岡村靖幸「大変ビターで感慨深い作品」、高良健吾「ずっと胸ぐらを掴まれているようだ」著名人絶賛!『アネット』過去作特集上映も決定!

2021年第74回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞したレオス・カラックス監督の8年ぶりとなる最新作で、アダム・ドライバーとマリオン・コティヤールがダブル主演を務める『アネット』が、4月1日より公開される。このほど、本作の公開を記念して、「We Meet Leos Carax!」と題した過去作が3月19日より渋谷・ユーロスペースにて特集上映されることが決定し、併せて、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。


© THEO FILM/©2008「TOKYO!」

レオス・カラックス監督の『ホーリー・モーターズ』以来8年ぶりとなる本作は、自身が初めて全編英語でミュージカルに挑んだロック・オペラ・ミュージカル映画。人気スタンダップコメディアンのヘンリーと、一流オペラ歌手のアン、そして二人のあいだに生まれたアネットによって、ダークなおとぎ話が繰り広げられる。

「We Meet Leos Carax!」で上映されるのは、レオス・カラックス監督が過去に手掛けた『ボーイ・ミーツ・ガール』、『汚れた血』、『ポーラX』、『TOKYO!』、『ホーリー・モーターズ』の合計5作品。10代前半から映画を観あさり、イギー・ポップに憧れ、セリーヌを愛読する早熟な子どもだったカラックス。1980年に初めて完成させた『絞殺のブルース』がイエール映画祭でグランプリ受賞した後は⻑編6本、オムニバス映画1本と寡作ながら、一作ごとに新たな世界を生み出してきた唯一無二の映画作家である彼のフィルモグラフィーを劇場で辿れる大変貴重な機会となっている。

▼「We Meet Leos Carax!」レオス・カラックス過去作上映詳細

期間:3月19日(土)〜3月31日(木)
上映劇場:渋谷・ユーロスペース
上映作品:『ボーイ・ミーツ・ガール』『汚れた血』『ポーラ X』『TOKYO!』『ホーリー・モーターズ』
入場料金:一般1500円/大学・専門学校生1300円/会員・シニア1100円/高校生800円/中学生以下500円 ※本特集の半券提示で2回目以降1100円

▼著名人 絶賛コメント

■蒼井ブルー(文筆家・写真家)
2時間20分のあいだ、ずっと愛。愛を失いそうになったとき、こんなことなら愛さなければよかったと思うか、どうか。

■青野賢一(ライター、選曲家、DJ)
ヘンリーとアンという主人公二人の名前も相まって、悲劇を描くオペラを彷彿させるクラシカルな雰囲気が漂う作品。いわゆるミュージカルの賑やかなイメージを覆すダーク・ファンタジーだ。人間のエゴや権威を欲するさま、そして何より笑いについて深く考えさせられた。

■明石ガクト(ワンメディア株式会社 代表取締役CEO)
正真正銘のミュージカル映画だ。ダンスや台詞の間に、これ見よがしに歌を散りばめたような代物じゃない。歌で始まり歌に終わる全てが作り物の世界の中で、生々しい歌によって紡がれる愛の物語。天才レオス・カラックスでなければ撮れなかったであろうこの怪作は、配信全盛時代において映画館で観る意味のある貴重な作品だ。

■有島コレスケ(arko lemming)
古典的且つ実験的、悲劇的しかし溢れ出るユーモアセンス、皮肉と愛と照れ隠し、私的且つ超大作、そして最新作にして集大成!冒頭から最後の最後まで、息を止めて釘付けです。

■安藤桃子(映画監督)
悲劇と絶望、そして罪と罰。西洋的「死生観」の表現は、オペラに詰まっている。壮大なオペラを通じて、カラックスはカルマを炙り出す。巨匠のたぎる愛のストライキか。映画の灯は永遠なり。さて、「今から映画をはじめます」。

■石川直樹(写真家)
スクリーンの向こう側とこちら側を軽々と往来し、観る者を巻き込み、惹きこんでいく異次元すぎる展開に唸った。すごい映画を観てしまった。

■今泉力哉(映画監督)
レオス・カラックスが自分のことを映画にした極私的映画だと思って終始見た。アダム・ドライバーを通じて描いた世間からの自分の見え方、見られ方。当人にしか描けない立場と視点を軸にした物語の自虐的な曝け出し方と心の底からの本音に失笑しながら感動した。

