MC:ありがとうございます。まずは有村さんと森田さん。この映画を観た時の率直な感想を教えてもらえますか?
有村:台本を読んだ時に抱いていた印象とは違って、すごくエンターテインメント性のある作品に仕上がったのではないかなと思います。皆さんのお芝居が素晴らしくて、実力のある方々に囲まれてお芝居に参加することができていたんだなあと、終わった後にじわじわと嬉しさもかみしめながら完成を見ました。
MC:森田さんはいかがでしたか?
森田:作品を観て、涙が出て。浄化されると言いますか、観終わった後スッキリしたというか、人の温もりのある映画だなと思いました。
MC:森田さんは、どんなところに特に泣かされましたか?
森田:自分にですかね(笑)。
MC:有村さんと森田さんは共演されていかがでしたか?
有村:初めて共演させていただいて、役柄もあって現場で多くお話しすることはなかったんですけれども、山場のシーンを乗り越えて、残り2日ぐらいでようやく「趣味は何ですか?」っていうところから始まりまして、お芝居で目線を合わせるシーンがあまりなかったんですね。で、お話しをさせていただいて初めて目をしっかり見た時に、その瞳の美しさにハッとさせられてしまって。その奥底から感じ取れる心根の優しさだったりとか、緊張感のある撮影だったんですけど、その瞳にものすごく救われたような気がしました。
MC:瞳の美しさと言われておりますけど、森田さんいかがでしたか?
森田:有村さんの現場での居方とかもそうですし、役を通して人に対してのは寄り添い方というか、あきらめない強さというか、パワフルなところを見られたので、すごく嬉しかったです。
MC:有村さんは、この阿川という役を映画とドラマで演じられたわけですけれども、今回どんなところを特に意識しながら保護士という役に挑んでいったのですか?
有村:まず保護士がボランティア活動であったことを、私はこの話をいただいて初めて知ったことで、そこからまず人の更生を手助けするっていうのはどういうことなんだろうって興味を持ちました。それは物語を通しながら佳代を通しながら自分も感じていきたいなと思って参加させていただいて、資料だったりドキュメンタリー映画を観たり、原作を読むことだったりで、佳代の本質の部分と向き合いながら作っていったんですが、佳代自身にも癒えない傷があって、その傷を自分の中で正当化したくて、保護司というボランティア活動をすることで汚れた感情をクリーンにしてくれるんじゃないか、そういう自分を認められるんじゃないかっていうような複雑な思いを抱えていたので、そこはしっかりと社会と向き合うということを、佳代自身も対処していくことで成長していければいいなと思いました。
MC:森田さんは前科者で、観察を受ける側になるんですけれども、とても難しかったと思いますが、どんなところを特に注意されながら演じられてましたか?
森田:撮影前に監督とお話をさせてもらって、不安もなく、監督に怒られないように撮影に向かいましたけど。僕も保護司が無償でやっているということを知らなくて、そこにフューチャーして描いている映画なので、それだけで意味があるなと思ったし、工藤自身はいろいろ苦しんだりしますけど、そういう感情を表現したいなというふうに思って演じました。
MC:石橋さんは、同じ役でドラマと映画と出られています。今回映画では、どんなことを意識されましたか?
石橋:映画版では、もうちょっと人間らしくていいかなと思いながらやらせてもらいましたけど、ドラマ版から3年後の世界なので、ドラマ版では出所して間もないときのみどりで、いろんな葛藤があるっていうところが描かれていくんですけど、3年経って大人にもなってるし、もっと人としての責任が生まれて、それが佳代ちゃんを支える感じになっていたりするので、もう少し人間らしくって思いながらやってました。
MC:磯村さんは、どんなところを意識されましたか?
磯村:撮影初日に岸監督から「ずっと鋭い目でいてほしい」とおっしゃっていただいて、それぐらい自分が演じる滝本真司は消えない傷をずっと抱えて刑事になって、そして今回は大きな事件を追っているんですけれども、過去があるからこそ沸々と心の中で燃えるものと言いますか、刑事としての役目があるんですね。その感情をあまり表に出す人ではなく、それにずっと蓋をして事件に取り組んでいる人なので、その辺の鋭さだったり、内に秘めた力強さみたいなものは出していきたいと思って演じていましたね。