迎える現代のパートで、お茶をたくさん用意して、「どうなさいますか?」っていうシーンがあったと思うんですけど、あのシーンでね…、中井さん(笑)。

中井:ちょっと聞こえなかったです(笑)。

岸井:ええ、本当に!?お茶を台本通りに用意したんですけど、「いいんだよ。日本茶で」って橋爪さんがおっしゃって。お茶をたくさん用意したんですけど、その中にお気に入りのものが無くて、お弁当で食べたときの缶のお茶でいいって言われて、「CGで消すか」って言われて(笑)、あのシーンが生まれたんですけど(笑)。

MC:橋爪さん、それはアドリブだったんですか?

橋爪:全然覚えてない…。

中井:全部言いますと、最後にご接待を申し上げるのに、すべてのお茶とコーヒーと紅茶、すべて小道具さんが本当に用意して、台本上では。「どれになさいますか?」みたいなことで、コーヒーならコーヒーを持っていくっていう話だったんですね。本当に全部用意してたんですけど、なぜか日本茶だけがなかったんですよ。一番最初に日本茶を用意すると思うんですけど、それがなかったんですよ。それで橋爪さんがいらっしゃって、テストが始まって、橋爪さんが「俺が、お茶って言うからさ、お茶持ってこいよ」って言って。それで岸井さんが「あれ?お茶がないですね」って言ったら、橋爪さんが「お茶がいいんだよ」って言って。そしたらスタッフもザワザワしはじめて。で稽古が進む中で、「いいよ、お茶でいいんだよ。缶のお茶あんだろ?あれでいいよ」って。でも「缶のお茶、ないですよね…」って言ってたんですけど、たまたま昼の弁当の時に出てたお茶が残ってたんですよ。それをプロデューサーが持ってきて、「これでいいですかね?」みたいになって、そしたら橋爪さんが「いいんだよ、それで。それを俺に注げよ」って言ってできたシーンがあのシーンなんですよ。お茶であんなにもめるかっていうぐらい(笑)。

MC:橋爪さん、そんな一騒動が起きていたというのはご存知でなかったんですか?

橋爪:なんとなく分かってましたけど。まあ、お茶濁したわけですね、私が(笑)。