白石和彌監督「蒼井優じゃなければ成立しなかった」 映画『彼女がその名を知らない鳥たち』共感度0%、不快度100%のまぎれもない愛にトロントが熱狂!

ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに「究極の愛とは何か」と突きつけ、読者を虜にした沼田まほかるの20万部を超える人気ミステリー小説、待望の映画化!蒼井優、阿部サダヲW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』が10月28日(土)より全国ロードショーとなる。

この度、現地時間9月13日(日本時間9月14日)、第42回トロント国際映画祭(カナダ・トロント)にて本作のワールド・プレミアが開催され、白石和彌監督が登壇。世界の舞台で遂にそのベールを脱いだ“かの鳥”が、トロントを熱狂の渦に包みこんだ。

ワールド・プレミア①

米・アカデミー賞レースの始まりを告げる北米最大規模の映画の祭典“トロント国際映画祭”。本作は、コンテンポラリー・ワールドシネマ部門(Contemporary World Cinema)という「世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品」をセレクションする部門に選出されており、世界初のお披露目となるこのワールド・プレミアの舞台に白石和彌監督が登壇。注目の作品をいち早く観ようと集まった観客で埋めつくされたトロントの会場では泣いている観客の姿が多数みられ、万雷の拍手が鳴り響くなか現地の観客から日本語で「この映画は凄い、オメデトウ」と声をかけられると、白石監督は「ありがとうございます。嬉しいです」と感無量の様子で挨拶。Q&Aコーナーでも多くの質問に1つ1つ丁寧に答え、「個人的には特に(阿部サダヲ演じる)陣治に感情移入をしました。陣治の愛の証明の仕方は誰にでもできるものではないし、心が張り裂けそうな気持ちになりました。(対する十和子役は)原作を最初に読んだときに蒼井さんが思い浮かびました。他の人にはオファーしておらず、蒼井優さんじゃなければ成立しなかったと思います」と、主演の蒼井さん、阿部さんの2人を絶賛しながら振り返り、時間ギリギリまで質問が飛び交う大盛り上がりぶり。終了後には、会場の外で観客を出迎えた白石監督が「とても感動した!ありがとう!」とサイン攻め、握手攻めにあう光景も見られるなど、共感度0%、不快度100%の“まぎれもない愛の物語”がセンセーションを巻き起こした。

ワールド・プレミア②

世界の舞台でそのベールを脱いだ、日本が誇る実力確かな豪華俳優陣の熱演、そして白石監督が初めて挑んだ本格的な大人のラブストーリー“かの鳥”。本映画祭の最高賞となる観客賞(People’s Choice Award)は期間中に作品を見た一般の観客の投票によって決まるが、過去に観客賞に輝いた作品には『ラ・ラ・ランド』(2016・第41回)、『英国王のスピーチ』(2010・第35回)、『スラムドッグ$ミリオネア』(2008・第33回)など、アカデミー賞作品賞をはじめ数々の賞を総ナメにするなど大きな話題を集め、日本でも大ヒットを記録した作品ばかり。邦画作品では北野武監督『座頭市』(’03)が同賞を受賞しており、邦画作品として14年ぶり受賞の快挙となるか、今後の動向にも注目!

ワールド・プレミア③

以下、Q&Aコーナー抜粋

Q:監督ご自身はこの映画をどのように捉えていますか?

白石:個人的には特に(阿部サダヲ演じる)陣治に感情移入をしました。自分も家では奥さんに足蹴にされることがあるので(笑)。陣治の愛の証明の仕方は誰にでもできるものではないし、心が張り裂けそうな気持ちになりました。タイトルが『彼女がその名を知らない鳥たち』と、内容とばっちりシンクロしているものではないと思ったので自分もずっと考えていたんですが、“鳥”は彼女にとって知らないものである、知らない愛がある、ということなのではないかなと思います。

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