介護うつの果てに母を亡くした青年の苦悩と希望を描いた香港の大ヒット映画『一念無明』（原題）が、邦題『誰がための日々』として、2019年2月2日より公開されることが決定した。

本作は、撮影当時20代後半だった香港の新人監督ウォン・ジョン（黄進）の長編第1作。トン（ショーン・ユー）と婚約者のジェニー（シャーメイン・フォン）は、家を買い、結婚し家族を作ろうと考えていたが、トンは母（エレイン・ジン）の介護を施設に入れたくないという思いから一人でやっていた。父は毎月お金を送ってくるだけで、弟はアメリカに行ったきり、母は思うようにならない自身の苛立ちをトンにぶつける。そんな中、トンはうつ病を発症、ある事件を引き起こし最愛の母を亡くしてしまう。1年後、躁うつ病の治療を終えて退院するトンの前に、父ホイ（エリック・ツァン）が現れ、二人は狭い部屋で暮らし始める。

脚本のフローレンス・チャンは、実際に香港で起きた事件にインスパイアされて、オリジナ脚本を執筆。主演のトン役のショーン・ユーと父ホイ役のエリック・ツァンは、日本では『インファナル・アフェア』への出演が印象的だが、二人は脚本を読んで出演を快諾した。ショーンはパン・ホーチョン監督作『恋の紫煙』シリーズ（東京国際映画祭、大阪アジアン映画祭で上映）が熱狂的な支持を受けており、エリックは俳優として様々な作品に出演しながら香港の新人への支援を惜しまず、本作でウディネ・ファーイースト映画祭、ニューヨークアジア映画祭で生涯功労賞を受賞した。

本作は、2013年3月に香港政府機関の商務及経済発展局が新人発掘を目的に試験的に企画し、電影発展局がこれを支持して基金を設立した「首部劇情電影計劃」の第1回受賞企画となった。2017年香港金像奨では8部門にノミネートされ、助演男優賞、助演女優賞、新人監督賞を受賞。台湾金馬奨では助演女優賞と新人監督賞を受賞し、大阪アジアン映画祭ではグランプリに輝いた。

『誰がための日々』
2019年2月2日（土）より新宿K’scinemaほか順次公開予定
監督：ウォン・ジョン
脚本：フローレンス・チャン
プロデューサー：デレク・チウ　ヘイワード・マック
出演：ショーン・ユー　エリック・ツァン　エレイン・ジン　シャーメイン・フォン
配給：スノーフレイク

【ストーリー】　トン（ショーン・ユー）は婚約者のジェニー（シャーメイン・フォン）と家を買い、結婚し家族を作ろうと考えていた。忙しすぎるとジェニーに言われても、施設には入れたくないと、母（エレイン・ジン）の介護を1人でやっていたトン。父は長く家に寄り付かず毎月お金だけを送ってくる。弟はアメリカに行ったきり帰ってこない。母は思うようにならない自身の苛立ちをトンにぶつける。ぎりぎりの状態でトンはうつ病を発症、ある事件を引き起こし、最愛の母を亡くす。1年後、躁うつ病の治療を終えて退院するトンの前に、ずっと会わなかった父ホイ（エリック・ツァン）が迎えに来ていた。2段ベッドを置いた狭い部屋で、父子は暮らし始める。

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