「ナラタージュ」、「ファーストラヴ」などを手掛けた直木賞作家・島本理生が初めて官能の世界に挑んだ小説を、主演に夏帆、共演に妻夫木聡を迎えて映画化する『Red』の公開日が2020年2月21日に決定し、追加キャストとして、柄本佑、間宮祥太朗が出演することが発表された。
平凡な結婚、可愛い娘、“何も問題のない生活”を過ごしていたはずだった村主塔子は、10年ぶりに昔の恋人・鞍田秋彦に再会する。鞍田は、塔子の気づかなかった心の隙間に悪魔のように入り込み、運命は予想もしない方向へ走り出す。
主人公・塔子(夏帆)に好意を抱く職場の同僚・小鷹淳役を務めるのは、昨年、第73回毎日映画コンクール男優主演賞、第92回キネマ旬報ベスト・テン主演男優賞に輝き、今年も、現在公開中の『アルキメデスの大戦』や話題作『火口のふたり』の主演を務めるなどますます勢いが止まらない柄本佑。小鷹は、塔子に惹かれながらも、塔子と鞍田の関係に唯一気づく重要な人物。柄本は、強引だけれどもどこか憎めないこの不思議な魅力を持つキャラクターを軽やかに演じる。塔子の夫・村主真役には、NHK連続テレビ小説「半分、青い。」や映画『帝一の國』など数々の話題作に出演し、今年も連続ドラマ主演作「べしゃり暮らし」や主演映画『殺さない彼と死なない彼女』も控えるなど、デビュー10周年を迎え、更なる活躍を見せる、間宮祥太朗。真は、家族想いで悪気はないものの“価値観のずれ”ゆえに、無自覚に塔子を追い詰めてしまう難しい役どころだ。
■柄本佑(小鷹淳役) コメント
新しく入社してきた夏帆さん演じる塔子に少し恋心を抱く男・小鷹を演じました柄本佑です。とても刺激的な恋愛映画であり、実際に起こったら大変な事になりますが…、なぜこういう映画が生まれるか。どこかでみんなちょっとだけ憧れてしまうところがあるのか。だけど、それを現実ではやってはいけない。そんな映画を2時間、疑似体験して、その恋愛を楽しんで頂きたいなと。映画っていうのはそういう夢のあるものなんだなと思います。
■間宮祥太朗(村主真役) コメント
三島監督と夏帆さんとじっくり撮影した日々が懐かしいです。どうなろうとも女性が女性であるという事を忘れるべからず。私はまだ結婚した事も子供を持った事もありませんが、いつかのその時の為にその事を覚えていなければと思いました。思ったと言うよりも痛感したと言った方が近いかもしれません。自分が演じた真と同じ轍を踏まない様に。
■三島有紀子(監督) コメント
塔子をとりまく3人の男は、それぞれベクトルは違うものの自分の尺度がはっきりしていて、全員に絶対的な色気と圧倒的な芝居力で夏帆さんの魅力を多面的に引き出してもらう必要がありました。3人のみなさまには、いままで観たことのない芝居をしていただけたと思うし、夏帆さん含む4人の芝居は素晴らしかった、の一言に尽きます。
Q:柄本佑について。
観察眼がある目をしているのに、緊張を解くのがうまく、色気があり、鞍田(妻夫木聡)と違う声質と声の高さを持っていて、人間の複雑さと深みを表現してくれる人を探していました。柄本佑さんのことを『美しい夏キリシマ』からずっと観てきましたから、いた、と。佑さんは、“達観した儚さ”が強さと色気を生む人で、小鷹の人生の歴史さえ感じさせながら映画に存在し、“共感”より“理解”という他者への寛大さを体現してくれたと思っています。
Q:間宮祥太朗について。
真という人間が、ただ嫌な悪者に感じられては浅くなってしまうのでは、と悩みました。インテリジェンスを持ったハイソサエティの人間で、古い常識に疑いを持たない素直な男。塔子との文化の違いが出なくてはならないと考えていました。言葉の選択に知性を感じていた間宮さんが演じてくれたら、リアルで、真の考え方にも説得力が生まれるのではないか、と。間宮さんは、イマジネーションに溢れていたし、周りを愛することと周りに愛されることを心から素直にできる稀有な存在で、“鈍感”と“敏感”が行き来する真の心の弱さと機微を繊細に演じてくれました。
『Red』
2020年2月21日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:三島有紀子
原作:島本理生「Red」
脚本:池田千尋 三島有紀子
出演:夏帆 妻夫木聡 柄本佑 間宮祥太朗
配給:日活
【ストーリー】 平凡な結婚、可愛い娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子(夏帆)。10年ぶりに昔の恋人・鞍田秋彦(妻夫木聡)に再会をする。「君は、変わってないな…」鞍田は、塔子の気づかなかった心の隙間に悪魔のように入り込んでくる。そして運命は予想もしない方向へ走り出す…。
©2020『Red』製作委員会