前田敦子 × 黒沢清監督『旅のおわり世界のはじまり』6月14日公開決定!予告編&本ポスタービジュアル

日本・ウズベキスタン国交樹立25周年、ナボイ劇場完成70周年記念の国際共同製作企画となる黒沢清監督作で、前田敦子が主演を務める『旅のおわり世界のはじまり』の公開日が6月14日に決定した。このほど、予告編と本ポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、日本のテレビバラエティ番組のクルーと共に取材のためにウズベキスタンを訪れた女性レポーター・葉子が、現地のコーディネーターや異文化の人々との交流によって新しい世界を開き、成長していく姿を描く。黒沢監督がオリジナル脚本を手掛け、シルクロードの中心ウズベキスタンで、1ヶ月にわたり全編オールロケ撮影を敢行した。

主人公・葉子に扮するのは、黒沢監督が厚い信頼を寄せる女優・前田敦子。また、ウズベキスタン取材で葉子と行動を共にする番組クルーのスタッフで、「優秀だがどこか仕事に倦んだカメラマン」を加瀬亮、「テレビ映えする映像ばかりを気にしているディレクター」を染谷将太、「天真爛漫なAD」を柄本時生が演じる。監督の意図を直感的に理解し、決して過剰にならない3人の“引きの演技”は、本物の撮影スタッフと見紛うリアルさで、劇中でも絶妙のチームワークを見せている。さらに、現地の通訳兼コーディネーター役としてウズベキスタン俳優のアジズ・ラジャボフが出演する。

予告編で流れるのは、エディット・ピアフの名曲「愛の讃歌」。前田は、本作で本楽曲の歌唱に挑戦。日本人が建設に関わり、日本とウズベキスタンの友好の証である「ナボイ劇場」での交響楽団の伴奏に合わせた歌唱に加え、クライマックスでは標高2,443mの山頂でアカペラの撮影に挑んだ。前田は、「何が苦しかったというと『愛の讃歌』という歌の壮大さ。あまりにも深く果てしない感情が表現されていて、生半可な気持ちではその世界に負けてしまう。とにかく歌と向き合って、歌詞のひとつひとつを真っ直ぐ届けることだけを考えていました」と話す。しばらく歌の仕事から遠ざかっていたため、このシーンに備え、クランクイン前からボイストレーニングに取り組んでいた。「自分なりにできることはやってきましたが、それでもプレッシャーは大きかった。山頂は想像以上に空気が薄くて、気持ちの余裕はまったくありませんでした」と振り返った。撮影当日は、黒沢監督も前田も時間を忘れるほど集中しており、撮影本番は一発OKで知られる監督だが、このシーンでは8テイクを重ね、山頂での撮影は5時間近くに及んだという。本編では、現場で収録した生の歌声が使用されている。

『旅のおわり世界のはじまり』
6月14日(金)テアトル新宿、渋谷ユーロスペースほか全国公開
監督・脚本:黒沢清
出演:前田敦子 染谷将太 柄本時生 アジズ・ラジャボフ 加瀬亮
配給:東京テアトル

【ストーリー】 テレビ番組のリポーターを務める葉子(前田敦子)は巨大な湖に棲む“幻の怪魚”を探すため、番組クルーと共に、かつてシルクロードの中心地として栄えたこの地を訪れた。夢は、歌うこと。その情熱を胸に秘め、目の前の仕事をこなしている。収録を重ねるが、約束どおりにはいかない異国でのロケで、いらだちを募らせるスタッフ。ある日の撮影が終わり、ひとり街に出た彼女は、聞こえてきた微かな歌声に誘われ美しい装飾の施された劇場に迷い込む。そして扉の先で、夢と現実が交差する不思議な経験をする──。彼女が、旅の果てで出会ったものとは…?

(C)2019「旅のおわり世界のはじまり」製作委員会/UZBEKKINO