【全文掲載】林遣都、中川大志ら「畑の野菜をスマホ使わず当てる」スローな時間満喫も、「現代っ子が出ちゃいました」!?

MC:篠原監督は、この作品についてお話しがあったときは?

篠原:単に犬や猫が可愛いというだけの映画ではなさそうだと。そして動物たちを生きやすくするために戦う人たちの話なので、とても意義深いと思って、戦う姿をちゃんと撮ろうと思ってやろうと決めました。

MC:昨年、真夏の青森県の十和田市を中心として、オールロケだったと伺っているのですが、周りにワンちゃんネコちゃん以外にも牛がいたりとか、動物に溢れてる環境だったと思うんですけれども、そのあたりは大原さん、いかがでしたか?

大原:真夏のロケで、たくさんのワンちゃん猫ちゃんと一緒に撮影したりとか、あとは十和田市の皆さんに協力していただいて、実際そのシーンを撮影していたんですけど、本当に皆さん穏やかというか良い方ばかりで、大変でしたけれどもすごく楽しく撮影できました。初めて獣医学部の中を見させていただいたんですけど、思った以上に動物園で(笑)。大学の皆さんは、動物を学んでいらっしゃる方ばかりだとは思ってはいたんですけれども、大学というか本当に動物園にいるような気分で、びっくりしましたね(笑)。

MC:撮影に参加している動物たち以外にも、いろんな種類の動物たちがいたんですか?

大原:そうですね。牛の声、聞こえてきましたよね? たくさんいらっしゃって(笑)。

MC:思った以上に動物園っていう話ありましたが、浅香さんはどんな印象を受けました?

浅香:獣医学部にお邪魔した学校もそうですけど、ロケーションがとにかく素晴らしくて、冒頭から景色が本当に綺麗で。そこに僕らがオールロケで行かせてもらったので、部活みたいに没入感がありましたし、そこで作り出されたものっていうのは、ロケーションのおかげもあると思いますし、もちろん動物だったりいろんなものが加わって、本当に気持ちのいい映画になってるんじゃないかなと思いますね。

MC:篠原監督、ロケーションはどこを撮っても絵になるだろうなと思っていたんですが、いかがでしたか?

篠原:この映画は自然とどう向かい合うかという人間の話なので、十和田の大学以外にも、広い範囲で自然の様が映っていると思います。大学以外にも、犬部の学生さんたちが拠点としている場所とかもなかなか素敵なところで、十和田で見つけたんですけど、「こういうところで部活動をしているのか、いいな」って思うような場所だったし、彼らがそこですごく生き生きとしている、部活動をやっている様がなんとも言えず、いいなぁと見ていて思ったんで、そういう様も楽しんでください。

MC:林さん、部活をやってる場所もすごく素敵だったんですか?

林:全編オールロケは久しぶりだったんですけど、気持ちも入っていきますし、動物たちも東京から来ている子たちばかりで、移動の疲労とか心身ともにあったと思うんですけど、いろんな負担が。でもあのロケーションだと、どんどんどんどん表情が明るくなっていくんですよね。それも出ていると思いますし、その辺の変化も観ていただけたらと思います。

MC:中川さんは、いかがでしたか?

中川:本当にのどかな場所で、東京にいたら味わえないようなスローな時間が流れていて、僕ら4人で待ち時間に、外で椅子を並べて座ってたんですけど、その時に一番盛り上がったのが、「あそこの畑に生えている野菜を、スマホを使わずに当てよう」という話題で(笑)。そんな平和な時間、東京にいたらないじゃないですか?

大原:でも結局、携帯使ってましたよね(笑)?

中川:結局、調べましたね(笑)。「あの植物は何なんだ!?」っていうので盛り上がりましたね。

MC:誰が一番詳しかったですか?

中川:誰もそんなに詳しくなかったような…(笑)。

大原:でも大志は結構、詳しかった?

