MC：藤原さんから見て、永瀬さんは役者としてすごいなぁというところはありますか？

藤原：僕もマツケンも小さい頃から見てる方でしたから、怖いのかなとか、厳しい人かなぁというイメージがあるじゃないですか。でも、永瀬さんと飯を食いに行ったり遊んでもらったんですけども、まあ魅力的な方ですね。現場に緊張感を持ってくる人ではなくて、逆にチャーミングな部分も見せてくれて、みんなを和ませてくれる先輩なんですね。意外といえば意外でしたし、僕らは助かった部分でもあります。

MC：永瀬さんから見た藤原さんの役者としての凄いところどんなところだったのでしょうか？

永瀬：今、ちょっと「小さいこ頃から」っていうのに引っかかるんですけど（笑）。僕らが若い頃からスタッフの方に教わっていた、「座長とは」みたいなものを実にスムーズにやっている、俳優部のまとめ方も気持ちの上げ方もそうですし、その気配りがスタッフの人にも行き届くというか、簡単なようでなかなか難しいので、自分も芝居をしなきゃいけないし。でも他の役者さんたちも気にしつつっていうのを、実にスムーズにやってましたね。おかげで俳優部は助かったと思いますね。

藤原：嬉しいです、ありがたいです（笑）。マツケンも神ちゃんも、いろいろ遊んでもらったので、楽しい思い出しかないですけど。

MC：ありがとうございます。ここからは、進行を藤原さんにバトンタッチしたいと思います。皆様への質問が書かれたカードが出てきました。皆さんに順番にめくっていただいて、質問に答えてもらおうと思います。藤原さん、よろしくお願いいたします。

藤原：では一枚。「本編では、終始緊迫感漂う演技バトルが繰り広げられますが、現場で緊迫感が最高に高まったと感じた瞬間はいつでしたか」ということですね。マツケンどう？

松山：ワンカット長回しのは全部そういう感じだったなぁと思いますけども、柄本明さんと余貴美子さんのシーンは、一番予想外に違う緊迫感があったというか、これは皆さんの反応をすごく楽しみにしています。現場でも段取りをやってた時に、スタッフの空気が今までと全然違ったんですよね。その空気にお客さんもなっちゃうのか、それともまた違うものなのかっていうのは、僕はすごく楽しみですね。

藤原：分かります。神ちゃんどうですか？

神木：1カットのお話になっちゃうんですけど、全部最初から最後までやるって聞いたときは、緊迫感が僕の中では最高潮になりましたね。動きだったりだとか、シーンの中で争ってみたり絶望してみたり、いろんな感情が渦まくのを一連で撮るっていうのが、僕の中ですごい緊張というか、大丈夫かな、自分もつかな？っていう不安にも駆られるんですよ。だけど反面、「よしやってやろう、頑張ろう」っていう気持ちもあるんで、すごく気合が入るんですよね。

藤原：1カットで言ったら、その最後の方の1カットですね。ナイトシーンでしたから18時ぐらいからの撮影なんですけれども、昼過ぎからリハーサルして15時、16時くらいに監督が一言「1カットでいけるんじゃないかな」とおっしゃったんですね。予定では24時過ぎに終わるだろうと、「山場のシーンだから仕方ないだろう」という話をしてたんですけども、18時開始ぐらいの19時半くらいには終わってましたよね。そのシーンが、全スタッフ&キャストも含めて士気が上がるというか、「1カットでいこう」って言った瞬間に空気が一つになる感じはありましたけど。

藤原：次、マツケン引いてみる？

松山：「皆さんが思う、一番やばかったシーンはどのシーンですか？ ネタバレなしのギリギリでお願いします」。僕は柄本明さんと余貴美子さんのシーンですけどね。これは、永瀬さんに聞いてみたいですね。

永瀬：やっぱり最後の方の1カットですよね。それを聞いて、俳優部には控えるテントがあるんですけど、そこでコーヒー飲んでたら、目の前で藤原くんと松山くんが自主トレを始めて、すげーなーと思って、緊張が走りましたね。それ写真撮りましたけど（笑）。でも、そういうものが映画中に散りばめられているので、お客さんにも緊迫感みたいなのは伝わっていくんじゃないですかね。3人の目の表情がどんどん変わっていくんですよね。僕はお一人ずつ対峙するシーンがあったんですけど、どんどん目が変わってくるっていうのもヤバかったですね。

藤原：じゃあ、次は神ちゃん。

神木：「1カットでの撮影が多かったと思いますが、どういうところが大変でしたか」。

藤原：これ監督と一緒に喋った方がいいと思う。長回しの場合はリハーサルを何度も重ねて撮影するんですけど、長回しの場合だと「テストこんな状況じゃなかったよな。こんな崩れ方しなかったよな」と体制もセットも含め、突然の事が起こったりするんですよね。でも、廣木組の人達って絶対に止めないから、そんな状況の中でも監督のカットがかかるまで誰一人として止めずに最後まで行くというのが非常に印象的でした。

廣木：ハプニングというか呼吸感とか、それは全部違ってきてて、それを全部このワンカットでやるっていうことは、俺が全部それを撮っておかなきゃいけないんだなっていうのがあって、こっちも重圧がすごいんですが、それが楽しいですね。