東出昌大「この映画が公開されるまで死ねないと本気で思っていた」『寝ても覚めても』プレミア上映&舞台挨拶 レポート

東出昌大と濱口竜介監督がタッグを組み、芥川賞作家の柴崎友香による同名恋愛小説を映画化した『寝ても覚めても』が9月1日に公開となる。このほど、8月21日にテアトル新宿にてプレミア上映と舞台挨拶が行われ、キャストの東出昌大、唐田えりか、瀬戸康史、山下リオ、伊藤沙莉、渡辺大知(黒猫チェルシー)、濱口竜介監督が登壇した。

【本イベントの模様の全文掲載はコチラ!】

第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された本作は、同じ顔をした二人の男性と、その間で揺れ動く女性・朝子の8年間を描く恋愛映画。本作について、東出は「感想は千差万別だと思います。僕はこの作品を観た後に疼きのようなものを感じて、ヒリヒリする思いがしました」とコメント。瀬戸は、唐田演じる朝子を見て、「ピュアって怖い。ピュアって幸せなことだけじゃないんだな」と思ったといい、唐田は「朝子と私自身はそんなに変わらない気がしていて。この作品で朝子を演じて、自分に嘘をつきたくないなってさらに深く思いました」と役柄と自身と重ねつつ語った。

濱口監督が「こんなに皆さんが仲良くなってくれるなんて。波長が合う」と言うほど、キャスト陣の仲が良かったという本作。ワークショップで脚本を無感情に何度も読んでから現場に入るという撮影方法だったようで、東出は「ワークショップをこれだけ長くやるっていう現場は稀有な現場。それゆえに(キャストが)仲良くなったというのもある」と振り返った。続けて、「濱口監督の前作の『ハッピーアワー』を役者として観た時に衝撃を受けすぎて、こんなに台詞っぽくなく自分の言葉でしゃべっているのがすごいなって思ったんです。それを再現するために、たくさんワークショップをやっていたので。お芝居をしているトーンでしゃべっていないので、そういうところも楽しみにしていただければ嬉しいなと思います」と濵口監督の本作での独特な演出をアピールした。

東出が演じたミステリアスな麦(バク)というキャラクターについては、女性キャスト3名は「怖かった」と意見が一致し、「宇宙人」「異生物」といった感想も飛び出した。唐田から「目が合ったら殺されそうだった」とコメントがあると、東出が「醸す雰囲気が怖かったかな。ごめんね(笑)」と謝る場面も。イベントの中盤には東出が観客へ質問を募り、「瀬戸が好きで本人になりたい」という女性ファンの質問に、瀬戸がタジタジになりながらも答えていた。

最後に、東出から「僕は撮影中、“寝ても覚めても”この作品のことしか考えていなかったです。この映画が公開されるまで死ねないなと本気で思っていました。冗談じゃなく、本気でこの映画を愛していますので、今日ご覧いただけるのが大変嬉しいです。いろいろ考えて、味わっていただければ」と挨拶があり、舞台挨拶は終了した。

【本イベントの模様の全文掲載はコチラ!】

【フォトギャラリーはコチラ】

『寝ても覚めても』
9月1日(土) テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:濱口竜介
原作:柴崎友香「寝ても覚めても」(河出書房新社刊)
音楽:tofubeats
主題歌:tofubeats「River」(unBORDE/ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知 仲本工事 田中美佐子
配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス

【ストーリー】 東京。カフェで働く朝子は、コーヒーを届けに行った先の会社で亮平と出会う。真っ直ぐに想いを伝えてくれる亮平に戸惑いながらも朝子は惹かれていき、ふたりは仲を深めていく。しかし、朝子には亮平には告げていない秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦(バク)に顔がそっくりだったのだー。

©2018 映画「寝ても覚めても」製作委員会/ COMME DES CINÉMAS