MC:そして先日の完成披露試写会などでご覧いただいた皆様もいらっしゃるということなんですけれども、その後、感想キャンペーンを実施しました。「感動して泣きっぱなしだった」「ひな子と一緒に号泣した」「切なくも希望に満ちた物語に自然と涙がこぼれた」など、とにかく涙を流すことが多かったようです。川栄さん、そういう話を聞いてどういうふうに感じられますか?
川栄:この作品は切ないだけじゃなくて、観終わった後に背中を押してもらえるような作品なので、皆さんが前向きに生きる勇気とか元気をこの作品でもらえていたらいいなと思います。
MC:松本さん、いかがですか?
松本:私も泣きました。自分の声が流れてるのに、そういうの関係なしに泣いちゃいました。
MC:自分がこの仕事をしたということもすっかり…。
松本:そうですね。その喜びもありました。とても素敵な映画だったので、その映画に参加できたことがすごく嬉しいという涙もありました。
MC:伊藤さん、大事な人を失ってもそれを乗り越える勇気を持つというメッセージもありますが、ご覧になっていかがでしたか?
伊藤:いろいろ考えさせられる映画だなぁと思いますし、観てくださった方々が涙を流してもらえるというのはすごいことなんだなというのが、こういう作品をやらせてもらうと毎回思うので、そういう作品になってくれたことがすごく嬉しいというか、皆さんの心の中にちょっとでも刺さってもらえるものがあったのかなと思うと本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。
MC:湯浅監督、キャンペーンでいろんなメッセージをいただきましたけれども、どうですか?監督の想いが届いてるなという感じはしますか?
湯浅:まだそれ(感想)は見てないんですけど(笑)。僕も泣きました。嘘ですけど(笑)。
片寄:嘘バラすのが結構早い!(笑)。
湯浅:作ってると意外なところで、ひな子が「港は生きてるんだ」って言うと、この子、本当にそんなに思ってるんだとか、結構感動しましたね。
片寄:客観的に見られているんですね。
湯浅:そうですね。いつの間にか客観的になっているところが、他人事のように見ていることがありますね。誰かが誰かのヒーローたりえるというのはテーマとして、とにかく一生懸命やっている人を応援したいという気持ちからこういう形になっているので、たくさんの人に観ていただけたらいいなと思います。
MC:監督が泣いたか泣いてないかで言えば、泣いてないということでよろしいですね?
湯浅:いい歳なのでなかなか泣かないんですけど。若い時も泣かないですけど(笑)。
MC:どっちも泣かないと。
湯浅:伝わってるなぁと感じています、手ごたえが。
MC:手ごたえはあるということで。皆さん、作品の中で特に印象に残っている台詞は何かありますか?片寄さん、ありますか?シーンとかでもいいですけれども。
片寄:監督が一番こだわられた、クリスマスのオムライスのシーンが、とにかく囁き声でっていうことを言われて、そこまでは監督は指導というのはなく、自然な感じで見てくださっていたんですけど、そこだけアフレコの時にすごくこだわって、「もっと!」って。
湯浅:「ウィスパーで」って言ったよね。「もっと囁いて」って。
片寄:「ひな子が波に乗れるまで」だ。(囁き声で)「波に乗れるまで」。今まで声に乗せてお芝居をしていこうっていう方向性でやってきたのに、すげぇここだけ息でいくやん!っていうのが意外で。
MC:監督、強い想いがあったんですか?
湯浅:そういうもんだというイメージがありました(笑)。
MC:監督の中にイメージがあったということですね。
湯浅:そうですね。あの後にキスにいくんですね。
片寄:あぁ、そういうことですね。そのためのあれだったんですね。映像で見た時にしっくりきたので、さすが監督のイメージがあったんだと思いました。
MC:その時になるほどと思うわけですね。川栄さんはどうですか?
川栄:全体的に港が胸キュンな台詞を普通に言うじゃないですか。それがかっこいいなぁと思いましたね。
MC:片寄さん、ご自身でもわりと言えるんだっておっしゃっていましたけど。
片寄:そうですね。そんなに照れるほうではないって、さっき1回目の舞台挨拶で言ったんですよね。
MC:自然とできたという感じですか?
片寄:そうですね。でも、かわいいじゃないですか、ポーンと言う感じが。僕、港のそういう部分が好きなので、どうやったらいいかなぁと思いながらもやらせてもらいましたね。
MC:松本さんはいかがですか?思い出に残るシーンや台詞。
松本:台詞は、洋子は「恋するなんてアホがすることですよ」っていうのが、自分が恋したとたんに急に変わって「恋しないなんてアホがすることですよ」って言っちゃうのが私は好きでした。
MC:ご自身の台詞の中でってことですよね。ガラッと変わりましたもんね!
松本:そうですね。単純ですよね(笑)。
MC:監督、あれはどういう意図で、そういう女の子もいてもいいというか。
湯浅:最初言っていたので、最後そういう場になったらそういうふうに言っちゃうかもなって。
MC:伊藤さんはいかがですか?
伊藤:僕は港が、「先輩、楽しそう!」って僕が言って、「波に乗るんだ…!」っていう。
(会場爆笑)
MC:あれ、今のはマネ?今のは港先輩の…。
片寄:ちょっと!一応、先輩だよ?(笑)。
MC:でもちょっと似てました?もう一回いいですか?
伊藤:僕が「先輩、なんか楽しそう!」って、(港が)「波に乗るんだ…!」
(会場爆笑&拍手)
片寄:いやいやいやいや…拍手しちゃったらさぁ!
伊藤:あはは!(笑)。
MC:ありましたね。ニュアンスいいですね、監督。
湯浅:脚本の吉田さんや、脚本を練ってる時に女性スタッフが多かったので、どういう言葉を言わせるかっていうのはいろいろ話し合いました。「そういう彼女に育てた覚えはないぞ」っていうのが、これは大丈夫かな?って最後まで悩んだんですけど(笑)、みんないけるぞという話だったので、そういう感じになってます。
片寄:印象的ですよね、たしかに。
伊藤:予告でも使われているっていうのもあって象徴的な台詞でもあるし、覚えていますね。
片寄:全然乗れないんだけどね(笑)。しかもあの感じで言っておいて!