1926年、大逆罪で死刑判決を受けながら、減刑後に獄中で自ら命を絶った実在の人物・金子文子。彼女の壮絶な121日間を描いた映画『金子文子 何が私をこうさせたか』が、2026年2月よりユーロスペースほか全国順次公開されることが決定しました。さらに、本作は2025年9月11日(木)から開催される「あいち国際女性映画祭2025」にて、オープニング作品として上映されます。
1923年、虚無主義者である朝鮮人・朴烈と共に検束され、大逆罪で死刑判決を受けた金子文子(享年23)。彼女は減刑により栃木女子刑務所に収監されたものの、1926年7月23日、獄中で自死を遂げました。本作では、金子文子が自らの死に至るまでの121日間に焦点を当て、国家権力に抗い続けた彼女の“魂の記録”を映し出します。
原作は文子が獄中で記した自伝『何が私をこうさせたか』。彼女が残した短歌や記録をもとに、これまで描かれなかった空白の時間が、力強く、静かに蘇ります。
監督は、ピンク映画界のパイオニアとして300本を超える作品を手がけ、自主制作では女性作家たちを題材にしてきた浜野佐知。長年映画化を熱望していた本作を、監督人生の集大成として完成させました。
主演を務めるのは、浜野作品『百合子、ダスヴィダーニヤ』『雪子さんの足音』にも出演した菜葉菜。魂の奥底から絞り出すような演技で、金子文子の怒りと絶望を見事に表現しています。共演には小林且弥、三浦誠己、吉行和子、白川和子、大方斐紗子、洞口依子ら実力派キャストが顔を揃えました。
脚本:山﨑邦紀、撮影監督:高間賢治(JSC)、音楽監督:吉岡しげ美。撮影は、長野県松本市の歴史的建造物を活用して行われました。
【監督・主演 コメント】
浜野佐知監督コメント:
「文子の怒りは、私自身の怒りでもあります。映画監督になれないとされた時代に抗って生きてきた私にとって、金子文子は魂の同志でした。この作品を通して、100年後の“今”という時代に、文子という存在の爆発力を投げ込みたいと思います。」
菜葉菜さんコメント:
「金子文子という女性を演じることは簡単なことではありませんでした。しかし、浜野監督や共演者、スタッフの力強い支えのもと、最後まで全力で走り抜けることができました。今この時代だからこそ、多くの方に文子の人生を知ってもらいたいです。」
■映画情報
タイトル:金子文子 何が私をこうさせたか
公開:2026年2月よりユーロスペースほか全国順次公開
監督:浜野佐知
出演:菜葉菜、小林且弥、三浦誠己、洞口依子、白川和子、吉行和子、大方斐紗子 ほか
脚本:山﨑邦紀
撮影監督:高間賢治(JSC)
音楽監督:吉岡しげ美
製作・配給:旦々舎
上映時間:2時間1分
レイティング:PG12
©旦々舎