MC:そして、杉咲さん。今回、このチームに入っていかがでしたか?
MC:すごく楽しかったです。すごく大事な役どころでしたので、とても緊張したんですけど、でもクランクインをしたらすごく皆様が温かく優しく迎え入れてくださって本当に楽しくて、クランアップの日は寂しくなりました。恐らく、個性的なキャラクターになっていると思います(笑)。
MC:木村さんが作り上げたキャラが…(笑)。
木村:いやいや、もともと持っていらっしゃたものを(笑)。
杉咲:違いますよ(笑)!? やめてください~(笑)。
MC:どんなキャラクターなのか、楽しみです(笑)。撮影に入る前と後でギャップはありましたか?
杉咲:木村監督が近くでコソコソっと新しい動きだったり、言葉を出して、静かに去っていくことが多かったので、こんなふうに作品が作られているんだと思って、衝撃でしたね(笑)。しかも新たに足されたものがすごく面白くて、それを役として平然と言わなければいけないので、心の準備ができないというか、焦りがありましたね(笑)。
松本:クランクインして、2人で冒頭の関係性を作っていくシーンから撮影を始められたので、役をつかむスピードとか、思い切ってお芝居をされる杉咲さんの演技を間近に見ていて、この人はすごいなと思いながら見てました。あっという間に役をつかんで、「99.9」の世界観にあっという間に入ったというのは、すごいなと思って見てました。
MC:香川さんはお久しぶり共演ですよね。
香川:「MOZU」というドラマで親子役をやらせていただいた杉咲さんが大きく成長されて。木村さんの中では、たぶん一作目の榮倉奈々さん、二作目の木村文乃さんの仕上げっぷりよりも遥かに仕上げてやろうという気持ちがあったと思いますよ。今までは調味料を大さじ1だったのに、大さじ3ぐらい入れる勢いなんですよ。杉咲さんも「できません」って言えば良いのに、これができちゃうんですよ、フルパワーで。しかも朝ドラがクランクアップしてから一週間でしたよね。朝ドラであれだけの役をおやりになって、一週間であれをやれって木村さんに言われたら、僕だったら怒ります。
木村:連ドラと違って、積み重ねができないので、最初からベタ踏みです(笑)。
香川:満足いくキャラクターになりましたか?
木村:120%です(笑)。
杉咲:ありがとうございます。うれしいです(笑)。でも、皆さんも、そうされているので、食らいついて行くのが必死でした。私だけじゃないので。
松本:気がついたら先に行っちゃってたぐらい、すごいスピードで。スタートダッシュでしたね。
杉咲:いやいや(笑)。そんな環境を作ってくださって、感謝です。
MC:撮影現場の雰囲気はどうでしたか、松本さん。
松本:大変な中でロケをするとか、安全を確保しながらでしたけど、今までやってきた空気を大事に、みんなでスタンバイ待ちしてるときもセリフを介して芝居のことを話したりできたので、よりリアリティのあるシーンになったりとかが多々ありましたね。それは「99.9」ならではだと思いますし、香川さんたちが新しいスパイスをくれるからこそ、僕らも反応できることがあったので。それに木村さんが「もうちょっと足そう」と言って、どんどんシーンが立体的になっていくのがやっていて楽しいし、現場で作っている感じがするんですよね。そのシーンが出来上がったときは自分自身の達成感もあるし、みんなで作ったという達成感もあって、チームプレイって良いなって改めて思いましたね。
MC:香川さんも「『99.9』は劇団みたいなもの」と言っておりましたが。
香川:よく、「現場のチームワークが良くて」とおっしゃるのは、実は撮影とはかけ離れたプライベートのことだったりするんですけど、我々は撮影の延長線上、あるいは撮影の周辺で会話を転がす仲の良さなので、すべて撮影に生きるような手法でやっているつもりです。僕たちもやっていて楽しいし、映像に出ているのではないかという自信はありますね。松本さんが全部に気を使って見てくださいるから、こちらは安心して居られる感じでしたね。
MC:杉咲さんはどうでしたか?
杉咲:勉強になることばかりでした。客観的に見たアドバイスだったり、ちょっと悩んでいたときに「どう?」って聞いてくださって、監督と3人で相談をさせていただく機会を作ってくださったり。現場のスタッフさんの名前も覚えて、さり気なくコミュニケーションをとる姿を見て、本当に勉強になることばかりで、座長としてカッコいい姿をたくさん拝見させていただきました。
MC:松本さん照れてますが(笑)。松本さんは撮影がない時も、現場に行かれたという?
松本:全体のクランクインが、映画のシーンからだったんですけど、僕はたまたまなかったので、コロナの状況もあって顔合わせもできない状況だったので、西島さんがインの日だったと思うんですけど、ご挨拶に行かせていただきました。直接言葉を交わすシーンがない共演者の方もいらっしゃったので、そういう方のところにも、ご挨拶に行かせていただきました。
MC:足を踏み入れるだけでも楽しい現場なんでしょうね。
松本:楽しいですね。レギュラーで出ていた人たちに久しぶりに会えるのもテンションが上りますし。颯爽と来て颯爽と帰っていった榮倉さんも、カッコよかったですね(笑)。
MC:木村監督も楽しかったですか?
木村:楽しくはなかったです。楽しかったです(笑)、楽しかったです(笑)。中にはキャリアのある方も大勢いますので、そういう人たちとお仕事をさせてもらって良かったと思いました。
香川:役者が好きな時に好きなセリフ以外のことをベラベラしゃべっている現場をまとめるのは大変ですか?
木村:いやいや、半分くらい聞いてないので大丈夫なんですけど(笑)。
松本:最終的な編集権は自分にあるんですもんね(笑)。
木村:やってもらったのを見る方が分かりやすいじゃないですか。「いいんじゃないですか」と言っておいて、「そういう感じなんだ」って(笑)。
松本:「いいんじゃないですか」はよく聞きます(笑)。
MC:ありがとうございます(笑)。それでは、今回の映画版で観てほしい部分を教えていただけますか?杉咲さんから。
杉咲:どんなふうに撮影されているんだろうと、すごく楽しみだったので、今回参加させていただいて、どこまでが台本なんだろうと不思議に思っていたものが、こうやって作られるんだなと知ることができて。難しいセリフもたくさん出てくるんですけど、すっと身体に入って来ながらくすっと笑えるような描写がたくさんあるので、そこは楽しみにしてください。