MC:あのシーンは忘れられないですね。それでは音尾さんに聞いてみたいと思います。今回、白石組、9度目ですよね。
音尾:9度目ですよ。さっきも改めて言われて驚きましたけど。9回ですよ?
佐藤:次、1回でも声をかけられなかったとき、怖くないですか?
音尾:健くん、それですよ。本当に今、私がビビってるのはそれです。9回にもなると、毎回がある程度の次回作オーディションでもあるなと。これである程度の結果を出せないと、次突然呼ばれなくなるんじゃないかと、恐怖感に襲われながら、ビビりながら現場に行くわけですよ。そしたらいつもの調子でいらっしゃるから、いいのかなと思いつつも、基本的に温厚で優しい方だから、だから尚更普段言わないで、突然俺をバッサリ切って出なくなる日がやってくるんじゃないだろうかと。
松岡:旅立ち?
音尾:良い言い方。「音尾くん、旅立ちなさい」ってね(笑)。
松岡:だからお歳暮を贈っていらっしゃるんですか?
音尾:その通り!お歳暮は欠かしませんよ。ただお歳暮に関しても、グレードに相当悩みますよね。よっぽどな老舗デパートに行かないと、良いものが買えないんじゃないかと思い始めちゃいますよね。
MC:大人のお付き合いですね(笑)。
音尾:それぐらいね、9回というのはプレシャーです。
MC:監督はずっとだまって笑ってますが(笑)。
音尾:怖い(笑)。
白石:いや、いつまで続くのかなと思って(笑)。
音尾:ハッハッハ(笑)。あれ?怒られたのかな、今?
MC:でも、音尾さん、今回の『ひとよ』の現場はいかがでしたか?
音尾:まあ監督は変わらず、だけれどもいろんな面で進化した演出方法を出してきているんだというのは、初号試写を観させていただいたときに感じましたけど、僕自身の役としましても、大概白石さんの映画に出たら、殴ったり蹴ったり殴られたり蹴られたりということが多かったんですけど、今回はNO暴力で。NO MORE 暴力で。割といい人の役なんですよね(笑)。それが余計怖いです。「こういう役をあげたんだから、もう卒業で良いよね?」って。旅立ち。そんな感じがいたしております。いや、卒業しないですからね!? 監督!
白石:もちろん、俺、一言も言ってないから(笑)。妄想膨らませすぎですよ(笑)。
音尾:僕、前から言ってますよね? 通行人の役でいいから出してくださいって。
白石:そうはいかないでしょ(笑)?
音尾:そこをなんとか(笑)。はい。
MC:次回作も。私も信じております(笑)。ありがとうございました(笑)。さて、佐々木蔵之介さんの役も難しい役柄だったんですけど、今回監督とはどんなお話をされたのですか?
佐々木:私の役が50で新人ドライバー。闇があるしかないじゃないですか。どう考えても(笑)。で、NOギャンブル、お酒飲まない、いい人。絶対闇があるから(笑)。それを隠すのか、普通にしているのか。設定がそうやから、普通にしましょうとなりましたよね。あとは、衣装合わせで、「これやりませんか?」と監督に言われて、「あー、やった。白石組出た感じする」って思いましたね(笑)。
松岡:それは採用になったんですか?
佐々木:なったよ。それは良かったら楽しみにしてください。
MC:白石監督、この皆さんに田中さんもいらっしゃる現場っていうのは、いかがでしたか?
白石:なんか、夢のような時間でしたし、監督としてのキャリアにとっても、いろいろなことを学ばせていただいた、豊かな時間だったなと単純に思いますね。演出という面で言うと、これだけのメンバーで居てくれたら、超楽みたいな感じですよね。
MC:だそうでございます、佐藤さん。
松岡:褒められてますよ。
佐藤:ありがとうございます。我々がね。
松岡:私もいいんですか?
佐藤:はい。僕はかつてないほどの他力本願スタイルで現場にいました。「誰かがなんとかしてくれるだろう」じゃないですけど、準備もほとんどしていってないですね。全ての信頼をおいて、それができたのは白石組だからですね。本当にありがとうございます。