「夜は短し歩けよ乙女」、「有頂天家族」など、数々のベストセラー作品を持つ森見登美彦の同名小説を原作としたアニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』が、8月17日より公開となる。このほど、現地時間7月25日に、カナダ・モントリオールで開催中の北米最大のジャンル映画祭「ファンタジア国際映画祭」にて、本作が最優秀アニメーション賞にあたる今敏賞の長編部門を受賞した。併せて、本作を手掛けた石田祐康監督、主人公のアオヤマ君役を演じた北香那よりコメントが寄せられた。
ファンタジア国際映画祭は、1996年にジャンル映画祭として始まり、現在はアジアやヨーロッパ、北米の作品を中心に約400作品を上映、会期中の来場者数は10万人にのぼる、北米最大のジャンル系映画祭。「今敏賞」は、2010年に逝去したアニメーション監督、今敏監督の功績を称えて、2012年より「ベストアニメーション賞」から名称が変更された賞で、過去に今敏賞長編部門を受賞した日本作品は、『言の葉の庭』(新海誠監督)や『ジョバンニの島』(西久保瑞穂監督)などがある。映画祭のホームページでは、「表現も構成も美しく練り込まれた、愛と友情の物語。全ての世代の人々の心を強く感動させる、魅力的でふしぎなラブストーリーだ。『ペンギン・ハイウェイ』は今敏賞にふさわしい」と受賞理由についてのコメントが発表されている。
本作は、今年6月にフランスで開催された世界四大アニメーション映画祭の一つ「アヌシー国際アニメーション映画祭」にも招待され、世界のアニメファンから高い評価を獲得。すでに北米、イギリス、フランス、台湾、韓国ほか世界11ヶ国以上で配給が決定している。
■石田祐康監督 コメント
まずは何と言ってもこの『ペンギン・ハイウェイ』にとって初めていただく賞になるのでものすごく嬉しいのと、衝撃が走ってます。何故ならまだ日本でも公開していないのに、もう賞をいただいてよろしいのかと…!また今敏さんは個人的に多大なる影響を受けた監督なので、その名を冠する賞をいただけることに非常に光栄な思いです!有難いことです。
■北香那(アオヤマ君役) コメント
自分にとって初めて命を吹き込んだ作品が、海外でこんなに素敵な賞を頂けるなんて、信じられない気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいです。映画「ペンギン・ハイウェイ」を、早く日本の皆様にもお届けしたいという気持ちがより一層高まりました。
『ペンギン・ハイウェイ』
8月17日(金)より、全国ロードショー
原作:森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」(角川文庫刊)
監督:石田祐康
主題歌:宇多田ヒカル「Good Night」(EPIC レコードジャパン)
出演:北香那 蒼井優 釘宮理恵 潘めぐみ 福井美樹 能登麻美子 久野美咲 西島秀俊 竹中直人
配給:東宝映像事業部
【ストーリー】 小学四年生の少年アオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録する。毎日努力を怠らず勉強するので、大人になったらどれほど偉くなるか、見当もつかない。そんなアオヤマ君は、通っている歯科医院の“お姉さん”と仲がよく、“お姉さん”はオトナびた賢いアオヤマ君を、ちょっと生意気なところも含めかわいがっていた。ある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが現れ、そして消えた。アオヤマ君は、“お姉さん”が投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃する。“お姉さん”とペンギンの関係とは?少し不思議で、一生忘れない、あの夏の物語が始まる。
(c)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会