2020年9月に、柴山健次監督が伊吹有喜による同名小説を映画化することが発表され話題となった、玉山鉄二と深川麻衣の共演作『今はちょっと、ついてないだけ』が、4月8日より公開される。このほど、本作の特報映像がお披露目となった。
本作は、シェアハウスを舞台に30代から40代の人生模様を描き、これまで過ごしてきた時間を振り返りながら、「今だからこそ見える風景が、ここにある」と苦しみも哀しみも引き受けて、この先を生きるんだと勇気を与えてくれる物語。かつて秘境を旅する番組で人気カメラマンとして脚光を浴びながら、表舞台から姿を消した立花。彼に写真を撮る喜びを思い出させ、以前とは違う形で再び自然へと導いたのは、シェアハウスに集う不器用な仲間たちとの笑顔の日々だった。失職した元テレビマンの宮川、求職中の美容師の瀬戸、復活を望む芸人の会田。立花も彼らも、ゆったり流れる時間の中で、それぞれの“心が本当に求めるもの”を見つけ出そうとしていた…。
特報映像では、不本意ながら借金を抱え表舞台から姿を消した元人気カメラマンの立花(玉山鉄二)が、失職した元テレビマン・宮川(音尾琢真)、求職中の美容師・瀬戸(深川麻衣)、そして落ち目な芸人・会田(団長安田)らとシェアハウスで出会い、“今はちょっと、ついてない”仲間たちと過ごす日々が映し出される。美しい緑の木々に囲まれた北竜湖でのカヌー。心も身体も温まる一杯のコーヒー。共に時間を共有しながら、「今ここにたどり着き、生きている」主人公たち。「ゆっくり、進もうか」と再びカメラを構える立花の気持ちが静かに伝わってくる映像となっている。
本作について、柴山健次監督は「この物語は30代半ばから40代の人生模様に絞っている。一通りの体験を経た世代であり、立ち止まってしまう時期であり、振り返ってしまう時期。自分のこれまでが、これからが、正しいなんて言い切れない不安感の中、それでも月日は流れていってしまう。誰もが必死で生きていると知りながらも、自分だけが苦しんでいるんじゃないかと、考えてしまう」としたうえで、「様々な人生模様を通して、物語の受け手の私たちにも、同じ思いを見せてくれる。苦しみも哀しみも引き受けて、この先を生きるんだと、勇気を与えてくれる物語。がむしゃらに働くことが善しとされ、疲れ果てている世代に、包み込むような愛のある眼差しの映画となる」とコメントを寄せる。
『今はちょっと、ついてないだけ』
2022年4月8日(金)より、新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督・脚本:柴山健次
原作:伊吹有喜「今はちょっと、ついてないだけ」
主題歌:Age Factory「First day song」
出演:玉山鉄二 深川麻衣 音尾琢真 団長安田(安田大サーカス) 高橋和也 かとうかず子 山村美智 奥山佳恵 川津明日香 Erna 大友花恋
配給:ギャガ
【ストーリー】 かつて、世界の秘境を旅するテレビ番組で、一躍脚光を浴びた「ネイチャリング・フォトグラファー」の立花浩樹(玉山鉄二)。バブル崩壊で全てを失ってから15年、事務所の社長に背負わされた借金を返すためだけに生きてきた。必死に働き、完済し、気付けば40代に。夢も、恋も、何もかも諦めた日々を過ごすだけのある日、母親の友人から写真を撮ってほしいと頼まれた立花は、撮影を通して、忘れていたカメラを構える喜びを思い出す。もう一度やり直そうと、上京して、住み始めたシェアハウスには、同じように人生に敗れた者たちが集まっていた。住人たちと過ごす時間の中で、「心より欲しているものは何か」を見つめなおそうとする。
©2022 映画『今はちょっと、ついてないだけ』製作委員会