デビュー10周年を迎える人気作家・湊かなえの第155回直木賞候補作となった短編集「ポイズンドーター・ホーリーマザー」全6編が、WOWOWにて連続ドラマ化されることが決定した。
母と娘の関係を軸にしながら、人間の情念を抉り取るように描く本作。女優・藤吉弓香は、自分を思うようにコントロールしようとする母親・佳香の存在に小さい頃から悩まされてきた。まさに“毒親”である佳香に反発して上京した弓香だったが、その束縛から逃れられていたわけではなかった。ある日、佳香が裏で動いたことで男と別れ、大切な仕事を失っていたと知った弓香は、トーク番組で佳香を告発、それが大きな反響を呼ぶ。一方、周囲の人々から見れば、佳香は子ども想いの良き母親だった。弓香の発言を聞いた佳香は、自分の人生を振り返り、“子離れ”を決意する。このほか、“優しすぎて”殺人を犯してしまう(「優しい人」)、すべては自分のせいだと信じ続ける(「罪深き女」)、奔放な妹と対照的に40歳近くまで猫だけに心を開いてきた(「マイディアレスト」)、脚本家を目指しライバルの活躍に苛立ちを募らせる(「ベストフレンド」)、といった様々な女たちの姿が描かれていく。
監督は、「連続ドラマW プラージュ」、『かぞくいろ -RAILWAYS わたしたちの出発-』(11月30日公開)などを手掛けた吉田康弘が務める。
■吉田康弘監督 コメント
数々の作品が映像化されてきた湊かなえ先生原作のドラマ化に携わることができ、大変光栄に思っています。本作は、昨今の分かり易い勧善懲悪なドラマとは一線を画す、インテリジェンスを備えた大人向けのドラマになると予感しております。原作にある強い毒気と鋭い社会風刺を存分に活かしながら、人間の多様性や複雑で曖昧な感情を、俳優部の皆さんとセッションしながら紡ぎ出し、血肉の通った骨太なドラマに仕立てたいと思います。ひとたび触れれば絡めとられるような、人間の業を深く抉る快作を目指し、スタッフ一同力を合わせて邁進しますので、どうぞ完成を期待して待っていて下さい。
「ポイズンドーター・ホーリーマザー」
WOWOWにて放送予定
監督:吉田康弘
原作:湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(光文社文庫)
脚本:清水友佳子
【ストーリー】 女優・藤吉弓香は、自分を思うようにコントロールしようとする母親の存在に小さいころから悩まされてきた。母親の佳香は、弓香にとってまさに「毒親」。佳香に反発して上京した弓香だったが、束縛から逃れられていたわけではなかった。佳香が裏で動いたことで男と別れ、大切な仕事を失っていたと知った弓香はトーク番組で佳香を告発、それが大きな反響を呼ぶ。一方、佳香を知る周囲の人間たちから見れば佳香は、決して「毒親」などではなく子ども想いの良き母親だった。弓香の発言を聞いた佳香は、自分の人生を振り返ることになり、「子離れ」を決意するが…。(「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」)。ほかに、「優しすぎて」殺人を犯してしまう(「優しい人」)、すべては自分のせいだと信じ続ける(「罪深き女」)、奔放な妹と対照的に40歳近くまで猫だけに心を開いてきた(「マイディアレスト」)、脚本家をめざしライバルの活躍に苛立ちを募らせる(「ベストフレンド」)、といったさまざまな女たちの姿が描かれていく。