■村本大輔(ウーマンラッシュアワー/コメディアン/漫才師)
アダム・ドライバーがモデルにしてる芸人はレニー・ブルースという実在した芸人。笑いをとってなんぼという概念に縛られたコメディアンという仕事への葛藤が画面から血が滲むように伝わってきた。

■宇川直宏(DOMMUNE)
映画と音楽の本性が、心の防波堤を突き破って魂を鷲掴む!!!!!!!“アネット体験”によって「人」は紛れもなく「人間」であったということを思い出すだろう!!!!!!!

■岡村靖幸(音楽家)
ここ何十年、僕が映画を見ても感じられなかったことがここには詰まってます。不穏で怖いほどの映像美、読めない展開、ダークなシニカルな人生の???。結婚についての本を数冊出した僕には大変ビターで感慨深い作品でした。

■尾崎世界観(クリープハイプ)
舞台に立った時のあの孤独が鮮明に描かれていて、目が離せなかった。見せているのか。見られているのか。問いかけても、歌が言葉をかき消してしまう。そして次第に、観客であるはずの自分が、映画に見られているように思えてくる。

■岩崎う大(かもめんたる/芸人)
ショウビジネスの持つ狂気と愛と闇を、それら全部を使って表現したような作品。実験的であり、本質的でもあるエネルギーを感じました。

■槙尾ユウスケ(かもめんたる/芸人)
次から次へと目の前に映し出される映像がとにかく美しく、そこにミュージカルの要素が加わり、あっという間に非日常の世界に引き込まれ、ずっと魅了されっぱなしでした。スタンダップコメディーのシーンは、実際にライブを体験しているかのような臨場感があり、とても楽しい時間を体験できました!最高!

■ガリットチュウ熊谷茶(芸人)
ヘンリーとアンと、そしてアネットの愛の行く末を観ました。ダークでファンタジーが故にものすごく感情が揺さぶられました。「どんなミュージカル映画なの?」と聞かれたら僕は『アネット』と答えます。これぞ唯一無二ですね。

■河合宏樹(映画監督)
カラックス。私が生涯一番影響を受けた作家。『アネット』は、シニカルに表現の解体に挑み、自己を中傷しながらも、どこまでも映画でしかなくどこまでも極地、そしてどこまでも“カラックス”自身であることが最大の新天地である。影響受ける作家は多くいる。しかしこれは誰にもマネ出来ない。現在進行形だからである。

■岸野雄一(スタディスト)
現代にこそ撮られ、現代にこそ観られるべき映画!Just Now!演者か?観客か?誰がエンターテインメントを葬送するのか?ミュージカルのスタイルで描く20世紀エンターテインメントへのレクイエム。ミュージカル映画はまだまだ進化の可能性を持っている事が確信できる。

■北村道子(スタイリスト)
スパークスの音楽が1999年のポーラXへと導き、私たちは質度の高い映像に引き込まされ、エンディングのアネットに打ちのめされてしまうのだ。一級品映画人、レオス・カラックス!

■栗野宏文(ユナイテッドアローズ上級顧問)
『アネット』はスパークスのロックオペラから着想している。常にロック的であることから逸脱し続けるスパークス兄弟と“映画”を革命し続けるレオス・カラックスは異母兄弟の様にも感じる。この兄弟達は手強く、深く、魅力的だ。

■黒沢清(映画監督)
あまりの凄さに絶句。我々はここ何十年、こういう映画を待ち望んでいた。驚異的であることは、映画にとってやはり最高の価値なのだ。

■高良健吾(俳優)
ずっと胸ぐらを掴まれているようだ。映画には歌も踊りもあるのに掴んでくる相手は無言。緊張感がある場所を彷徨いながら、新しい自分の器が満たされました。

