重版10刷を突破した、新世代のSNS漫画家・世紀末による人気同名4コマ漫画を、間宮祥太朗、桜井日奈子のダブル主演で実写化する映画『殺さない彼と死なない彼女』が、11月15日より公開される。このほど、10月29日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、第32回東京国際映画祭 特別招待作品として舞台挨拶が行われ、キャストの間宮祥太朗、桜井日奈子、小林啓一監督が登壇した。
はじめに、間宮が「今日この映画を選んでくださったみなさん、ありがとうございます」と感謝を述べ、「今も、(通訳の)英語を聞いて緊張してきたということです」と桜井の緊張ぶりを紹介。桜井は「映画祭は初めてで、昨日は使い物にならないくらい緊張してしまいました。間宮さんにフォローいただいてここに立てています」と挨拶。小林監督は「東京国際映画祭で8年前にデビューしたので感慨深いです」と述べた。
本作の原作は、Twitterで話題になった同名タイトルの4コマ漫画。映画化しようと思ったきっかけについて、小林監督は「プロデューサーからいろいろといただいたものを読んでいる中で、いい作品になるかも、そして自分が描きたいものに似ているとも思った」と明かした。
撮影が行われたのは去年のちょうど今頃。撮影で苦労したことについて、間宮は「スケジュールに恵まれ、照明部がなく自然光にこだわり、光がダメなら撮影をしないということが許されるスケジュールですごく充実していました。困ったこと、苦しんだことはなかったです」、桜井は「鹿野という役はつかみどころがないキャラクターですが、撮影に入る前に1週間、監督と間宮さんでディスカッション、役についてお話ししたり、リハーサルができたので不安もだいぶ和らいでインできました」と振り返った。
続いて、出来上がった本作の中で、好きなシーン、ぜひ観てほしいポイントを尋ねると、桜井は「インした日のワンシーンです。リハーサルで5時間かかっています。監督のこだわりのもと、みんなで作ったシーンです。(間宮演じる)小坂とクラスの女子生徒が話している、その目線の先で、鹿野がごみ箱をあさっています。5時間あさっていました」と驚きのエピソードを披露。小林監督は「そうですね。それくらいかかるかなと(笑)」と奮闘を称えた。間宮は「僕も含めてなんですが、今、SNSの発達もあって大人数を相手にしなければならないという錯覚をしはじめているなと思っていて、この映画は、“二人”という自分と特別な誰かの話なので、一人そんな存在がいることの尊さが伝わればばいいなと思います」と語り、続けて「監督は、女性を撮るのが上手くて、きれいに撮っているので2時間満足いただけます」と述べると、小林監督は「間宮君も美しく撮ったつもりなので、かなりの見どころです」と息が合うところを見せ観客を笑わせた。
最後に、桜井は「どんな自分でも認めてくれる誰か一人がいてくれれば大丈夫だよ、というメッセージを含んでいます。そんな人と過ごす時間が尊くて、とても大切な時間だと改めて気づかせてくれる作品です」、間宮は「これから映画を観てくれるということ、それだけで嬉しいです。観る前と観た後、その人にとって少しでも違ったらそれだけで幸せです」、小林監督は「繊細な演技を二人がしているので、そこを注目して観てほしいです」と会場の観客へメッセージを送り、舞台挨拶は終了した。
『殺さない彼と死なない彼女』
11月15日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督・脚本:小林啓一
原作:世紀末「殺さない彼と死なない彼女」
音楽:奥華子
主題歌:奥華子「はなびら」
出演:間宮祥太朗 桜井日奈子 恒松祐里 堀田真由 箭内夢菜 ゆうたろう 金子大地 中尾暢樹 佐藤玲 佐津川愛美 森口瑤子
配給:KADOKAWA ポニーキャニオン
【ストーリー】 何にも興味が持てず、退屈な学生生活を送っている高校三年の小坂れい(間宮祥太朗)。ある日、小坂は教室で殺されたハチの死骸を埋めているクラスメイト・鹿野なな(桜井日奈子)に出会う。虫の命を大切に扱う心優しい一面を持ちながら、ネガティブな言動で周囲から孤立し、リストカット常習者で“死にたがり”の鹿野に興味を抱く小坂。“ハチの埋葬”をきっかけに、二人は一緒にいることがあたりまえになっていくのだが…。
(C)2019映画「殺さない彼と死なない彼女」製作委員会 (c)2019 TIFF