MC:どうもありがとうございました。まずは、主演の波瑠さんにお聞きしたいと思います。30年間の役を1人でやるという、とてもハードルの高い仕事だったと思いますが、初めて脚本読んだ時の感想と、どうしてこの役にトライしようと思われたのかも教えていただいてもよろしいでしょうか。
波瑠:脚本を読んだ時は、もちろん感動いたしまして。それと同時に自分がこれを演じて欲しいと言われている弥生という役が、どれだけ純粋な強さを持っているかということにすぐ気づいてしまったので、それのハードルを一番感じましたね。それと同時に物語の中には、東北の大震災であったりとかそういうものも描かれているので、「仕事のこの期間が空いているから映画を入れようか」みたいな感覚で受けてはいけないと思いまして。ちょっと「今のを自分には対応しかねます」というふうに思いまして、(遊川監督へ)お断りに、お会いしに行ったんです。「私ではちょっと難しいので、できません」とお話させてもらったんですけど、もう全然聞いてませんでしたよね? その私の意見(笑)。
遊川:断りに来たの? あのとき?
波瑠:そうですよ(笑)。
遊川:受けてもらえると思ってました。すいません(笑)。分かってないんで(笑)。
波瑠:(笑)でも、お話する中で、遊川監督がどれだけこの作品に情熱を持って挑んでいるかっていうことに気がついて、そういう方とお仕事をしたいっていうのは、女優をやっていますと感じるものなので、難しいかもしれないけどこんな機会はないんじゃないかっていう、話し合いの中で変わっていきまして、最終的にはやらせていただきますっていうお答えをさせてもらいました。
MC:そうだったんですね…。でも遊川監督は気づいてなかったと言ってましたが(笑)。
波瑠:本当ですか…(笑)。みんなに席外してもらって二人にしてもらって、
遊川:そうそうね。ちょっと「他の方外してください」と言われたときは緊張しましたけど。
波瑠:もう一対一で話さないとダメだと思って(笑)。でも結果、熱意に負けてしまいました(笑)。
MC:遊川監督は、弥生役は波瑠さんしか考えていないということも伺ってますが。
遊川:今回、初めてだったんですけど、初めての方というのは外野から見ていて、「この人はこういう人なんだ」ってだいたい自分で決めつけちゃうところがあるんですけど、この人はきっと誤解もされるだろうし、はっきりモノを言い過ぎて誤解もされるだろうし、本当は優しいし、ちょっとシャイだったりとか、そういうなんかいろんなところがなんかちょっと…。
波瑠:自分のことを言ってるんじゃないですよね?
遊川:俺もそうだから、俺もそうだからそういう、嫌かもしれないけど共通点があるんじゃないかなって、この人がいれば嘘じゃなくなるんじゃないかと思ってました。だからそれを正直に言って、「あなたが一番いいですよ」という話はしました。
MC:成田さんも30年をずっと演じるわけですが、波瑠さん演じる弥生さんは、成田さんから見てどう見えましたか?
成田:出会ったのがリハーサル室で、もう弥生としか見てなかったので、監督と意見を言いあっている、正義と正義がぶつかっているのを、ちょっと離れて見てました。2人とも言ってることは合っているので、これは交じるのは大変だなと思って見てました。
MC:その熱を成田さんも感じていたんですよね?
成田:そうですね、監督が脚本も書いていて、神様のような存在ではあるので。僕は監督の言うことは全部「はい!」って言って(笑)。
遊川:そうでもないよ(笑)。そんな簡単な人ではない(笑)。
成田:いやいや、そんなことないす。従順に生きてましたよ。
遊川:ウソつけ(笑)。