冒険家の三浦雄一郎&プロクライマーの大場美和が登壇!『クレイジー・フォー・マウンテン』トークショー付き特別試写会 レポート

世界の名峰に挑む登山家・アスリートたちを迫ったドキュメンタリー映画『クレイジー・フォー・マウンテン』が7月21日より公開となる。このほど、7月10日に東京・神楽座にてトークショー付き特別試写会が行われ、世界最年長エベレスト登頂記録を持つ冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎、プロクライマーの大場美和が登壇した。

大きな拍手で迎えられる中、現在85歳で世界最年長エベレスト登頂記録を持つ三浦と、プロクライマーとしてテレビやCMを含め世界で活躍する20歳の大場がにこやかに挨拶し、イベントはスタートした。5大陸の難関峰への登頂をはじめ、山を舞台とした様々なエクストリーム・スポーツに挑む登山家・アスリート達を映し出している本作。長年スキーや登山の世界で活躍する三浦は、とくに印象に残ったシーンを聞かれると「やっぱりエベレスト!」と即答し、「エベレストは歩いて宇宙に近づいている感覚が味わえる」と自身にとっても特別な場所であることを明かした。一方、9歳からスポーツクライミングを始め、現在は自然の岩を登っているという大場は「アスリートたちによる命がけでしか得られない体験が、スクリーンを通して観客も味わえる贅沢な映画」と本作を絶賛。それを受けて三浦も「小さな画面で観るのはもったいない映画。大きなスクリーンと素晴らしいサウンドを味わうために、公開したら真っ先に劇場へ行こうと思った」と話した。

本作が投げかける「人は何故山に登るのか」という問いについて、三浦は「自分に対する好奇心ですね」、大場も「限界に挑戦することが面白いから」と持論を唱え、「死と隣り合わせなこともあるが嫌ならやらなきゃいい!」と笑顔を見せた。本作を手がけたジェニファー・ピードン監督は登山家であり、山岳ドキュメンタリー監督としてはとてもめずらしい女性監督。音楽の使い方や映像にも女性ならではの目線が映し出されているのも印象的だ。そんな本作について、大場もプロクライマーとして「実際に登る時は、指の場所が数ミリ違ったり、足の向きを間違うだけで登れるところが登れなかったりする」と実は繊細に考えながらクライミングしているそうで、「気持ちを落ち着けるのに音楽を聴いたりもします」と話した。

7月10日が“富士山の山開きの日”であったことから、一般の方に向けて大場は「自然を絶対に傷つけないで!」、三浦は「想定外のこともあるのが山。ことわざの“年寄り半日仕事”をモットーにしたことでエベレストにも登れた。余裕を持ちゆっくり挑みましょう」とメッセージ送り、イベントを締めくくった。

『クレイジー・フォー・マウンテン』
7月21日(土)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・製作:ジェニファー・ピードン
音楽:リチャード・トネッティ
撮影:レナン・オズターク
ナレーション:ウィレム・デフォー
配給:アンプラグド

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