TSUBAKIやマキアージュなど、資生堂のCMを長年にわたって手がけ、“女性美の映像職人”と呼ばれる小島淳二の映画監督デビュー作『形のない骨』が、7月28日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
2007年には、第57回ベルリン国際映画祭短編コンペティション部門に、日本作品として31年ぶりに出品された注目のクリエイターである小島淳二監督。直近の仕事では、連続テレビ小説「わろてんか」のオープニング映像なども話題となった。『形のない骨』は、彼が企画から立ち上げ、5年の歳月をかけて挑んだ映画監督デビュー作。これまで切り取ってきた女性の華やかな瞬間とは真逆となる“人間の内面”がじっくりとあぶり出されている。
格差社会から生まれる一般家庭の貧困や希薄な人間関係、女性蔑視の問題…。本作は、次第に追い詰められていくひとりの女性の壮絶な人生を通して、家族とは、人間の優しさとは何かを問いかける。理性的であることを求められる現代に生きるすべての人たちに贈りたい人生賛歌映画が誕生した。
■応援コメント
深田晃司(映画監督)
曖昧な感情を徒らに濾過せず曖昧なまま差し出してくれる挑戦的な映画でした。だからこそその果てにある水の清明さにハッとさせられる。『形のない骨』とはなんだろう、と思った。その骨が支える体はなんなのだろう。形のない骨とはいつも困った顔をして受け身でいるヒロインかもしれない。しかしそのヒロインによってギリギリ成り立つ家族の不思議。考えてみたら僕らの人生はあちこち形のない骨だらけだ。
秋山具義(アートディレクター)
観ていくうちに、どんな人間にも潜んでいる悪の部分のうすら怖さにぞわぞわしてきた。観客に、お前はどんな人間だ?と小島淳二監督は問いかけているのだろう。アートに見識のある人がニヤニヤしちゃう仕掛けも入っていたりして、憎いなぁと思いました。
『形のない骨』
7月28日(土) 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本・編集:小島淳二
出演:安東清子 高田紀子 田中準也 熊谷太志 杉尾夢 ジョーイシカワ 渡邊ちえ
配給:エレファントハウス
【ストーリー】 34歳の良子は画家の夫、姑、小学生の息子とともに、地方都市の一軒家で静かに暮らしていた。しかし、一見平穏に見えるその生活は、刺々しい姑の態度、闇の商売に手を染める夫の暴力にうんざりする日々。彼女が心を通わせるのは弟・圭人と、息子の宏だけだ。ある日彼女は、夫を思いがけない事件により失ってしまう。失った愛に苦しみ追い詰められた良子が取った行動とは…。
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