高良健吾、30代初となる作品の出演オファーに「久しぶりに痛々しい、ヒリヒリした役がきた」『アンダー・ユア・ベッド』完成披露上映会 レポート

KADOKAWAとハピネットの共同制作プロジェクト「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」の第2弾で、主演の高良健吾がベッドの下から女を監視する狂気の男を演じる『アンダー・ユア・ベッド』が、7月19日より公開される。このほど、7月4日にテアトル新宿にて完成披露上映会が行われ、キャストの高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三宅亮輔、そして安里麻里監督が登壇した。

完成した映画を初披露するにあたり、主演の高良は「30代最初の年の作品だったので、いろんな思いが詰まっていて、自分ではあまり思ったことのないような欲があった不思議な現場でした」とコメント。幼いころから存在感がない孤独な男・三井役を演じ、「久しぶりに痛々しい、ヒリヒリした役がきた」とオファーを受け、「10代後半、20代前半はそういう役をやってきた記憶があって、当時は役の問題を自分の問題にしすぎていた気がするんです。そのやり方でやっていくと、どこかで不具合が出るんじゃないかと思っていた」と言い、「三井という役でどういう距離感でこの作品でいることができるんだろう」と思いながら「どういうふうに表現できるかというのが楽しみだった」と本作への想いを語った。

本作は、誰の記憶にも残らず存在を忘れ去られてきた孤独な男・三井が、学生時代に唯一“名前を呼んでくれた”千尋との11年ぶりの再会を夢見て追い始めることから始まる物語。夫から激しいDVを受ける千尋を演じた西川は、「段取りにないビンタが何発きたか!それがありがたかったです(笑)。リアルなリアクションができました」と数々のセンセーショナルなシーンに挑み、千尋の夫・健太郎を演じた安部も「カットがかかった後に『大丈夫?』と言うと、平気な顔で『はい!大丈夫です。もっとやってください!』って言ってくれるので(笑)。思いきりやったほうが作品のためにも、僕らの芝居の熱が伝わるんだろうなと思った」と体当たりで撮影に挑んだと語った。

三井が痣だらけの千尋の体を拭くというシーンについて、西川は高良について「“全力三井くん”になっていて、拭き方が半端ない!火が出るんじゃないかと(笑)」と振り返ると、高良は「(安里監督が)自分をイメージして書いてくれたとか、(三井役は)満場一致と言われて、こういう役でそういうのは結構複雑(笑)」と苦笑い。しかし、安部や安里監督から「近寄れなかった!」と言われるほど、高良が三井役にはまっていたと明かした。

また、誰にも打ち明けていない、実は裏でこっそりしている密かな楽しみは?という質問も。高良は「ズボンの丈が最近気になっている」そうで、「同じ形のパンツを買って、5ミリとか1センチで変えています。それが楽しい」とマイブームを明かし、安部に「三井くんが抜けてない!(笑)」と言われていた。

最後に、高良から西川へ、安部から安里監督へ、本作のキーアイテムである花束をプレゼント。さらに、原作者の大石圭からキャストと監督へメッセージが贈られ、イベントは幕を閉じた。

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『アンダー・ユア・ベッド』
7月19日(金) テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本:安里麻里
原作:大石圭「アンダー・ユア・ベッド」(角川ホラー文庫刊)
出演:高良健吾 西川可奈子 安部賢一 三河悠冴 三宅亮輔
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 雨の日の無人のエレベーター。誰かの香水の香りが残っている。俺(高良健吾)は思い出す。この香り…、11年前、たった一度だけ名前を呼んでくれた佐々木千尋(西川可奈子)のことを。親からも学校のクラスメイトからも誰からも名前すら憶えられたことのないこの俺を「三井くん」と呼んでくれた時のこと。俺は人生で唯一幸せだったあの感覚にもう一度触れたいと思い、彼女を探し出すことにした。家庭を持った彼女の家の近所に引っ越し鑑賞魚店を開店し、自宅に侵入、監視、盗撮、盗聴、彼女の近くで全てを覗き見ていたいと思った。だが、俺の目に映ったのは、全く別人に変わり果てた姿だったのだが…。

©2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会