ノスタルジックな長崎の街を舞台に、“ドロドロのダメ男巡り”と“ヒリつく姉妹の絆”を描く青春ロードムービー『いろは』。不透明な時代を生きる若い姉妹のリアルな感情を、ほろ苦くも瑞々しく映し出す。

主人公は、実家の茶舗を手伝いながら“揺らぎのない日々”を送る22歳の伊呂波。将来への展望も見えないまま現状に留まる彼女のもとに、5年ぶりに姉・花蓮が帰省する。だが花蓮は突然、「妊娠した。でも父親が誰かわからない」と告白する。
父親候補は三人。御曹司、DV気質の年上男性、借金を抱えた元恋人——。いずれの関係にも決定的な“愛”はなく、曖昧さだけが残る。半ば強引に父親探しの旅に同行させられた伊呂波は、姉とともに長崎県内を巡りながら、恋愛の裏側に潜む孤独と承認欲求を目の当たりにしていく。
自由奔放に見える花蓮。しかしその内側には、「愛されたい」という切実な願いがあった。きらびやかな外側とは裏腹に、自分の価値を他人の評価に委ね続けてきた彼女。そして伊呂波もまた、恋愛をしないことで傷つくことから逃げていたことに気づく。誰かに選ばれるより、まず自分を認めること。誰かに愛される前に、自分を受け入れること。
ぶつかり合いながら本音をさらけ出した姉妹は、互いの弱さを知り、不完全なまま前へ進む決意を固めていく。正解のない恋と人生の途中で揺れ動く二人の姿は、Z世代のリアルと、女性の自己肯定感というテーマを鮮やかに浮かび上がらせる。
主人公・伊呂波を演じるのは川島鈴遥。消極的で内向的なヒロインの揺れ動く心情を繊細に体現する。姉・花蓮役には森田想。奔放さの裏にある不安と孤独をリアルに演じきる。さらに、鶴田真由、遠藤久美子ら実力派が脇を固め、姉妹の物語に厚みを与える。
監督は長崎出身の横尾初喜。長崎の海や坂道、港町の空気感を背景に、人物の感情に寄り添う繊細な演出で、地方発の青春映画を完成させた。











■作品情報
タイトル:『いろは』
出演:川島鈴遥 森田想
遠藤健慎 山口森広 田川隼嗣 石本愛 長崎亭キヨちゃんぽん
田中明日実 石長由紀子 明石純美玲 吉田ひかる 小宮みどり 宮崎裕子 加々良宗澄 井上真緒 中山祐太 若杉康平
金子大地(声の出演)
遠藤久美子 鶴田真由
監督:横尾初喜
脚本:藤井香織
音楽:上田壮一
製作・配給:BLUE.MOUNTAIN/LUDIQUE
公開:
5月8日(金)長崎先行公開
5月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
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