■小島秀夫(ゲームクリエイター)
60歳を迎えた“恐るべき子供”は、とんでもない“映像の犯罪”に手を染めた。映画の定石だけでなく、自らのスタイルをも破壊、“ボーイ・ミーツ・ガール”の先にある愛と反逆を歌いあげるピカレスク・ロマン!カラックスは永遠の“ROCK”な悪童だ。

■サエキけんぞう(作詞家、アーティスト)
ニューウェイヴの雄スパークスが驚きの参加、レオス・カラックスが、魂の暗部をえぐり出し、心を震わせる。先端を走り続けるスパークスのロックを底力にして、特異で斬新なビジュアル宇宙が展開する。アネットの虚空を震わせる歌声によって、世界はダークサイドを裏返され、美しさを更新した。

■志磨遼平(ドレスコーズ)
待ち焦がれたカラックスの新作、それもあのスパークスとのロックオペラ!映画館の暗闇で思わず立ち上がりたくなるほどの興奮をぼくらは懸命に抑えねばなりません。今のぼくらは立ち上がることはおろか、呼吸をすることすら許されてはいないのです。

■辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
どんな本音も心の闇も個人情報も包み隠せないパーソナルな歌声。男女の会話は歌にすることで、運命の相手かどうかわかります。

■しんのすけ(映画感想TikToker)
映画的興奮に満ち満ちた極上の140分間。二人は歌いながら幾度となく死に観客を殺す。深い愛に巻き込まれた僕らはエンドロールが終わる瞬間まで、呼吸の自由を禁じられてしまうのだ。

■鈴木大介(ギタリスト)
夢幻美と暗示に彩られた映像とアンティークなアートに溢れたロックによって描かれるのは、オペラとしての王道な“愛と死”…?と思いつつ観ていたら、ひょっとすると現実の自分も愛の暴発と死の恐怖に“操られて”いたのかも?という気持ちに。生まれ出た世界に『アネット』がもたらしたものは悲しみだけではなくて、新しい何かへ向かっていく意志の芽生えでもあるのです。

■鈴木博文(moonriders)
ドラクロアの絵の様な深い青が印象的な画面。その中の人物が音楽を奏でながら躍動する。レオス・カラックス監督は絵画と音楽を融合させてこの映画を見事なロックオペラにした。色は歌を歌い、踊り、恋をする。そして奇妙で孤独な終わりを迎える。その時の色を私はまだ決められないでいる。

■諏訪敦彦(映画監督)
2時間20分はあなたの人生のほんの一瞬かもしれない。しかし、この稲妻のような閃光と音響のカーニバルは、失意、幸福、後悔、恍惚、愛と死と共に生きたひとりの男の孤独な数千日の夜から発している。映画館の闇の中でその音光の渦に飲まれよう。あなたの脳には生涯消すことのできないアネットの聖なる痕跡が残るだろう。

■曽我部恵一(ミュージシャン)
長い長いミュージック・ビデオを観ているようで、脳が痺れた。

■竹中直人(俳優・映画監督)
《驚いた…》と言う言葉を使って良いのだろうか…この映画から何を感じたか…それを言葉にするのは《嘘》になってしまう。全てのシーンはこのためにあったのか…!レオス・カラックスはそれを見事に映像と音楽に叩きつけた!《ミュージカル映画》と言う次元を超え、ぼくたちはスクリーンに釘付けだ!「え?これでおしまい…!?」思わずつぶやいてしまった。もっともっと観続けていたい映画だった…。

■玉城ティナ(女優)
ステージを眺める私達がいる。目線の先には演者が全身を使って声を操っている。美しい旋律。その完璧な美しさの源に、誰かが気付く。歪である、と。それも正しい、自然な事だと私達が言葉にせずとも肯定している時、いつしかその思いは会場中にふわりと充満して、もう元に戻らなくなってしまう。いつからか私達が望んだ事が演者の人生にまで入り込んでいく。最後まで見届けるしかない。

■津田健次郎(声優・俳優)
言葉にし難い…。ミュージカル映画?否、これはカラックス映画だ。虚構と現実が混じり、詩的で私的。孤独と血が滲み、切実。英語で歌おうと、御伽噺を紡ごうと、アダム・ドライバーという繊細な猛獣を得ようと、カラックスはどこまでもカラックス。映像言語で苦悩し断絶している。恐るべき子供は変化した。しかし恐るべき子供のままだ。

