京劇の影響のもと、アクション映画を芸術の域にまで高め、中華圏として初めてカンヌ国際映画祭での受賞を果たしたキン・フー監督の幻の傑作と言われる『山中傳奇』(さんちゅうでんき)が、4Kデジタル修復完全全長版となって、11月24日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと予告編がお披露目となった。
本作は、ブルース・リーやジャッキー・チェンを始めとした香港アクション界に絶大なる影響を与えながらも、当時の日本では紹介されることなく、後の映画祭上映などを通じてようやく“発見”された。今回の上映は、4Kデジタル修復版として甦り、従来知られていた2時間版とは異なる、3時間10分にもおよぶ完全全長版となる。2016年にはベネチア国際映画祭クラシック部門に出品された。
主演は、それぞれ『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』『俠女』にも主演のシー・チュンとシュー・フォン。さらに人気女優で監督としても活躍しているシルヴィア・チャン(『恋人たちの食卓』『妻の愛、娘の時』)が、主人公の学僧を救う絶世の美女を演じている。
『山中傳奇』4Kデジタル修復完全全長版
11月24日(土)、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督・美術:キン・フー
脚本:チュン・リン
撮影:ヘンリー・チェン
音楽:ウー・ターチャン
武術指導:ウー・ミンサイ
出演:シルヴィア・チャン シュー・フォン シー・チュン ティエン・フォン レインボー・シュー トン・リン ウー・ミンサイ
配給:オリオフィルムズ 竹書房
【ストーリー】 若き学僧ホーは、霊験あらたかな経典の写経を依頼され、仕事に集中すべく幽玄な山中の城跡を訪れる。しかしそこに棲まっていたのは、成仏できずにこの世を彷徨う妖怪たち。ホーを陥れ、死者の魂を解放すると伝えられる経典を奪おうとする悪霊と、そうはさせじと立向うラマ僧の道士。やがて、現世と霊界の境を超越した凄まじい戦いが勃発する。使われる武器は剣や弓矢ならぬ、太鼓やシンバルといったパーカッシヴな楽器の数々!轟々と鳴り響くトランス・リズムの応酬のなかで、やがて妖怪たちの恐ろしくも悲しい過去が明かされてゆく…。