中川:いやいや(笑)。結局携帯で(笑)。現代っ子が出ちゃいましたよ(笑)。本当に気持ちいい場所でした。

MC:本作では犬や猫、それ以外の動物たちが可愛く登場するんですけれども、動物保護を巡る厳しい現実というのも描かれている作品で、そこがまた映画を通じて沢山の方に届くことが、私はすごく素晴らしいことだなと思ったんですけれども、実際に撮影されて初めて知ったことも多かったと思うんですが、そのあたりは林さん、何か感じられたことというのは?

林:もともとワンちゃんも動物全般大好きで、自分が「かわいい、かわいい」って接することしかできなかったんですけど、監修で入っていただいた動物プロダクションの方だったり、それぞれの飼い主さんだったり、現地の方だったり、獣医師さんだったりの接し方を教えていただいて、「一番は言葉をかけてあげること、会話をしてあげること」と言っていただいて、それを実践するとどんどん変わっていって、関係が深まると役としての気持ちも、僕自身の気持ちも動かされて。終わった後に、動物たちから与えられているものの方が多いんだなと、ちょっと話が繋がらないですけど(笑)、強く感じました。

MC:中川さんはいかがですか?

中川:僕が演じた柴崎っていう役は、保健所に入ってそこから変えていくっていう志を持った青年なんですけれども、実際に撮影させていただいた場所もそういう場所で、なかなか行くこともないので、衝撃も大きかったんですけれども。この作品のお話をいただいたときに、役作りは結構きついものにはなるだろうなというのは分かってたので、本当に自分も約1ヶ月ぐらい犬たちと向き合ってお芝居して、久々に青森から戻って自分の犬に会った時に、また全然感覚が違くて(笑)、グッときましたね。

MC:獣医師たちの苦悩も思いも描かれている作品ですが、篠原監督は演出されて感じられた事ってありましたか?

篠原:16年前に大学生だった彼らが犬部というものを始めて、当時からまた時代も変わっていくわけですよね。動物を保護するってどういうことなんだろうっていうところから法律が変わってたりもして、そして現在彼らは16年後に実際に獣医となり、または獣医に近い仕事をしていたり、そういう様を描いてるので、その瞬間だけじゃなくて日本の社会についてのことも同時に考えていける作品かなと思って撮ってました。

MC:大原さんは役を通して感じられたことってありましたか?

大原:私も元々、猫が大好きなんですけれども、今回、撮影現場で実際に保護猫、保護犬たちがいる場所で撮影をやらせていただいたりしたんですけど、体に傷を負ったり病気になってしまっているワンちゃんが、今もたくさんいるっていうの分かっていたんですけど、実際行った時のその場所の匂いだったり、実際に負っている傷を見たりとかで、それを一生懸命生かそうとしている方がいるのを目の当たりにしたときに、今まで「犬猫かわいい、好き」っていうのだけを見てきてたんですけど、どうしてもそういう痛々しく心が苦しくなることから無意識に目を背けてたなとすごく感じて。その姿を見たときに、今までは私たちが動物からもらっていた幸福感を改めて感じましたし、本当に一匹も死なせない、生かしたいっていう颯太先生の思いが身にしみて感じました。

MC:浅香さんはいかがですか?

浅香:僕も動物保護や動物愛護という観点で言うと詳しいわけではなかったんですけれども、でも動物は好きで「かわいい、かわいい」と言って。でもそこには過去や今、努力や苦労があって成り立っているんだということを自分自身が知れました、それをより多くの人に知ってもらいたいということでもあるんですけれども、何よりもこの撮影期間中もそうでしたけど、動物と触れ合ってるのってすごく幸せだし、本当に動物の存在が素敵だなと身を持って経験して、そういうことを知らずに「動物が好き」って言っているのと、知った上で言うのって全然違う気がして、自分的にこの映画に携わったおかげで、より深く動物を愛せるようになった気がしますし、少しずつでも気持ちが変わるようなことをみんなに広まればいいなって思いましたね。