ドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマン監督が、世界で最も有名な図書館であるニューヨーク公共図書館の舞台裏を撮った『Ex Libris – The New York Public Library』(原題)が、邦題『エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館』として、2019年5月18日より公開されることが決定し、併せて場面写真がお披露目となった。
ニューヨーク公共図書館はアメリカを代表する図書館で、タイムズスクエアとグランドセントラルの中間にある本館と92を超える分館に6000万点のコレクションを誇る世界屈指の知の殿堂。地域の住民はもちろん、研究者たちへの徹底的なサービスで、世界中の図書館員の憧れの図書館と言われている。また、アニメ映画化が話題になった漫画「BANANAFISH」や大ヒットドラマ&映画『SEX AND THE CITY』の聖地としても知られている。本作では、一般の来訪者では見ることのできない図書館の舞台裏をふんだんに見ることができる。
監督は、2016年にアカデミー賞名誉賞を受賞したドキュメンタリーの巨匠、フレデリック・ワイズマン。1967年の第1作以来、来年1月1日に89歳となる現在にいたるまで1年~1年半に1本のペースで新作を発表し、今年のベネチア国際映画祭では42作目にあたる最新作を発表した。
本作のタイトル「エクス・リブリス」とは、「~の蔵書より」という意味のラテン語で、「蔵書票」「図書票」とも訳され、本の持ち主を明らかにするため、本の見返し部分に貼られている小紙片を指す。ワイズマン監督はこの言葉を加えた理由を、「一種の内輪ジョークでもある。僕の義父が、蔵書のすべてにエクス・リブリスという文字と自分の名前を表記していたからね」と説明している。
■フレデリック・ワイズマン監督 コメント
私は昔から公共図書館が大好きで、色々なことを学び発見し、驚きや刺激をもらえる場所として利用してきた。しかし、この映画を作って初めて、ニューヨーク公共図書館の奥深さ、領域の広さ、本館と92の分館ですべての階級・人種・民族を対象にした幅広いサービスを提供していることを知ることができた。また、膨大な蔵書やコレクション、幅広い活動プログラムに魅力を感じるとともに、さまざまな分野で助けを求めてやってくる人々の相談に乗っているスタッフの本気度と熱意にも惹かれた。
『エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館』
2019年5月18日(土)より岩波ホールほか全国順次ロードショー
監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン
配給:ミモザフィルムズ/ムヴィオラ