ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督が登壇!『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』ティーチインイベント レポート

エマ・ストーン主演、スティーブ・カレル共演で贈る、アカデミー賞受賞作『スラムドック$ミリオネア』の製作チームが再集結した映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』が7月6日より公開となる。それに先立ち、5月31日に渋谷・ユーロライブにてティーチインイベントが行われ、本作を手掛けたジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス監督が登壇した。

本作は、1973年に行われた、男女平等を求めた女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、彼女に挑戦状を叩きつけた元男子チャンピオンのボビー・リッグスとの決戦を描いた実話に基づく物語。たくさんの温かい拍手の中、イベントが開始され、ジョナサン監督は「みなさん、こんばんは。『リトル・ミス・サンシャイン』から12年ぶりに東京へ戻ってくることができました」、ヴァレリー監督は「『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』をぜひ見てください」と挨拶した。

エマ・ストーンをビリー・ジーン役にキャスティングした理由を聞かれると、ジョナサン監督は、「もともとエマのことは好きだったんです。エマはどんな役だって演じられると思っていた。ただ、今回はエマからやりたいと言ってくれたんです。彼女がやりたいと言ってくれて、こちらが断ることはありません」と笑顔を見せた。ビリー・ジーンの事は二人にとって「テレビでよく見ていた存在でしたが、コートにいる時より外で話している言葉の方が印象的で、ウーマンズリブの代表的存在でした」と答えた。

夫婦で映画を製作し、“女と男の戦い”が起きることはないかという問いには、ヴァレリー監督が「役割分担は特にしていなくて、決定事項は一緒に確認するようにしています。バトルは家でだけして、外にださないようにしています(笑)」と答え、二人で目を合わせた。とてもこだわったというコスチュームについては、「私たちは全てにおいて指示をするんですが、テニスウェアに関しては当時のそのままを再現して作りました。73年以前は白のウェアしかなくて、この時からカラフルなウェアを起用したんです」と語り、会場から驚きの声があがった。

ここでマスコミから、アメリカの選挙戦と近かったことで撮影に影響がなかったのかと聞かれると、ジョナサン監督は「撮影し始めた時はヒラリーの名前だけは上がっていて相手はまだだったんです。ただきっと男だろうと予想していた。アメリカ中はヒラリーが勝つと思っていて、私たちも撮影が終わってみんなで祝福しようと言っていたのに、ショックを受けた。私たちの最初のプランと違ったんです」と当時を振り返った。

後半は監督の過去作として、スマッシング・パンプキンズの「Tonight,tonight」のPV、『リトル・ミス・サンシャイン』、『ルビー・スパークス』の予告編を上映し、ファンからの質疑応答を開始。俳優の採用についての決め手は?という質問には、ヴァレリー監督は「ビリー・ジーンを含めたオリジナル9のメンバーは、半分はプロのテニス選手で、半分は俳優でキャスティングしました。なかなか演技ができてテニスができる人がいなかったんです」、ジョナサン監督は「起用したテニス選手は演技をしたことがなかったのに、急にエマ・ストーンと演技をしなくてはいけなかったのです。大変だったと思います」と語り、会場からは笑いが起こった。

映画監督が夢だという観客から、映画を撮る時に大切にしていることは?と聞かれると「最初は自分の作品には嫌悪を感じるけど、過去を振り返らないで前を向いていってほしい。私たちも最初は監督業だけで食べていけなかったので、アルバイトをして週末に映画を撮っていました。今はいろいろなツールがあるから、友達とたくさん作ってみてください」とエールを送った。

ボビー役のスティーブ・カレルのルックスに関しては「ビリーに似せるために入れ歯を入れたりもみあげを生やしたりしてもらった。その恰好でアカデミー賞の授賞式に出たので、奥さんに文句を言われました(笑)。でもエマもそうですが、ルックスは気にしない、この役のためには何でもやりますという姿勢が、この二人の共通するところだし、尊敬するところです」と出演した二人を称賛した。

最後に、ヴァレリー監督は「映画を楽しんで欲しいです。テニスの試合について描いていますが、家族の思いや、自分に忠実であれというメッセージも込められています。当時のアメリカに旅行した気分を味わえると思いますので、ぜひ楽しんでください」と日本のファンへのメッセージを送ると、大盛り上がりの中、イベントは終了した。

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
7月6日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか、全国順次ロードショー
監督:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
製作:ダニー・ボイル クリスチャン・コルソン
脚本:サイモン・ボーフォイ
出演:エマ・ストーン スティーブ・カレル アンドレア・ライズブロー ビル・プルマン アラン・カミング
配給:20世紀フォックス映画

【ストーリー】 1973年、全世界で9,000万人の目をくぎ付けにした決戦があった。女子テニスの世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングと、元男子チャンピオンのボビー・リッグスの戦いだ。女子の優勝賞金が男子の1/8だったこの時代、男女平等を求めたビリー・ジーンは仲間と共にテニス協会を脱退し、“女子テニス協会”を立ち上げた。待ち受ける数々の試練に立ち向かっていたビリー・ジーンに、“男性優位主義の代表”として挑戦状を叩きつけたのが、ボビーだ。ギャンブル癖のせいで最愛の妻から別れを宣告されたボビーは、この試合に人生の一発逆転もかけていた。果たして、一度は挑戦を拒否したビリー・ジーンが、すべてをかけて戦う理由とは?全世界が見守るなか、“バトル・オブ・ザ・セクシーズ=性差を超えた戦い”が幕を開ける─。

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