平出和也「哲学的な映画で、何故山に登るのか考えさせられる」『クレイジー・フォー・マウンテン』トークイベント レポート

世界の名峰に挑む登山家・アスリートたちを迫ったドキュメンタリー映画『クレイジー・フォー・マウンテン』が7月21日より公開中。このほど、8月11日の山の日を記念し、8月10日に新宿武蔵野館にて、アルパインクライマーで山岳カメラマンの平出和也をゲストに迎えてトークイベントが行われた。

平出と言えば、人気ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS・TBS系)で、平出に密着した回が7月29日に放送されたが、彼のその果てしない山への挑戦に、視聴者が「ガチですごい!」「衝撃!」などとSNSで発信するなど多くの話題を集めたばかり。この日も、観客と一緒に本作を観賞した平出が、上映後そのまま客席からステージに登場すると歓声が起き、その人気ぶりをうかがわせた。そして平出は開口一番「哲学的な映画で、自分も何故、山に登るのか改めて考えさせられた」と感想を述べた。

平出に関する最新ニュースとして、MCが“登山界のアカデミー賞”とも言われる「ピオレドール賞」を日本人で唯一、しかも2009年に続き二度目の受賞決定が先日発表されたことに触れると、未踏峰・未踏ルートにこだわり、数々の新ルートを制覇し続ける平出は「この賞は順位を競うようなものではなく、わたしの探求心に対して、よく見つけたね!というような賞なんです」と、「ピオレドール賞」について説明。今回の受賞は、昨年の夏、15年かけて挑み続けてきたパキスタンのカラコルム山脈「シスパーレ」に4度目の挑戦で見事登頂した功績が称えられて贈られるものであることを話した。

映画についてのトークでは、本作の撮影監督であるレナン・オズタークと、ミャンマーのカカボラジ山で偶然遭遇したことがあるというエピソードが飛び出し、その際、レナンが撮影に使っていたドローンを3基も墜落させてしまい「和也、ドローンもらえないか?」と言われたことがあるんですよと平出。世界有数の山岳カメラマンであるレナンの意外とおっちょこちょいな一面が垣間見え、客席では笑いが起きていた。また、本作を手掛けたジェニファー・ピードン監督が前作『Sherpa』の撮影監督を探していた際に「レナンか和也か悩んでいる」と言われていたことを明かし、「あの時、僕が選ばれていたらこの映画にも関わっていたかもしれないですね」と笑顔で語った。最後に、山の日記念ということで自身の心の山は何処か聞かれた平出は「小さい頃に親に連れて行ってもらった八ヶ岳。木々の匂いを嗅ぐだけで充実した気持ちになる。皆さんも大切な人と登った山や季節を変えて登る山があれば大切にしていただきたい」と客席に向かってメッセージを残し、イベントは終了した。

『クレイジー・フォー・マウンテン』
7月21日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
監督・製作:ジェニファー・ピードン
音楽:リチャード・トネッティ
撮影:レナン・オズターク
ナレーション:ウィレム・デフォー
配給:アンプラグド

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