MC:ありがとうございます。楽しみとしかいいようがないです。どうなっているのかゾクゾクして参りました。ではベッキーさんにお伺いしたいと思います。ベッキーさんの役は、前作の1984年版の『麻雀放浪記』で加賀まりこさんが演じられている役でもございます。今回話題になっていることがございまして、麻雀クラブのママ役なんですけれども、ある意味、加賀さんに挑戦するようなすごいシーンにチャレンジされたということで、かなりの熱演だったと伺っております。
ベッキー:挑戦と言うと大変おこがましいんですけれども、オリジナル作品で加賀さんが“元禄積み”という、いわゆるイカサマ、裏技みたいなことをやられているんですね。それが1カット撮影で、斎藤さんもそのシーンがすごくお好きだとおっしゃっていたんですけれども、同じ“元禄積み”のイカサマをやる姿を1カットでやりたいと監督に言われ、すごく難しいんですよ!それを1か月特訓して、もうベッドの横に雀卓を作って、朝起きたら技、仕事行って帰ってきて技、寝る前に技、みたいな生活を送り、なんとか1カットで撮っていただいた感じですね。
白石:本番の時も3回目ぐらいでまぁまぁうまくいったかなと思って、今のでOKかなと思ったら、「もう1回やらせてください」「もう1回やらせてください」「納得がいきません」と、結局14回ぐらいやって。
ベッキー:そのぐらいやっちゃいました。本当に大迷惑だったと思いますけど、私は1か月間練習して、もっとうまくできるというのがあったから、「もう1回やらせてください」と言って、斎藤さんもずっと付き合ってくださって。
斎藤:結局使ったのは後半の、ベッキーさんが撮り直して満足がいったシーンですよね。
白石:もちろん。
ベッキー:そうだったんですか?
白石:もちろんそれは僕のOK・NG関係なく、ベッキーさんのOKカットですから。
ベッキー:すいません(笑)。偉そうに!
斎藤:ベッキーさんディレクションの(笑)。
ベッキー:そこだけね!そこだけ私監督みたいな(笑)。
白石:あそこがやっぱり美しく撮れたので。
斎藤:そうですね。
ベッキー:いえいえ…でもやりがいがありました。一人隠し芸大会という感じだったんですけど、練習とかは(笑)。本当にやりがいがありました。
白石:その後、麻雀はされているんですか?
ベッキー:いや、私はあんまりなんですけど…。やってる人があまり周りにいなくて。だからマネージャーさんとかはこのままはまっちゃうんじゃないかってドキドキしていて。そんなにはまらずですね。やりたい気持ちはあるんですけど。
MC:熱演ということで楽しみでございます。ありがとうございました!竹中直人さんにお伺いしたいと思います。1984年の『麻雀放浪記』をご覧になっているかと思いますけれども…。
竹中:遠い昔に観ていますね。まだ髪の毛があった頃ですよ。まだ横分けにするぐらいのね。懐かしいですよ。真田さん、加賀さん、かっこいいよなぁ、みんななぁ。本当に驚いちゃう。でも俺、麻雀は全然できないんです。昔、『岸和田少年愚連隊』っていう作品で、三池崇監督だったんですけど、麻雀ができる親父の役だったんですけど、「リーチ!」って言うのが恥ずかしくて恥ずかしくて!今回も麻雀牌をいじるのが本当に難しいんだもん!こうやってひっくり返すやつ。プロみたいな役なのに恥ずかしかったんだけど(笑)。監督の優しいまなざしのもと、なんとか集中してやることができて本当によかったなぁと思います。