染谷将太、姉役・戸田恵梨香に絶大な信頼「どんどん道を切り開いてくれる。僕はただ付いて行ったら姉弟になれた」

主演に染谷将太、共演に戸田恵梨香、窪塚洋介ら豪華実力派キャストを迎えて贈る家族の物語『最初の晩餐』が、11月1日より公開される。このほど、10月15日に東京・神楽座にて公開記念トークショーイベントが行われ、キャストの染谷将太と永瀬正敏が登壇した。

CMやミュージックビデオ、短編映画などで国際的に高い評価を受けている常盤司郎監督が構想7年をかけて完成させた長編映画デビュー作。企画立ち上げ当初からオファーを受けていた染谷は、「家族を描きながらも説教くさくなくて、複雑なんだけれどとてもポジティブ。これまでに出会ったことのない作品。家族って結局分からないんだけれど、それでいい!と背中を押してくれた気がした」と常盤監督が手掛けたオリジナルストーリーにゾッコン。タイトルに惹かれたという永瀬は「いいタイトルだと思って脚本を読んだら、回想シーンの扱い方がとても上手で素晴らしいと思った。そして染谷君が素晴らしい」と手放し絶賛だった。

劇中には様々な料理が登場する。染谷が印象的だったのは、ラストで食べる“おはぎ”。「食べると口の中の水分が奪われてむせる。でもそれが笑いになっているし、溜まっていた気持ちが同時に吐き出される。そのトリガーになるのが“おはぎ”という。台本の段階から最高のシチュエーションでした」と狙い通りの出来栄えに満足気。一方の永瀬は「ロケ弁の炊き込みご飯を娘役の森七菜さんがおにぎりとして握ってくれて。それを移動中に食べました。人の手が加わるだけでこんなに美味しくなるのかと…」と感動していた。

また永瀬は登山シーンを振り返り、「台本を読んだときはニコニコなハイキング程度かと思っていたので、まさか崖を登るロッククライミングだとは思わず。頑張って登りましたが、役作りのために食事制限をしていたので凄く疲れてしまって。大変ご迷惑をおかけしました」と知られざる苦労を明かした。

続いて、染谷は戸田恵梨香との共演について「姉貴っぷりが凄くて、そこに甘えればいいと思った。戸田さんがどんどん道を切り開いてくれるので、僕はそこにただ付いて行けば姉弟になれて。助かりました」と感謝。母役の斉藤由貴についても「確実に揺るがない、ブレない佇まいというのがあって。そこに甘えればいいんだと思った」とニヤリ。窪塚洋介との共演には「登場場面ではまさに『洋介さんキター!』となった」とそのカリスマ性に眩しそうだった。

一方、永瀬はデビュー時からお世話になっていた相米慎二監督作で、斉藤の初主演映画『雪の断章-情熱-』の現場でスタッフとして参加していたことを明かし、「だからちょっと関わりがあるんです。その時から考えると、斉藤さんと共演できて幸せ」とシミジミ。窪塚については「時間が経っての久々の共演でしたが、嬉しかった」と再会を喜んでいた。

最後に、染谷は「食事を通して家族について自分の記憶を巡り、美味しさや幸せや悲しさが押し寄せてくるけれど、それをすべてひっくるめて前進できることに感動しました。一つ一つのピースが揃って最後にパズルは完成するけれど、観た方によって絵柄が違う。そんな作品」とアピールし、永瀬も「僕も昨年一人家族を亡くし、撮影中と今ではこの映画の感じ方も変わりました。色々な方に監督の7年の想いと共に美味しく観てほしいです」と公開に期待を込めた。

『最初の晩餐』
11月1日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本・編集:常盤司郎
出演:染谷将太 戸田恵梨香 窪塚洋介 斉藤由貴 永瀬正敏 森七菜 楽駆 牧純矢 外川燎 池田成志 菅原大吉 カトウシンスケ 玄理 山本浩司 小野塚勇人 奥野瑛太 諏訪太朗
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 カメラマン東麟太郎(染谷将太)は父・日登志(永瀬正敏)の葬儀のために故郷へ帰ってきた。姉の美也子(戸田恵梨香)と準備をする中、母・アキコ(斉藤由貴)が、通夜ぶるまいは自分で作ると言い出した。やがて運ばれてきたのは、目玉焼き。親戚たちがざわつく中、麟太郎は気がつく。「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」なつかしい手料理を食べるたび、思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえってくる。20年前に父と母が再婚した日、連れ子の兄シュン(窪塚洋介)と5人で暮らした日々のこと…。止まっていた家族の時が今、ゆっくりと動き出す。

©2019『最初の晩餐』製作委員会