『ターミネーター』シリーズで知られるアーノルド・シュワルツェネッガーが、ロシアの人々に向けたメッセージを自身のインスタグラムで発信した。
▼アーノルド・シュワルツェネッガーのインスタグラム(schwarzenegger)より
ロシアのウクライナ侵攻が続く中、3月17日、シュワは約9分間のメッセージ動画を公開。「過酷な現実について話す前に、私のヒーローになったロシア人について話させてください」と始め、1961年に母国オーストリアのウィーンで行われたウェイトリフティング世界選手権で、ロシアの重量挙げ選手、ユーリー・ペトロヴィッチ・ウラソフとのエピソードを語った。
▼アーノルド・シュワルツェネッガーが公開したメッセージ動画「A message to the Russian people」
当時14歳だったシュワは、大会で優勝したユーリーとバックステージで対面し、握手をしたとのこと。「世界一強い男が目の前に立っている。信じられなかった」「彼はとても優しかった。そして、私に微笑んでくれた。その日のことは決して忘れることはないだろう」と振り返り、ロシアを嫌う父親に反対されても、ユーリーを目標にウェイトリフティングのトレーニングを開始したと明かしている。
シュワは俳優として映画に出演するようになり、1988年の映画『レッドブル』の撮影でユーリーと再会。本作はモスクワの赤の広場で撮影が許可された初めてのアメリカ映画で、シュワは彼からプレゼントされたという思い出の青いコーヒーカップも紹介している。
「私は14歳の頃からロシアの人々に対して愛情と尊敬しかありません。ロシアの人々の強さと心にいつも感動していた」と続けたシュワ。
さらに、ロシアの国営メディアが広めている情報、ウクライナとロシアの両国の人々が受けている被害について言及。シュワの父は第二次世界大戦で戦い、「政府の嘘に興奮していた。戦争から戻ってくる頃には、肉体的にも精神的にもボロボロになっていた」という。ロシアの兵士たちに「父のようになってほしくない」「これは違法な戦争だ。あなたの人生、手足、未来が、世界中で非難されている無意味な戦争のために犠牲になっているのです」と訴えた。
最後に、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対して「あなたが戦争を始め、あなたが戦争をリードしている。あなたは戦争を止めることができる」と語りかけ、戦争に反対しているロシアの人々に向けて「皆さんは私の新たなヒーローです。ユーリー・ペトロヴィッチ・ウラソフと同じ強さを持っています。ロシアの真の心を持っている。私の親愛なるロシアの友人たちに、どうか神の祝福がありますように」というメッセージで締めくくった。
現在74歳のシュワは、ボディビルダーとして活躍後、俳優に転身。『コナン・ザ・グレード』(1982)で一躍有名になり、『ターミネーター』(1984)のT-800役で世界的スターとなった。以降は『コマンドー』(1985)、『プレデター』(1987)、『トータル・リコール』(1990)、『ターミネーター2』(1991)、『トゥルーライズ』(1994)など数々のアクション映画がヒット。2003年から2011年まで米カリフォルニア州知事を務めた後、俳優業に復帰した。