波瑠「お風呂で服を脱ぐとき、その癖をすごいたくさんの方に見られている気がして…」

第149回直木賞を受賞し、累計発行部数85万部(電子書籍を含む)を突破した桜木紫乃のベストセラーを、武正晴監督が波瑠主演で映画化する『ホテルローヤル』が、11月13日に公開初日を迎え、神楽座で行われた初日舞台挨拶にキャストの波瑠、松山ケンイチ、安田顕、友近、武正晴監督が登壇した。

全国23ヶ所の劇場に同時中継された本イベント。マスコミの前に登場した波瑠は、「お客さんの前でできない寂しさもありつつ、何言ってもスベるみたいな(笑)。でもカメラを通して、いつもより多くのお客さんに同じ時間に届いていることを楽しみたい」と初日を迎えた気持ちを語った。

北海道出身の安田は「北海道に普段行くのと、ロケで行くのでは、見える景色が違う」ことに気がついたという。「釧路は遠いですから。北海道の人間でもなかなか行く機会がない。改めて北海道の美しさだったり、情景の素晴らしさを再発見できた」と、撮影を振り返った。

松山の方言について、武監督が「だんだん東北弁になっていった」ことを明かすと、松山が会話に割り込み「これは内緒って言ったんですよ! 自分の出身地の青森弁でしゃべっちゃった、ていうのは…。北海道の人に失礼でしょ? 『北海道の言葉じゃねーよ!』って、みんな思いながら観ちゃうでしょ? まさか舞台挨拶で、この話をするとは思わなかったので…」とボヤきが止まらない様子だったが、隣の友近から「取り乱すな!」とツッコミが入り、松山は「優しく観てください、北海道の皆様、すいません」と頭を下げていた。

MCからクライマックスのシーンについて、気持ちを聞かれ波瑠は、「覚悟があって、着衣を脱いだりするんですけど。自分がお風呂で服を脱ぐときって、自分しか知らないじゃないですか。その癖をすごいたくさんの方に見られている気がして、恥ずかしいなと一瞬思いましたけど…。ちょっとしたところに人間臭いものが出てくれればいいなと思って、その時間に身を委ねた」ことを明かしていた。

『ホテルローヤル』
11月13日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:武正晴
脚本:清水友佳子
原作:桜木紫乃「ホテルローヤル」
音楽:富貴晴美
主題歌:Leola「白いページの中に」
出演:波瑠 松山ケンイチ 余貴美子 原扶貴子 伊藤沙莉 岡山天音 正名僕蔵 内田慈 冨手麻妙 丞威 稲葉友 斎藤歩 友近 夏川結衣 安田顕
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 北海道、釧路湿原を望む高台のラブホテル。雅代(波瑠)は美大受験に失敗し、居心地の悪さを感じながら、家業であるホテルを手伝うことに。アダルトグッズ会社の営業、宮川(松山ケンイチ)への恋心を秘めつつ黙々と仕事をこなす日々。甲斐性のない父、大吉(安田顕)に代わり半ば諦めるように継いだホテルには、「非日常」を求めて様々な人が訪れる。投稿ヌード写真の撮影をするカップル、子育てと親の介護に追われる夫婦、行き場を失った女子高生と妻に裏切られた高校教師。そんな中、一室で心中事件が起こり、ホテルはマスコミの標的に。さらに大吉が病に倒れ、雅代はホテルと、そして「自分の人生」に初めて向き合っていく…。

©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会