■豊田利晃(映画監督)
愛する者を失う、喪失した男の物語をレオス・カラックスは描き続ける。それは彼自身の人生とも重なる。60歳を越えても、新しい映画作りにチャレンジするレオス・カラックスの姿勢に敬服し、励まされました。彼の映画で一番好きです。

■中島歩(俳優)
映画でのみ成し得る感動をまたしても発見させられた。カラックスという芸術家の態度が、いつも僕を焚き付ける。

■永野(芸人)
人生は映画のようにはいかないとみんな言いますが、人生こそが映画なのだと思いました。映画は娯楽だとみんな言いますが、映画は作家性なのだと思いました。なんでも分かった気になるもんじゃないですね。目が覚めました。

■樋口泰人(爆音映画祭主宰)
レオス・カラックスが映画の全世紀を映し出す。無声映画があらゆる時代とあらゆる世界に向けて響かせる、映画のフィードバック音と言ったらいいか。その怒涛の洪水がこの闇の世界の地下水脈となり、われわれを新たな世界へと導くだろう。そんなカラックスの幻視の凶暴さに、胸を打たれるばかりである。

■藤倉大(作曲家)
はっきり言って、こんな映画は観たことがない。その上ミュージカルとなると、より一層過去にこんな映画は存在しないだろう。前々から話題になっていた、例の赤ちゃんの演出。インタビューなどで読んで知ってたけれど、ああなるとは!観た後、好き嫌いは当たり前ながらあるでしょう。でもこれこそ、百聞は一見にしかず。この映画を観る観ないのために生まれた言い回しなのかもしれない。

■前田敦子(女優)
こんな息を呑むミュージカル映画は初めてでした。マリオン・コティヤールの美しさ、狂気あふれるアダム・ドライバー、ラストシーンのデュエット。映像もとても綺麗で、映画館で思う存分堪能して欲しいです。

■町山智浩(映画評論家)
美しきオペラ歌手と傲慢なコメディアンの夫婦のロックオペラ。父と娘のデュエットは胸に刺さる。

■町山広美(放送作家)
「恐るべき子ども」と称賛を集めたデビューから、カラックスの作品には必ず、子どもの身ぶりをとらえる印象的なショットがあった。そしてついに今回、子どもをタイトルロールに迎え、「恐るべき子ども」が真に実現される。円環の完成に喝采!

■松居大悟(映画監督)
いつ夢から覚めるんだと思いながら夢の中を突き進んだ。そういえば、これはカラックスの映画だった。カラックスと音楽たちの中に紛れ込むと、雄弁で潔いのに、こんなにもはっきりと五感にモヤがかかる。ロックだった。深呼吸!

■真利子哲也(映画監督)
理屈ではなく沈み込ませる圧倒的な凄み。芯を打たれた気持ちよさ。ぜんぶ冗談じゃない!映画ってこんな痺れるほどカッコいいんだって生き様を見せつけてくれた。こんな映画があるからやめられない。スクリーンに生存する愚直な怪物たちに称賛しかない。

■湯山玲子(著述家・プロデューサー)
レオス・カラックス×スパークス!!顔合わせに驚いたが、双方の「寓話性とロマン」が強力に引きつけ合い、観客から未経験の感情を引き出す凄さに脱帽。人間を越え、至高を目指す芸術と、人間の業を肯定する芸能(お笑い)の愛の結晶たる「アネット」の明日はどっちだ!?

『アネット』
2022年4月1日 ユーロスペースほか全国公開
監督:レオス・カラックス
原案・音楽:スパークス
歌詞:ロン・メイル ラッセル・メイル レオス・カラックス
出演:アダム・ドライバー マリオン・コティヤール
配給:ユーロスペース

【作品概要】 レオス・カラックス監督が初めて全編英語でミュージカルに挑んだロック・オペラ・ミュージカル映画。人気スタンダップコメディアンのヘンリー(アダム・ドライバー)と、一流オペラ歌手のアン(マリオン・コティヤール)、そして二人のあいだに生まれたアネットによって、ダークなおとぎ話が繰り広げられる。

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